はじめに
仕事上でミスをしてしまう原因は、一体どんなところにあるのでしょうか。仕事上のミスは、ミスをした本人が自己嫌悪に陥ってしまうだけではなく、多かれ少なかれ会社に迷惑をかけてしまうものです。この記事では、ミスの原因とミスをしてしまった時の対処法、さらにミスをしないようにする対策について、考えてみたいと思います。
目次
1. 仕事でミスをしてしまう原因とは
2. 仕事でミスをしやすい人には特徴がある?
3. 仕事でミスをした時にはどうすればいいの?
4. 仕事でミスをしないようにするには
5. ケアレスミスを無くせば仕事のミスも減る
6. 仕事のミスを引きずらない為にできること
7. 仕事のミスが急激に増えたのはなぜ?心のSOSかも
1. 仕事でミスをしてしまう原因とは
仕事でミスをしてしまう原因は、多くの場合「不慣れ」にあることが多いようです。
たとえば、新人の頃にミスが多いのは、会社という場所に慣れていないことや緊張感によって、仕事の内容をしっかり把握しきれていないためです。指示されたことをその場でしっかりと理解できていれば、ミスを防ぐことができるのですが、その状況に慣れていないことで頭がついていかず、指示されたことをすべて覚えておくことができなくなっているのです。
また、指示された内容について疑問に思うことがあっても、新人のうちは周囲の人と人間関係が構築されていないことから、なかなか聞くことができず、きちんと理解しないままに、指示された作業に取り掛かってしまうということも多い、という事情もあるでしょう。
ただ、新人の時のミスに関しては、周囲の人間も不慣れなことを理解してくれていることが多いので、失敗をしたからといって、信頼関係が崩れてしまう、二度とその仕事を任されなくなるということは、まずないと思われます。
どちらかというと仕事のミスで怖いのは、仕事にある程度慣れたときの失敗です。この場合、会社は「この人なら大丈夫」と思って仕事を任せていますから、そこで失敗をしてしまうことは、周囲の人たちの信頼を失うことにつながります。
ちなみにこのようなケースのミスの原因は、新人のそれとは逆に「慣れ」にある場合が多いように思われます。
仕事に慣れてくると、多くの人はいつも通りのことをいつも通りにこなしていくことが多くなり、だんだんと確認作業を怠るようになります。この確認作業の怠りにより、いつもと違う変化を見逃し、それがミスにつながってしまうという流れになるのです。
人は仕事や会社に慣れてくると、だんだんと緊張感がなくなってくるものです。多少のミスや失敗があっても、カバーができるという自信もついてきます。このため、新人の頃よりも、むしろ仕事に慣れてきた時のほうが、ミスが出やすいともいわれています。
慣れた時だからこそ、どれだけ初心を忘れずに仕事ができるのかが重要になってくるということなのかもしれません。
2. 仕事でミスをしやすい人には特徴がある?
一般的に、仕事でミスをしやすい人には、次のような特徴があるといわれています。
整理整頓など物事の優先順位をつけなくてはいけないことが苦手
「今何を優先するべきなのか」ということを頭の中で組み立てていくことは、仕事を効率よくこなす為に必要不可欠なスキルといえます。しかし、物事の優先順位をつけるのが苦手な人は、頭の中がうまく整理ができないために、やらなくてはいけないことを見失いやすく、物事をスムーズに順序良く行うことができないのです。これは、身の回りの整理整頓ができないという現象として現れることが多く、デスクの上がいつも散らかっている人にミスをしやすいタイプが多いともいわれています。
失敗したくないという気持ちが強すぎる人
危機感がない人がミスをしやすいと思われがちですが、逆に「失敗したくない」「失敗したらどうしよう」という気持ちが強すぎる人も、ミスが多くなる傾向があるといわれています。これは、ミスをしたくないという気持ちが先行し過ぎて緊張し、しっかり話を聞けないことが、大きな原因とされています。
メモを取らない
仕事をしていく上で、メモを取る習慣は身につけておかなければなりません。頭だけで覚えるのにも限度があるからです。「私は頭で覚えられるから大丈夫」という思い込みが、ミスを誘発することもあるのです。
行動できないタイプ
口先だけで行動できないタイプの人も、ミスが多い傾向にあります。仕事に中には、やってみないと本当に理解できないこともたくさんあります。「できるつもり」がミスにつながってしまうということも往々にしてあるのです。
3. 仕事でミスをした時にはどうすればいいの?
