夢真HD、派遣事業での稼働率・派遣単価上昇等で、通期の営業益は創業来最高に

2018年11月22日に行われた、株式会社夢真ホールディングス2018年9月期決算説明会の内容を書き起こしでお届けします。IR資料 質疑応答パートはこちら

スピーカー:株式会社夢真ホールディングス 代表取締役社長 佐藤大央 氏
株式会社夢真ホールディングス IR室課長 横溝雄一 氏

2018年9月期決算説明会

横溝雄一氏:夢真ホールディングスでIR室を担当しています、横溝と申します。よろしくお願いします。本日はお忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。私から2018年9月期、すでに終わったファクトの部分を説明させていただきまして、その後、代表取締社長の佐藤より、2019年9月期、そしてまたその先についてを説明させていただきますので、よろしくお願いいたします。

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2018年9月期についてです。我々は2012年度より、大量採用をスタートしており、2012年から1,000人以上の採用をしております。ずっと「先行投資だ」「投資期間だ」と言ってきたのですが、その中で2018年9月期は、「ここで1回、利益を求めてみよう」と、利益を出すことを目標に掲げた年でございました。ですので、我々としても、もう7年ぶりに利益を出すということで非常に力の入った年でございます。ぜひみなさま、お聞きいただければなと思います。

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事業ポートフォリオ

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まずは、事業のポートフォリオです。2018年9月期は前期と比較しまして、その他のセグメントのところが変わっています。建設技術派遣事業とエンジニア派遣事業、そして2017年9月期は、教育関連・IT関連というビジネスがあったのですが、それをすべて、2018年9月期は、その他にまとめたかたちになっています。

TOPIC①

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2018年9月期の連結でのTOPICでございます。4つほど挙げさせていただいています。まずは連結の売上高でございます。33四半期連続で、前年比から増収しております。ですので、8年連続で増収しているということで、非常にトップラインが伸びているということでございます。

2つ目、連結の営業利益でございますが、冒頭に申し上げましたとおり、利益を出すことを念頭に置いていましたので、結果としましては、前年比で倍の利益が出ています。創業来の最高益を更新しているということでございます。

3つ目。建設技術者派遣事業でございますが、派遣単価が非常に堅調に推移しています。営業利益では、プラス73パーセントの着地でございます。

4つ目。エンジニア派遣事業では、技術者数の増加によりまして、41パーセント増収しています。さらに採用に関しましては、1,000人以上の採用を、創業来、初めて達成しました。

連結P/L(1)四半期毎の状況

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まずは、P/Lの状況を説明させていただきます。こちら(のスライド)が、四半期ごとの積み上げでございます。売上高に関しましては、32.5パーセントの増収でございます。営業利益以下の利益でございますが、利益を出すという非常にシンプルな経営課題のもと、すべての利益において100パーセント以上の増益を達成しました。前期よりも倍になっているということで、利益を出すという目標は、しっかり達成できたというところです。

連結P/L(2)売上高

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こちらが、売上高のセグメントごとの積み上げでございます。建設技術者派遣事業におきましては、70億100万円の増収、約33パーセントの増収でございました。こちらは、稼働人数が増加したことと、派遣単価が上昇したことによる増収でございます。

エンジニア派遣事業でございますが、こちらは29億9,300万円、40.5パーセントの増収ということで、こちらも建設技術者派遣と同じく、稼働人数が伸びました。また、派遣単価が上昇しているというところです。

その他のビジネスに関しましては、前期比でマイナスの1億4,400万円ということで、売上が落ちております。これは、外部環境が悪くなったという話ではなく、採算の取れていない会社を売ったりしたということで、経営戦略としての減収となっています。全体の結果としましては、404億1,900万円ということで、前期比で99億800万円の増収となっています。

連結P/L(3)販売費及び一般管理費

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こちらが販管費です。71億円5,200万円となっています。前期比で11パーセントの増加ということで、7億円ほど増加はしているのですが、増加率でいうと11パーセントということで、非常に低く抑えられています。内訳としましては、技術者以外の管理部門の人件費が4億円ほど増えています。

また、採用費が18億5,300万円で、前期比で約3億円ほど増えております。しかし、非常にローコストオペレーションが効いており、販管費率では、前期比で3.3ポイントの改善になっています。

連結P/L(4)営業利益

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営業利益でございますが、連結で51億8,600万円と、創業来の最高益となっています。建設技術者派遣事業では、21億300万円の増益でございます。要因としましては、稼働率・派遣単価がどちらも非常に高い水準をキープしたこと、また、ローコストオペレーションが効いていることです。エンジニア派遣事業に関しましても、同じく2億8,700万円プラス、161.8パーセントの増益となっています。

その他ビジネスに関しましても、不採算事業の売却と、さらに撤退・縮小を進めていますので、赤字が小さくなり、プラス4億4,500万円となっています。

連結B/Sの状況

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ここから、バランスシートの状況をご説明いたします。B/Sのサマリーでございますが、流動資産、流動負債、固定資産、固定負債ともに、すごく大きな変化があったということではありません。

連結B/S(1)資産の部

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中身を見ていきますと、こちらは資産の部でございますが、受取手形及び売掛金はおかげさまで、派遣できる現場数・お客さまが増えているということで、増加している状況でございます。また、のれんやソフトウェア、投資有価証券等々は、不採算事業を売却したことで、順次減っている状況でございます。

連結B/S(2)負債・純資産の部

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こちらが負債・純資産の部でございます。流動負債の中にある、株主優待引当金について、2018年9月期から株主優待をスタートさせており、その引当としまして、7,400万円を積んでいる状況でございます。長期借入金が14億円ほど増えていますが、こちらは運転資金による借入でございます。

