6. もうすぐ65歳に…年金受給開始の書類はいつ送られてくる？

ここでは、知っておきたい年金の基本について説明します。

原則として、65歳の誕生日を迎える3カ月前になると、日本年金機構から老齢年金請求書（事前送付用）が送られてきます。

そこにはあらかじめ、ご自身の基礎年金番号や加入記録などが印字されています。

なお、年金の受給開始年齢は原則として65歳ですが、特別支給の老齢厚生年金の支給対象となる場合には65歳を待たずに年金請求書が届きます。

「特別支給の老齢厚生年金」を受け取るための要件は、下記すべてを満たしていることです。

  • 男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれたこと
  • 女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれたこと
  • 老齢基礎年金の受給資格期間（10年）があること
  • 厚生年金保険等に1年以上加入していたこと
  • 生年月日に応じた受給開始年齢に達していること

※「特別支給の老齢厚生年金」の受給開始年齢は、生年月日と性別に応じて異なります。詳しくは日本年金機構のホームページでご確認ください。

出所：日本年金機構「老齢年金請求書の事前送付」

請求書が送られてきたら、同封のパンフレットの提出方法を確認して提出します。提出しないと年金を受給することができませんので、注意しましょう。

※ご注意　なお、60歳台前半の特別支給の老齢厚生年金を受けている方が65歳になったときは、特別支給の老齢厚生年金に代わり、新たに老齢基礎年金と老齢厚生年金を受けることになります。この場合は改めて「年金請求書（国民年金・厚生年金保険老齢給付）」の提出が必要です。

7. まとめにかえて

わたしたちの生活において切っても切り離せない大切な公的年金ですが、年金について学ぶ機会はそう多くないでしょう。

しかし、現役時代に厚生年金保険に加入するかしないかで、老後に受給できる年金の種類が異なります。また、厚生年金と国民年金の両方を受給できても、加入期間や年収により受給額が大きく異なります。

こうした年金制度の基本的なしくみを知ることも老後対策の1つといえるでしょう。

本記事では、厚生労働省のデータをもとに2023年度末現在の老齢年金受給額をご紹介しましたが、ご自身の将来の年金額は、ねんきん定期便やねんきんネットで把握することができます。

実際に受給できる年金額は、受給開始前に確定するため、あくまでも「現時点で見込まれる年金額」となりますが、老後の生活設計を考える上で欠かせない要素です。

ねんきん定期便は誕生月に送付されてきますので、届いたらチェックしてみましょう。

参考資料

和田 直子