とはいえ、多少の差はあれ、誰しもミスを起こすことはあります。では、仕事のミスをしてしまった場合、どうしたらよいのでしょうか。
すぐに報告する
ミスの事実に気付いた段階で、すぐに上司に報告をすることが大切です。なかには、動揺し、その状態をどう打破すれば良いのかというところに思考を巡らせてしまう人がいますが、その間に事態が悪くなってしまうこともあります。自分でどうにかしようとして更なるミスを誘発する可能性もありますから、まずはミスをした事実をきちんと報告し、どのようにすれば良いのかを一緒に考えてもらうようにしましょう。
なお、ミスの報告をする際は、自分に都合の悪いことがあっても、隠さずに報告をするというのも大切なポイントです。事実を隠すことで、最適な対応ができなくなる危険性もありますし、何より隠していることがあったと後からわかるほうが、周囲の人に与える心象も悪いからです。
誠心誠意謝る
ミスをしたことで、周囲の人に迷惑をかけてしまった場合は、誠心誠意、心を込めて謝りましょう。謝罪をしているにもかかわらず、怒鳴られたり無視されるようなことがあるかもしれませんが、そのような対応をされても、誰かに責任転嫁したり、ミスを償う気持ちがなさそうな態度をみせないようにすることも大切です。
反省の色が見えないと、周囲の人の信頼を損なうことや批判に繋がってしまいます。自分のしたミスに対してしっかり謝罪し、そのミスを取り返すように努力しましょう。なお、ミスの事後処理の対応次第では、周囲の人からの評価が上がることもあります。
4. 仕事でミスをしないようにするには
仕事のミスの対応次第では、評価が上がるとはいえ、それでもやはり、ミスは起こさないのが一番です。では、仕事でミスをしないようにするには、どうしたらよいのでしょうか?
メモを取る
仕事のミスを事前に予防する為には、しっかりメモを取ることが大切です。前述のとおり、メモを取る習慣がない人は、ミスをしやすい傾向があります。大切なことはもちろん、ささいなことでも、できるだけメモを取る習慣を身につけましょう。メモをしている姿は、周囲の人に対して、仕事に対して真面目に取り組んでいるという印象を与える効果もあります。
また、メモをしたことを忘れては意味がありません。メモを見る習慣もあわせて身につけることが大切です。なかなかメモを見直す時間がないという人には、付箋に書き写し、目につきやすいところに貼っておくという方法がおすすめです。
仕事の優先順位を決めておく
仕事を始める前に、自分が抱えている仕事をリストアップし、優先順位をつけて取り掛かるようにしましょう。あれもこれもと手を付けることが、仕事のミスにつながることが多いからです。
頭の中で順序を決めることが苦手という人は、メモしながら優先順位を決めてみましょう。というのも、書くという行為は頭の中の整理整頓に、非常に役立つからです。なお、仕事に不慣れな新人の頃は、優先順位の付け方自体が分からないということも多いでしょう。その場合は、上司や先輩に教わりながら身につけていくことをおすすめします。
ほうれんそう(報告・連絡・相談)の徹底
仕事は、自分だけで行っているわけではありませんから、周囲の人と協力していく必要があります。困ったことがあった時には報告し、どのように進めていけば良いのかを適宜相談するようにしましょう。
5. ケアレスミスを無くせば仕事のミスも減る
ケアレスミスとは、自分自身の不注意によって引き起こされる、通常で考えれば起こり得ない、次のような単純で些細なミスを指します。
- 必要な確認作業を忘れる
- 必要なことを伝え忘れてしまう
実は仕事上のミスは、このようなケアレスミスであることが多く、言い換えれば、これを防ぐことができれば仕事のミス自体を減らすことができるともいえます。
ケアレスミスをよくする人は、一般的に注意力散漫であることが多く、何度もケアレスミスを繰り返してしまう傾向があります。防げるミスで周囲の人に迷惑をかけることのないよう、日頃から気を張り、ケアレスミスを無くすように努力していきましょう。