連結B/S(3)自己資本推移

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こちらが自己資本の推移でございます。2018年9月末現在で、139億7,200万円の純資産です。自己資本では128億7,200万円ということで、自己資本比率も約6割と、非常に強いバランスシートであると言えます。

TOPIC②

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ここから、セグメントごとに詳しく説明させていただきます。まずは、当社の本業でもあります、建設技術者派遣事業について説明いたします。こちらのTOPICとしましては、3つございます。

27四半期連続で、2桁の増収をずっと続けている状況でございます。また派遣単価でございますが、前年比で3パーセント上昇しています。定着率に関しましては、年間を通して70パーセント以上を維持できたかたちでございます。

売上構成4指標

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建設技術者派遣事業でございますが、売上を構成する指標が4つございます。いわゆる当社のKPIでございますが、技術者数・稼働率・稼動時間・派遣単価の掛け算が売上高となっています。上から順に見ていきます。

技術者数(1)採用実績

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まずは、技術者数に関わる採用人数でございますが、今期は2,500人の採用という目標でスタートし、結果は2,764人ということで、計画を達成しています。前期が2,666人でしたので、約100人ほど上乗せした状況でございます。

技術者数(2)在籍人数の推移

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その結果としまして、在籍人数は9月末現在で5,066人でございます。2017年9月と比較しまして、15パーセントほど技術者数が増えているかたちでございます。

技術者数(3)定着率の推移

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こちらが定着率の推移でございます。2018年9月期に関しましては、年間を通して70パーセント以上を維持する計画で、そちらを無事達成できました。採用、さらに定着率に関して、しっかりと計画値を達成したかたちになっています。

技術者数(4)在籍年数別の割合

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こちらが在籍年数別の割合となっています。当社の建設技術者派遣は、1年生から2年生に上がると、非常に粗利率が良くなるというビジネスモデルです。このオレンジ色の部分が1年生比率ですが、そこが低くなれば、利益率が上がるという中身になっております。

2018年9月期は、採用人数はほぼ前期並みの2,666人でしたが、今期は2,764人でしたので、母数が増えている分、1年生比率が下がりやすい状況でございました。

結果としましては、2018年9月末で(1年生比率は)41.3パーセント。期初は47.1パーセントでございましたので、年間で6ポイントほど1年生比率が下がりました。利益率が上がった要因として、これも1つあるのかなと思います。

稼働率の推移①

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こちらが稼働率の推移でございます。2,764人の採用ということで、採用は積極的に継続しており、結果としましては93.8パーセントで、前期比で1.5ポイントほど稼働率は改善しています。採用、研修、そして派遣先を決定する営業の3つの歯車が、しっかり噛み合っている状況でございます。

稼働時間の推移

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稼働時間でございますが、こちらは平均で1日9.57時間となっています。1日で、だいたい1.5時間くらいの残業が発生している状況です。2015年以降、稼働時間はずっと減少している状況です。例に漏れず、国として働き方改革を進めている中で、建設業界もそれに追従せねばならないということで、だいぶ稼働時間が減っています。

ただし、この(スライドの)上に書いてあるとおり、1年生を除く2年生以上の稼働時間に関しては、プラスの0.3パーセントで、12四半期ぶりにプラスになっていますので、「そろそろ底なんじゃないかな」というシグナルが出ているというところです。

派遣単価(1)新人・2年目

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続きまして、派遣単価でございます。入社年数によって当社の派遣単価が変わりますので、細かく分けています。こちらが新人・2年目のものでございます。新人に関しましては、前期比で3.7パーセントのアップ。2年生に関しても、3.3パーセント上がっています。

派遣単価(2)3年目・4年目以降

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3年目・4年目に関しましても、2.1パーセント・1.7パーセントということで、すべてのレンジで、しっかりと派遣単価が上昇している状況でございます。

派遣単価(3)中期推移

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中期的な推移のグラフでございます。真ん中の赤い折れ線グラフが全社平均……すべてのミックスの単価でございます。こちらは2015年以降、しっかり上がっており、毎年2パーセントを超える増加です。派遣単価がアップしているという状況で、単価は堅調に推移している状況です。

KPI サマリー

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こちらはKPIをまとめたものでございます。稼働時間以外、すべての指数でプラスとなっています。

単体P/L(1)売上高・売上総利益

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結果としまして、売上高は31パーセントの増収で、33四半期連続で前年比増です。売上総利益に関しましては、96億400万円、粗利率も32.4パーセントで、過去5年で比較しても、非常に高い水準の粗利をキープしている状況でございます。

単体P/L(2)販管費・営業利益

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また販管費に関しましては、46億2,400万円で、販管費率も15パーセント台まで落ちてきています。結果としまして、営業利益では49億8,000万円、営業利益率が約17パーセントで、非常に高い営業利益率を出せています。

単体 P/L サマリー

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こちらがサマリーでございますので、ご確認ください。

採用実績

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続きまして、エンジニア派遣事業についてでございます。こちらも派遣している業界・領域は違いますが、KPIについては、基本的には建設技術者派遣と同じになっています。採用実績に関しましては、初めて「1,000人以上採用するぞ」ということで、1,200人という計画で動きました。結果としては1,118人ということで、若干届きませんでしたが、創業来で一番採用できました。

また特徴としましては、1,118人のうちの6割が女性の採用というところです。666人の女性を採用し、また80人の外国籍の方の採用を行っており、非常に尖った採用と言いますか、ターゲットをずらした採用で、人数を確保しているかたちでございます。

