この記事では、某商社ニューヨーク本店に勤務するビジネス書大好き人間が、日々通う書店のビジネス書コーナーで感じたことをお話ししていきます。

11月になり、あれだけ暑かった日々が嘘のように寒くなってきます。そんな寒さを吹き飛ばすには、シーズンが始まったばかりのNBAを観てみてはいかがでしょうか。アメリカでは、10月からバスケットボールのシーズンが始まります。NYでもその人気は熱狂的で、バスケットボールファンだけでなく、エンターテインメントとして多くの観客が訪れます。NBA発祥の地NYで、「熱い冬」を満喫してみるのもいいかもしれません。

それでは、10月のランキングを見ていきましょう。

バーンズ&ノーブル(BARNES & NOBLE)の10月のビジネス書売れ筋ランキング

※ 順位/タイトル/邦題(翻訳書がないものは編集部で独自に訳した仮題)/著者

1.Mastering the Market Cycle: Getting the Odds on Your Side/(仮題)市場のサイクルを掴む:勝利を自らの手に/著:ハワード・マークス

2.Leadership: In Turbulent Times/(仮題)リーダーシップ:荒れ狂う時の中で/著:ドリス・カーンズ・グッドウィン

3.The Five Dysfunctions of a Team: A Leadership Fable/(仮題)チームにおける5つの機能障害:リーダーシップがわかる寓話/著:パトリック・M・レンシオーニ

4.Lean In: Women, Work, and the Will to Lead/(邦題)LEAN IN(リーン・イン)女性、仕事、リーダーへの意欲(日本経済新聞出版社)/著:シェリル・サンドバーグ

5.Rich Dad Poor Dad: What the Rich Teach Their Kids about Money That the Poor and Middle Class Do Not!/(邦題)金持ち父さん 貧乏父さん:アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学(筑摩書房)/著:ロバート・キヨサキ

6.The Dichotomy of Leadership: Balancing the Challenges of Extreme Ownership to Lead and Win (B&N Exclusive Edition)/(仮題)リーダーシップの二分法:導き、勝つための「究極の自責」にまつわる課題にどう立ち向かうか/著:ジョコー・ウィリンク/リーフ・バビン

7.StrengthsFinder 2.0/(邦題)さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0/著:トム・ラス

8.Hare Brain, Tortoise Mind:How Intelligence Increases When You Think Less/(仮題)ウサギの頭脳、亀の心:考えることを少なくすることで、いかに知性は高まるか/著:ガイ・クラクストン

9.Think and Grow Rich/(邦題)思考は現実化する(きこ書房)/著:ナポレオン・ヒル

10.Billion Dollar Whale: The Man Who Fooled Wall Street, Hollywood, and the World/(仮題)億万長者の鯨:ウォールストリート、ハリウッド、そして世界を手玉に取った男/著:トム・ライト/ブラッドリー・ホープ

市場の「浮き沈みの周期」は予測できるか?

まず紹介するのは、1位にランクインした『Mastering the Market Cycle』です。本書は、日本でも最近、従来にも増してニーズが高まっているといえる「投資」に関する書籍です。

当たり前ですが、市場には浮き沈みがあります。そのタイミングを見極めて売買を行うわけですが、なかなか思うようには稼ぐことができません。しかし本書で著者のハワード・マークスは、「市場の浮き沈みの周期は、予測可能だ」と述べられています。その方法とはどんなものか? マークスの手法に賛成するにせよ反対にするにせよ、一つの考え方として、投資をする上で読んでおきたい興味深い一冊です。

大統領のリーダーシップと巨額汚職に迫った本

次に紹介するのは、2位にランクインした『Leadership』です。本書はエイブラハム・リンカーンなど4人の大統領の事例から、彼らがどのように困難に打ち勝ち、リーダーとなったかが記されている一冊です。何千万人、何億人ものアメリカ国民を束ねてきた大統領のリーダーシップ論を学べば、あなたがリーダーシップを身につけるための大きなヒントになるでしょう。

最後に紹介するのは、10位にランクインした『Billion Dollar Whale』です。本書は、政府系投資会社を舞台にし、マレーシア前首相も関与した汚職事件「1MDB問題」を扱った1冊で、首謀者であったジョー・ローがいかにして「世紀の詐欺師」になったかが綴られています。この問題は金融関係者にとってはショッキングな事件のようで、ストーリーを楽しむだけでなく、「教養」としても知っておいて損はない内容となっています。

まとめにかえて

今回は、上で紹介した『Leadership』を含め、リーダーシップに関する書籍が4冊もランクインしました。これからの時代、機械や人工知能に奪われづらい能力として、「リーダーシップ」の重要性が高まっていくと言われています。将来に対して危機感を持つ人が増えていることの表れとも言えるかもしれませんね。

来月は、どんな本がランクインするのでしょうか。それでは、次回のランキングをお楽しみに!

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