なお、ケアレスミスを減らすためのいちばんの方法は、「確認作業の徹底」になります。作業の節目で、ミスがないかをしっかりチェックするようにしておけば、作業の抜けや漏れを未然に防ぐことができるからです。また、ケアレスミスが多い人は、他のことに気をとられやすいという特徴もあります。このため、できるだけ集中できる環境で作業を行うことをおすすめします。
6. 仕事のミスを引きずらない為にできること
仕事でミスをしてしまうと、気持ちが落ち込んでしまい、いつまでも引きずってしまう人がいます。ミスを反省することは大切ですが、いつまでも引きずっているのは好ましくありません。どこかで線引きをし、気持ちを切り替えるようにしましょう。
しかし、ミスをしたことで、周囲の人に多大な迷惑をかけた、ひどく叱責された、というようなことがあった場合、すぐに気持ちを切り替えるというのは、非常に難しいことです。そのような時には、上司や先輩など信頼できる人に相談をしてみてはどうでしょうか。人に話すことで自分自身の気持ちを整理することができますし、相談相手からもらうアドバイスの言葉によって前向きに考えることができるようになる可能性が高いからです。
また多くの場合、相談された相手も、「困ったときに頼りにしてもらえた」ということで、より親身になってアドバイスをくれるでしょうから、相談をしたことがきっかけで、お互いの信頼関係をより深めることができるかもしれません。
また、気分転換をすることも気持ちの切り替えには非常に有効といえます。ミスをしてしまった日は、きちんと後始末を済ませ、迷惑をかけてしまった人に十分な謝罪の気持ちを示すということをした上で、少し早く帰り、自分のしたいことや好きなことをして気持ちをリフレッシュしてみましょう。気分を変えることで、精力的にミスを取り戻していこう、という気分になることができるかもしれません。
仕事においては、ミスをしないで済むのが一番ですが、一生を通してミスなく仕事ができるという完璧な人間は、ほとんどいないでしょう。ミスをしてしまったとき、「そのミスをどう今後に活かしていくのか」というふうに切り替えることができる人こそが、仕事で成功できる人といえるのかもしれません。
7. 仕事のミスが急激に増えたのはなぜ?心のSOSかも
仕事のミスの多くは、「不慣れによる不手際」「慣れによる注意力散漫」によっておこるものですが、なかには、仕事中のミスが少なかった人が急にミスを連発するようになるというケースもあります。
一時的なものであれば心配はないのですが、続くようであれば、危険信号かもしれません。というのも、これは、心のSOSかもしれないからです。
たとえば、仕事のミスが増えたあたりから、「仕事に集中することができなくなった」「物事を順序良く考えることができなくなってしまった」などの症状が起きていないでしょうか。また、「ネガティブな思考に囚われて積極性に欠けるようになった」「いつもの自分とは違う」と思えるようなことが増えてはいないでしょうか。これらの症状に複数に該当するような場合、うつになっている可能性もあります。
現代社会はストレス社会ともいわれています。一日の大半の時間を過ごす職場でストレスを抱えるようになると、心が疲れてしまい、体にまで影響を及ぼしてしまうということが往々にしてあります。思うように仕事ができないと感じた時や体に不調を感じた時には、病院(心療内科)を受診してみましょう。
なお、受診によって、うつと診断された場合、早々に上司に相談をするようにしましょう。うつは、早期のうちにきちんとした治療を受ければ改善することができるものです。また、うつを抱えながら仕事をし、ミスを連発して迷惑をかけるよりも、いったん仕事を休み、しっかり治してからミスなく仕事をするほうが、会社にとっても有益といえるでしょう。
おわりに
いかがでしたか?仕事のミスは、確認不足によるケアレスミスがほとんどです。まずはメモを取り、指示された内容をしっかりと把握してから仕事に取り掛かる習慣を身につけましょう。なお、ミスをしてしまったことを悔やみ続けるのではなく、上手に気持ちを切り替えることも大切です。仕事のミスは仕事で取り戻すという気持ちで、ミスをきっかけに成長につなげられるとさらによいのではないでしょうか。
LIMO編集部