在籍エンジニア数の推移

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在籍エンジニア数の推移ですが、9月末で2,414人ということで、前期末と比較しまして698人、40.7パーセントの増加となっています。年間平均エンジニア数も2,046人で、前期比で44.7パーセント増加。今期は非常にエンジニア数を多く積み増しできた年になりました。

稼働率の推移②

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稼働率でございます。こちらも普通は、採用を一生懸命行った年は、トレードオフの関係ですので稼働率は下がります。しかし今期は稼働率を維持しながら、しっかり増員でき、91.5パーセントとなり、前期比で1.3ポイント稼働率が上がっております。こちらも、建設技術者派遣同様、採用と営業が噛み合っているかたちです。

派遣単価の推移

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こちらが派遣単価の推移でございます。ハイエンド、ミドルエンド、そしてテクニカルスタッフという、いわゆるローエンドの3つで分けています。当社のエンジニア派遣の場合は、テクニカルスタッフ部門とミドルエンドを合わせて、だいたい8割5分くらいで、ほとんどがそこに所属している状況です。そちらで、派遣単価がしっかり上がっています。

かなり積極的に採用しているため、経験の浅い人が増えているにもかかわらず、しっかり派遣単価が上がっているのは、やはり営業努力と、非常に逼迫した事業環境……人が本当に足りていない環境であると言えると思います。結果としまして、派遣単価は3,294円で、プラス1.2パーセントとなっています。

P/L サマリー①

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売上高でございます。エンジニア派遣事業に関しましては、103億8,000万円で、100億円を超えてきたところでございます。また、営業利益に関しましては4億4,200万円で、前期比では150パーセントの増益。営業利益率は4パーセントということで、採用に力を入れているため、営業利益率で言うと、まだまだ通常時からは低い水準であるということです。

P/L サマリー②

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続きまして、その他事業でございます。その他事業とひとくくりに言ってはいますが、実は3つの事業……人材紹介・教育・ITがこの中に含まれています。結果としましては、売上高で5億800万円、営業利益でマイナス1億1,600万円となっています。

こちらを分解してみますと、人材紹介事業が2億4,500万円の売上高。セグメント利益は4,300万円の黒字でした。ずっと赤字だったのですが、建設業界・IT業界・製造業界は人手が足りていないため、しっかりと人材紹介の営業を進めていった結果、黒字化してきました。

2つ目の教育関連事業でございますが、こちらは1億3,900万円の売上で、セグメント利益はマイナス1億3,300万円です。こちらの事業に関しましては、基本的には撤退というかたちでございます。後ほど説明させていただきますが、この教育事業を展開していた夢エデュケーションという会社は、吸収合併して、もうすでになくなっている状況でございます。

3つ目のIT関連事業でございますが、こちらも売上が縮小して、赤字幅が少なくなり、まさに縮小・撤退フェーズであるということです。こちらも吸収合併等々を行っていますので、後ほど説明させていただきます。

連結 P/L サマリー

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こちらが連結のP/Lサマリーでございます。再三申し上げていますとおり、すべての利益項目が倍以上になっており、2018年の目標であった「利益を出す」ということを、しっかり達成できた年なのかなと思います。

以上が、ファクトの部分でございます。ここからは、今後の未来の話をさせていただきます。2019年9月期、中期経営計画については、代表取締役社長の佐藤から説明させていただきます。

2019年9月期

佐藤大央氏:夢真の社長の佐藤と申します。今日はよろしくお願いいたします。それでは私から、2019年9月期について、それから長期的な話もさせていただけたらと思います。

終わった2018年9月期に関しまして、横溝からの説明がありましたけれども、私からすると、あまりいい年ではなかったなというのが率直な感想です。

確かに利益は出ました。ただ、成長企業でありたいとずっと思っている中で、とくに後半、成長が鈍化したということに関しては、まったく満足できない年だったと思っています。2019年9月期に関しては、会社を伸ばす、成長させるということを重視していきたいと思っています。言い方としては少し荒いのですが、成長を犠牲にすれば利益が出るということは、もうずっと前からわかっておりました。

前期に利益が2倍になったため、非常に成長したように見えますが、私からしたら当たり前であったと思います。逆に、もっと利益が出ない方がおかしかったとも思っています。ですので、2019年9月期は、もっと成長させることにフォーカスして会社を経営していきたいなと思っています。

組織再編 吸収合併

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そのために、いくつか組織再編をいたしました。横溝からも説明があったのですが、まず、その他の部門です。夢エデュケーション、建設資格推進センター、夢ソリューションズなど、いろいろと残っていましたが、このあたりの細かい会社を全部整理することで、経営をシンプルにしようということで、実施しています。

夢ソリューションズとは、ベトナムでオフショアを展開している会社です。夢真ホールディングスのIT化を推進させるために、夢真(ホールディングス)と合併しています。また、夢エデュケーションについては、ITエンジニアを教育する会社ということで、夢テクノロジーと親和性が高いと考え、夢テクノロジーと合併しています。また、ここに書いていないのですが、建設資格推進センターについては、会社自体をクローズする方向で考えています。

組織再編 夢テクノロジーの完全子会社化

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もう1つが、先日リリースもさせていただいたのですが、夢テクノロジーについてです。今、ジャスダックに上場していますが、こちらを夢真と株式交換することによって上場を廃止し、夢真の100パーセント子会社にしようと思っています。

後ほど説明させていただきますが、夢テクノロジーの2019年9月期のガイダンスは、営業利益ゼロです。とにかく投資することに重点を置いて、採用にどんどんお金を使っていくという方向性です。

上場企業でなかなか利益が出ないということは、いまいちだなということもありまして、100パーセント(子会社)にして、長期的な目線で投資をしていこうと考えています。

2つ目が、エンジニア派遣の分野について、M&Aを積極的にやっていこうと思っています。夢真は、建設業界で圧倒的なナンバーワンでございまして、とくにM&Aをする必要はないと考えています。ただし、エンジニアの分野に関しては、まだまだ業界で言うと規模が小さいため、こちらはM&Aを実施していこうと思っています。

3つ目は、海外人材の活用です。今、夢真の子会社でも、海外の人材(の採用、育成)を行っていて、また夢テクノロジーでも、海外の人材を育成しています。夢真でも夢テクノロジーでも両方で行っているということで、あまり合理的ではないため、新しく夢グローバルという会社を設立しまして、そちらで一本化するために、夢テクノロジーを夢真の完全子会社としています。

新たに子会社化した企業

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先ほども申し上げましたが、エンジニアの分野については、M&Aを積極的に進めていこうと思っています。(スライドの企業は)いずれも10月1日に子会社化しています。P3OPLE4U,Inc.は、フィリピンでITのエンジニア派遣をしている会社でございます。ネプラス株式会社が、国内でネットワークエンジニアを派遣している会社。また、CISCOの製品をレンタルしたり、販売している会社でございます。営業利益は6,800万円となっていますが、未上場で、いろいろ費用がかかっている数字なので、実態はもう少し利益が出ている会社でございます。

3つ目は、三立機械設計株式会社。こちら、日立建機株式会社さんがメインなのですが、機械系を設計している技術者が40人くらいいる会社でございます。なかなか優秀なエンジニアが夢テクノロジーにいませんので、それを補完するということで、M&Aを実施しています。この夢テクノロジーの分野については、引き続き、積極的にM&Aを行っていこうと考えています。

2019年9月期 連結業績予想

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2019年9月期の予想になっています。売上は500億円、営業利益・経常利益とも60億円という計画でございます。

2019年9月期 セグメント別業績予想

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こちらがセグメント別でございます。建設技術者派遣事業が、利益で言いますと60億円。エンジニア派遣事業は、利益で言うと先ほども申し上げましたが、ゼロでございます。どちらも採用の費用も含めて、2018年9月期より投資していく方針で考えています。よって、利益を出そうと思えば出せるのですが、それ以上に、長期的な成長を目指して、採用に投資していくということを考えています。

セグメント別 経営戦略

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2018年9月期は、建設技術者派遣事業で2,800人、エンジニア派遣事業で1,800人という採用を考えています。これはボトムで考えていまして、採れるのであれば、もっと採用したいと思っていますし、採用できるならどんどん投資していこうという方針です。

繰り返しになりますが、こちらはミニマムであります。これを合わせると4,600人ですが、5,000人を超えるぐらい採用したいなと思っています。5,000人でも足りないんじゃないかなと思っていますので、採用できるだけ採用したいなと思っています。

その他事業で、海外の人材に関して、いまは盛んにビザが緩和されるという話が出てきています。当社も実は過去から、海外人材についてかなり研究してまいりました。実はやろうと思ったことで、失敗したりと、紆余曲折があったのですが、この機会にもう一度やってみようと思っています。失敗を生かして、これならできるのではないかというスキームを、自分たちの中で確立したいなと思っています。

少し細かく説明しますと、建設技術者派遣事業は、非常に需要が旺盛でございます。今もほとんど稼働してない人間はいません。非常に旺盛な状況ということで、どんどん採用していこうと思っています。とくに、地方の伸びが顕著ですので、地方についてもどんどん進めていこうと思っています。また、継続的なフォローですとか、生涯研修に力を入れて、離職率を下げていく、定着率を上げていくことを、引き続き実施していこうと思っています。

エンジニア派遣事業は、昨年、若干採用がショートしました。次はオーバーしようということで、最低でも1,800人は採用します。また純増についても、最低でも1,000人を目指そうと思っています。今、夢テクノロジーの中で、採用の規模に対して、研修センターや採った人を営業する力が若干足りないという面がありますので、こちらについても、どんどん投資していこうと思っています。その他は、先ほどご説明したとおりです。

Question

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ここから、今まで出している中計とは少し違って、やや長期的な話をさせていただきたいなと思っています。まず派遣の業界についてお話をさせていただきます。「派遣の業界は成長しないのか」ということを、1回考えてみたいなと思います。

今まで、派遣業界は非常に伸びてきたのですが、ここ最近「伸びが鈍化しているじゃないか」「成長しないじゃないか」といったことを、投資家さんとお話ししていて聞くことがあります。これについてお話をさせていただきたいなと思います。

派遣業界の市場規模推移①

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こちらが過去の派遣業界の市場規模の推移と、派遣比率です。これは労働人口に占める派遣の比率を表したものになります。2008年、ちょうどリーマンショックのときの前がピークで、このときに7兆8,000億円の規模でございました。派遣比率は3パーセントで、これがピークです。直近で言いますと、2016年の数字なんですが、6兆6,000億円の市場で、派遣比率は2パーセントでした。

派遣業界の市場規模推移②

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2008年から比べると、「そこまで到達していないじゃないか」と思われるかもしれないのですが、派遣業界で、非常にエポックメーキングなことがありました。それは、製造業の派遣が解禁されたことなんです。これは2004年のことです。このときから見ていただくとわかるとおり、非常に派遣会社は伸びたのです。しかし、リーマンショックがあって、派遣切りだなんだと問題になりまして、製造業派遣は禁止になりました。

他の業界もリーマンショックを受けて、(派遣の数が)下がったんですけれども、とくに製造業の派遣が落ちました。

派遣業界の市場規模推移③

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仮に、製造業派遣がなかったと考えるとどうかと言いますと……この三角の部分が製造業派遣だと考えると、派遣市場は右肩に上がっていたのではないでしょうか。この派遣比率を押し上げていたのは、製造業派遣が引っ張っていたのではないでしょうか。実は10年以上、ずっと成長しており、20年近く成長していく産業ではないかと、当社では考えています。

国別派遣浸透率

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また、直近の派遣比率は2パーセントと申し上げました。実は、日本は派遣が一般的で旺盛な市場であると、みなさんはお考えかもしれないのですが、実は他の先進国と比べますと、決してそういうわけではございません。一番高いのがイギリス。それで4パーセントです。

オランダで3.3パーセントということで、日本の派遣比率は、決して高いとは言えない状況にあると考えています。まだまだ派遣比率が伸びていく可能性が高いんじゃないかと考えています。

日本の労働人口推計

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一方で労働人口は、みなさんもご案内のとおり、日本ではどんどん減っていくであろうと言われています。直近でだいたい760万人くらいの労働人口がいるのですが、2030年には690万人くらいと、70万人ほど減ってしまうということです。当然、労働人口に対する派遣の割合ですので、派遣の割合が変わらないとしたら、派遣の市場自体もシュリンクしていく。こういう関係にあるということです。

先ほど申し上げましたとおり、派遣比率自体がまだ上がる可能性が高いのではないかということで、この棒グラフの上に、2.5パーセント、3パーセント、3.5パーセントとそれぞれ線を引いています。これが仮に3.5パーセントまで……2030年まで上がると、労働人口の減少よりも派遣比率の上昇が上回り、実は、派遣の産業はまだ成長するというのが見えます。我々は、そう考えています。

派遣市場の未来予想

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未来予想ですが、2030年まで成長するのではないでしょうか。9兆円くらいの市場になっても、おかしくないと思います。とくにここ数年、2025年くらいまでに一気に成長する可能性が高いです。派遣業界はまだまだ成長産業ではないでしょうか。

Answer

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日本において成長産業ということだけでも、非常に価値があると思っています。これは非常にやりがいのある、伸ばしようがある産業だと考えています。

増加する建設投資額

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その中で、とくに我々が特化しているのが建設とITです。建設は、当社で度々お話ししているとおり、2020年に東京オリンピックがあって、それ以降もおそらく投資が続いていくだろうと言われています。

さらに建設就業者不足は加速

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また、建設の就業者は非常に高齢化が進んでいまして、今後もさらに、加速度的に(就業者が)減っていく可能性が高い業界です。

IT人材の不足規模推計

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IT業界についても、実は同じことが言えます。これは経産省さんが出している統計なのですが、IT業界の人材は、すでに20 万人くらい足りないということです。実は、ITに携わる人は、非常に若い人が多いです。新しい産業のため、高齢化は無縁だと思われるかもしれないですが、2030年まで見ますと、就業人数はどんどん減っていくようになっています。

実はIT業界も、非常に高齢化が進んでおり、IT業界の中では比較的問題になっている話です。一方で、ITに関しては今後伸びていく分野です。どの企業も、もはやITなしではビジネスはやっていけない、という時代が来るのは間違いないため、人数自体は絶対不足します。2030年には、60万人くらい不足すると言われており、とにかく人が足りないという状況なのです。

採用投資について

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そこで、どんどん採用していこうという話なのですが、「M&Aをする場合と、採用する場合とで、どちらが効率がいいのか」という点について、採用は、実は非常に効率がいい投資だと考えています。

建設技術者派遣とエンジニア派遣とを見させていただいているのですが、この採用研修コストが、だいたい1人当たり、実際に現場で稼働するまでのコストで、採用のコストと研修のときにかかるコストです。

年間売上総利益額と月間売上総利益額は、1人が稼ぐ金額です。これを単純に割りますと、建設技術者派遣は初期投資額……採用と研修したコストを4ヶ月で回収でき、エンジニア派遣は6ヶ月で回収できるというビジネスモデルなのです。こんなに効率のいい投資はなかなかないでしょう。

しかし残念ながら、このコストが全部費用に落ちてしまうのです。資産ではなく、全部費用になってしまいます。ここが利益を圧迫するという構造ですが、技術者が積み上がれば積み上がるほど、どんどん利益が積み上がっていくという、非常に投資効率のいいビジネスモデルです。建設技術者派遣にいたっては、1年いてくれれば3回転する。そんなビジネス、なかなかないのではと思います。

外部環境まとめ

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つまり、派遣は成長産業であるということです。また、建設とITについては、人が本当に不足しています。先ほど説明したとおり、採用は非常に効率のいい投資ですので、これは採用一択で、とにかく採用しようということで、ここに全力で投資していこうと考えています。

採用人数の計画

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こちらがグループの中計です。先ほど申し上げましたが、2019年が(建設技術者)2,800人と(エンジニア)1,800人としていますが、これはミニマムです。実際に、もっと採れると思っていまして、10月の採用人数も450人くらいで、5,000人を超える人数を十分採用できるパワーが、当社にはあると思っています。

採用人数の長中期的計画

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長期的には、連結の採用人数を1万人にしたいなと思っています。

ターゲット① 経験者・ベテラン層

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「景気のいい話ばかりしていますが、本当に採れるんですか?」という声もあるかと思います。建設に関して、実は建設の技術者派遣という領域は、経験者・ベテラン層が圧倒的に占めています。当社が行っている未経験という領域は、市場全体からすると、小さい領域なんです。

当社では、この経験者・ベテラン層は、ほとんど今まで手がけてきませんでした。捨ててきたと言っても過言でない状況で、今300人ちょっとしかいません。当社の技術者は5,000人くらいいるのですが、そのうちの300人だけです。しかしマーケットは、ベテランの方が多いということで、今後は(経験者採用を)積極的に進めていこうと思っています。

今、「俺の夢」という自社サイトを立ち上げまして、橋本マナミさんにイメージキャラクターになっていただき、これを使ってどんどん流入させようとしています。今は300人ですが、これを2,000人にしようと思っています。この領域は、まだまだかなり(シェアを)取れると思っています。当社がぜんぜん取り組んでいない領域ですので、ここをどんどん取り組んでいこうと思っています。

ターゲット② 女性エンジニア

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夢真は、ほとんどは男性がターゲットなのですが、エンジニアは女性を採用しています。女性の就業率がだいぶ上がってきているのですが、まだまだ男性から比べると、採用できる余地が大きくあると思っています。この女性(の採用)を、もっと一生懸命進めていこうと考えています。

ターゲット③ 外国人採用

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もう1つが、海外の人材の採用です。夢テクノロジーでは、積極的に採用しているのですが、2017年で100人弱でした。これを、今年は200人にして、将来的にはもっともっと採用していきたいなと思っています。

在籍人数の長中期目標

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在籍人数自体も、今は7,000人ほどですが、これを2万人にしたいなと思います。この3年の中計の間には達成できませんが、近いうちに2万人にしたいです。そのため、どんどん採用をしていこうという予定です。

連結売上高の計画

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これがもともとの中計ですが、順調に積み上がっていけば、3年後には762億円です。

連結営業利益の計画

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投資をしていても、自然と利益が上がっていくということで、(連結営業利益は)100億円を予定しています。

3本目の事業の柱

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もう1つが、中計には数値としてはまったく反映していないのですが、外国人の活用ビジネスに取り組みたいなと思っています。

日本で働く海外人材の推移

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こちらが、日本で働く海外の人材の推移です。いま、盛んにビザを緩和しており、海外の方を増やそうという話をしていますが、実はすでに、だいぶ増えていて、5年間で2倍になっています。

いまやもう、コンビニに行っても、(店員が)海外の方ばかりなのが当たり前です。居酒屋に行っても海外の方であるのが当たり前です。この数年間で、様変わりしたかなと思いますが、すでに2倍になっている状況です。

ビザ緩和の流れ

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政府でも話をしていますが、人材の確保と生産性の向上ということで、即戦力の海外の人材を、単純雇用にも解放しようという話も出てきているくらいフォーカスが当たっているという状況です。日本全体としても、海外の人材を受け入れていかなければいけないということで、だいぶ世論が形成されてきています。

お客さんと話をしていても、昔よりも海外の人材に対する考え方が、かなり変わってきており、非常に受け入れてもらいやすい状況にあると思っています。

日本語教育の実績

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実際に、海外で日本語の教育をしています。拠点としては、ベトナムとフィリピンで、まだまだ人数としては少ないのですが、こちらで研修をしています。1年くらいかけて、日本語レベルとしてはN1とN2の間……N1.5くらいの日本語力です。

N1・N2と言われても、なかなかピンと来づらいかもしれないのですが、N1はけっこう難しいです。日本人が受験しても、「これは何だっけ?」という問題があるのが、N1のレベルです。N2を超えてくると、漢字も含めて、読み書きもかなりできるレベル感の人たちです。これを1年で育成するということをしています。

日本語学校の設立

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こちらを加速していこうということで、世界各国に展開を予定しています。現状はベトナムとフィリピンなのですが、すでに台湾・韓国・ロシア・ポーランドまでは(開設が)確定しています。

また、メキシコやインド等でも開設したいなと思っています。今、実習生でいろいろ問題になっているのですが、結局、日本語を話せない海外の人が来ると、日本人も困るし、本人も困る。当社は、この日本語を武器に、海外の人材(の活用)を進めていきたいなと思っています。これはなかなか、ビザの問題が難しいです。

法改正があっても、我々のような会社にどこまで恩恵があるのかわからないというのが、正直なところです。我々のビジネスモデルは、ビザが緩和されようとされまいと、海外の人材をたくさん活用するビジネスモデルを確立できると思っています。

詳細は申し上げられないのですが、とにかく日本語をどんどん教えて、海外の人材をどんどん日本に連れてくるということを、展開していきたいなと思っています。

数年後に毎年1万人供給することを目標

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いま100人くらいしか(日本に)連れてこられていないのですが、数年後には毎年1万人を供給したいなと思っています。とっぴょうしもないと思われるかもしれないのですが、実はすでに夢テクノロジーで営業と話をしていると、1,000人くらい海外から人材を連れてきてほしいという話が出ています。

現在供給できているのが100名程度のため、そこで相当のギャップがあります。つまり1万人のうち、1,000人は夢テクノロジーが売ることができるということです。それくらい、海外の人材の活用が進んでいます。夢テクノロジーでは対応できないゾーンも、当社は対応していこうと思っていますので、1万人というのは、決して達成できない数字ではないと考えています。

経営戦略のまとめ

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戦略のまとめです。積極採用と、退職率を下げていくということを併せて、とにかくエンジニアの数を増やしていこうと考えています。そして、早期に(在籍人数)2万人を目標にしていきたいと思います。

また海外の人材の獲得ということで、世界各国に日本語学校を開設して、年間1万人という数字を早期に達成したいと考えています。

技術者が2万人になると、日本でNo.1になれます。現在のNo.1はテクノプロさんなのですが、現状は1万5,000人くらいだと思いますので、これを上回る勢いで進めていきたいと思います。何年後かは明言できないのですが、とにかくいまがチャンスのため、採用に全力投資して、なるべく早く実現したいと思います。

“YUME”を世界の共通言語に

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「夢」というのは、海外では非常に評判のいい言葉なのです。「夢真」は、英語でいうと「Dreams Come True」なのですが、「夢真」「夢」というのは、語感がいいのか、海外では非常にウケがよいです。海外展開を積極的に行って、「YUME」というのを世界の共通言語にするということで、進めていきたいと思っています。また、それだけ、日本に人が来てくれるようにしたいなと思っています。

(海外の)実習生について、いろいろな話が出ていますが、あれが真実・実態です。門戸を開けば外国人が来ると思っているのは日本だけです。どこの海外拠点に行っても、日本に行きたいという外国人がたくさん集まってくるわけではありません。

日本語というのは非常に難しい言語でして、なぜそこまでして日本語を勉強して日本に行かなければいけないのか、ということです。それなら中東や中国、アメリカに行きます。それが真実・実態です。その状況を変えたいというのが当社の思いで、“YUME”を世界の共通言語にしていきたいなと思っています。

以上で、当社の説明会を終わりにさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

質疑応答:建設技術者の定着率「70パーセント」の是非について

質問者1:質問を3つ、お願いいたします。中期経営計画ベースで見ると、来期・再来期に伸びていくと(いうことです)。今期はどちらかというと、投資の年のような数字感に見えるのですが、来期以降、売上のジャンプアップのための施策は、どういうものなのか。こちらが1つ目です。

2つ目の質問です。いくつかの企業を買収されていますが、そのM&Aの効果がP/Lに出てくるタイミングは、どれくらいと考えればよいでしょうか。逆にいうと、今期の業績予想の中に、それが入っているのかをうかがいたいです。

3つ目です。今の中期的な計画の中での在籍2万人……社長が定着率に言及されましたが、定着率70パーセントというのは、果たしてそれで良いのか、もっと上げていかなければいけないのか。そのためには何をしなければいけないのかについて、お願いいたします。

佐藤:ご質問ありがとうございます。1つ目ですが、おっしゃるとおり、2019年9月期は投資の年ということで、どんどん投資をしていこうと思っています。今年、できれば技術者の数を1万人にしたいなと思っています。計画では1万人までいっていなかったと思うのですが、1万人まで増やしたいなと思っています。

これができるか、できないかというのは、採用と定着率にかかってきますが、これを実現したいなと思っています。利益と売上が、それ以降どうなっていくのかということに関しては、こういうことをいうと怒られるかもしれないのですが、このガイダンスよりは超えるだろうなと思っています。(ただし)具体的にどこまで上がるかは、あまり意識していません。

自然体でも(売上や利益は)出る状況になると思っています。これがボトムで、これよりどれだけ積めるかというところで勝負していきたいなと考えています。そういう意味では、この中計が利益のガイダンスであると理解しています。2020年、投資をしないわけでもありませんので、この利益のガイダンスを超えるのであれば、投資していきたいなと思っています。

結果として、これ以上(数字が)上がるかもしれないですし、(今日発表した)これくらい(の数字)かもしれません。そこに関しては、あまり意識していないというのが、真実でございます。

M&Aについてですが、利益としてはそんなに積み重なるものではありません。計画には載っていますけれども、そこまで短期的な利益を目的として買っているわけではなく、夢テクノロジーを補完するものということで(実施しています)。

実際に、夢テクノロジーでは付き合えていなかったお客さま層とお付き合いできるようになったり、レベルの高いエンジニアに若手を付けるということで、そちらを伸ばしたりといったことができています。利益を積み重ねる目的でのM&Aではないとご理解いただければと思います。

3つ目の定着率につきまして、建設について70パーセントというのは、非常に低いと思っています。もっと上げなければならないですし、ここに力を注いでいこうと思っています。終わった期の一番の失敗は、この定着率が下がったことだと思っています。ここをもう1回、元に戻したいなと思っています。ただ、明るい兆しとしては、実はベテラン層の定着率は前の期よりもいいのです。

給与をかなり上げたため、ベテラン層は残ってくれています。ベテラン層といっても、当社の中では2年以上を経験した人ですが、ここの定着率は上がっています。逆に、若年時(の定着率)があまりよくない傾向です。若年時はフォローすればとどまりやすいです。しっかりとフォローできるか、できないかということで、目に見えて(退職率を)下げやすいゾーンだと思っています。

2017年の一番よかったときは、(定着率は)73~74パーセントくらいでしたので、その水準まで持っていきたいなと思っています。

一方で、夢テクノロジーの定着率は、だいたい90パーセントくらいです。エンジニア業界からいうと、あまり誇れる数字ではないのですが、夢真と比べると非常にいい数字です。

これは、採用した分だけ、ほぼ積み上がるのと等しいわけです。終わった期では、想像以上に人が増え、想像以上に契約数を取らなければいけないというのが誤算でした。営業力が追いつかなかったというのが、正直なところです。採用(の数字)がショートしたのは、実は採用のせいではなく、営業が追いつかなかったというのが実態です。

しかし後半、営業力がかなりついてきて、逆に営業が逆転してきているという状況ですので、これを続けていきたいなと思っています。

質問者1:ありがとうございます。

質疑応答:エンジニア派遣事業では、どの分野に投資していくのか

質問者2:エンジニア派遣のところです。客先として引き合いが強い分野・業界はどのあたりかということを教えていただきたいです。もう1点、先ほど「戦略的に利益を出さずに投資していく」というお話でしたが、とくに利益がゼロになるくらいまで投資で力を入れる分野は、どのあたりでしょうか。

佐藤:夢テクノロジーは、どの分野からも需要が非常に大きい状況です。機械系・車系や、電気・電子、半導体などの電気業界。あとは、ソフトバンクさん、KDDIさん、IIJさんなどのIT系といったところです。全方位的に、非常に需要が高い状況です。アメリカと中国の貿易摩擦の話もありますが、足元を見てみますと、ほぼ(この分野には)影響がないと思います。

(もし)影響があっても、人が足りないというのが現状でして、オーダーがかなり積み上がっている状況であるといえます。

また、利益を出さず、何に投資するのかというところですが、1つは採用費です。こちらにお金を使っていこうと思っています。もう1つが研修です。採用した人に、しっかりと研修を行うということです。夢テクノロジーは、かなりがっちりと研修しますので、そういった拠点を増やしていくことを考えています。

もう1つが営業力(の強化です)。夢テクノロジーでは営業が80人ほどなのですが、こちらを100人を超える規模にしていこうと考えています。この3つに投資をしていく予定でございます。

質問者2:スライドの82ページで、日本語学校の設立のお話がありました。確認なのですが、現状で学校を展開しているのはベトナムとフィリピンで、確定しているのが台湾、韓国、ポーランド、検討中がメキシコ、インドとおっしゃっていました。では、ロシアは今……。

佐藤:ロシアは確定しています。

質問者2:わかりました。

質疑応答:好調なシナリオが崩れるとしたら、その引き金は何か

質問者3:大変おもしろいお話をありがとうございます。聞きたいことが3点あります。1つ目は、毎年2パーセントを超える派遣単価のアップとありましたが、これに対して、雇われている、売上原価になってくる給与の上昇率は何パーセントなのでしょうか。

2つ目です。現在絶好調ですが、御社の人材の7割が首都圏に集中していると認識しています。オリンピックが開催される2020年8月に、首都圏の工事がストップするというお話もあると思いますが、そのときに、首都圏に集中している人材をどのように活用していくのでしょうか。

3つ目です。(今後のプロジェクトなど)すごくおもしろい話がたくさんあると思うのですが、このシナリオが崩れるところも知りたいと思います。どういうことが起こると、シナリオが崩れていくと考えているでしょうか。2つほど教えていただければと思います。

佐藤:ご質問ありがとうございます。1つ目、単価アップと原価のお話ですが、単価アップは、一般企業でいうところの、いわゆるベアだと思っていただければと思います。その意味では、おおよそ半分くらい……1パーセントくらいは返しているとご理解いただければと思います。

そして「2020年以降どうなるのか」というお話ですが、これは正直をいって、(そのときに)なってみないとわからないです。お客さんから話を聞いていても、いろんな意見があります。総合すると、おそらく、あまり変わらないのではないかという意見が多数です。2020年以降も、たくさんのプロジェクトがあります。

八重洲の再開発は、まだまだこれから進めていくお話です。また、リニアモーターカー(のプロジェクト)もあり、非常に大きいプロジェクトでございます。当社で今、オリンピックに関わっている人、当社が派遣している人がどのくらいいるか……(つまり)当社に対する影響度かなと思うのですが、現在はおよそ200人程度で、(全体の)3~4パーセントくらいです。

ということは、オリンピックがなくても、他のプロジェクトがありますので、そう考えるとあまり大きく影響しないのではないかなと思っています。

そして、「このシナリオが崩れるときはどういうときですか?」ということですが、基本的には建設業界も、IT・エンジニア業界も、今後、人手不足になるのは間違いないと思っています。技術革新があり、その人手不足を補っていくだろうという予想がありますし、将来的にはそうなると思いますが、そこには相当の時間がかかると思っています。

RPAなどが流行していますし、当社でも取り組んでいますけれども、できることは限定的で、まだ限界がある。よって、まだまだこれからかなと思っています。

そうした技術的な話というよりは、景気全体が落ち込むことが一番のリスクかなと思います。これは日本の景気というよりも、世界の景気が悪くなることの影響が大きいのではないかなと思っています。

質疑応答:建設技術者派遣事業と景気の関係について

質問者3:ありがとうございます。追加になるのですが、世界の景気、日本の景気の影響度が大きいのではないかなと、今のお話を聞いて思いました。リーマンショックのときは、派遣切りが大きな問題になったと思います。そこで、建設の派遣事業に関して、どの程度景気が落ち込んだ場合に、御社は影響を受けるのでしょうか。

佐藤:建設の投資額が多少落ちるくらいであれば、あまり影響はないかなと思っています。もともと人不足で、いまはかなり年次の上の方ががんばって、建設業界を引っ張っている状況です。少し景気が悪くなると、そういう方はリタイアしていくことになると思いますので、大きな影響はないと思っています。

「どの程度下がる」といっても、なかなか言いづらいのですが……「リーマンショック級のことがあれば、大変なことになる」とは思っています。ただし、建設業界自体は、建物が立っていますと、竣工するまではやらざるを得ないため、1年くらいタイムラグがあるのです。

リーマンショックのときも、当社の稼働率は、下限で80パーセントくらいでした。他の派遣(会社)さんに聞いてみると、50パーセント台(という声もありました)。夢テクノロジーも、50パーセント台を一瞬経験したと聞いています。夢真は、(影響を受けるまで)1年くらい時間があるため、その間にいろいろ対策を打てる。それが1つ、強みかなと思っています。

質問者3:ありがとうございました。

記事提供:ログミーファイナンス

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