4月15日は年金支給日です。2025年度の年金額は、2024年度から1.9%の引き上げが決まりました。

筆者はファイナンシャルプランナーとして日々資産運用の相談を承っています。その中で特に多い相談は、「老後資金」についてです。老後資金の中で欠かせないのが「年金」ですが、ご自身の年金がいくらくらい受け取れるのか把握していない人が多いです。

老後資金を考えていく中で年金がどのくらい見込めるのか把握しておくことはとても大事です。今回は、年金の中でも「国民年金」と「厚生年金」について解説していきます。また現在の年代別でどのくらい年金が受給できているのかについても解説していきます。

1. 公的年金制度を整理《国民年金+厚生年金》のしくみ

「日本の年金制度は2階建て」としばしば表現されます。これは、1階部分にあたる「国民年金(基礎年金)」と2階部分に当たる「厚生年金」から成り立つためです。

それぞれの年金の基本をおさらいしておきましょう。

厚生年金と国民年金の仕組み

厚生年金と国民年金の仕組み

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」等を参考にLIMO編集部作成

1.1 1階部分:国民年金

加入対象者はどんな人?

  • 原則として日本に住む20歳から60歳未満の全員(職業や国籍は問わない)

年金保険料はいくら?

  • 全員一律、ただし年度ごとに改定あり(※1)

老後の受給額はどう決まる?

  • 保険料を全期間(480カ月)納付すれば満額の老齢基礎年金を受給できる(※2)

※1 国民年金保険料:2025年度月額は1万7510円
※2 国民年金(老齢基礎年金)の満額:2025年度月額は6万9308円

1.2 2階部分:厚生年金

加入対象者はどんな人?

  • 会社員や公務員、またパートで特定適用事業所(※3)に働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入

年金保険料はいくら?

  • 収入に応じて(上限あり)変わる(※4)

老後の受給額はどう決まる?

  • 加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすい

このように、国民年金と厚生年金では、加入対象や年金保険料の決まり方、老後の年金額の計算方法などが異なります。そのため現役時代の年金加入状況により、実際の受給額には個人差が出ます。

次では厚生労働省が公表した、2025年度の年金額改定について見ていきます。

※3 特定事業所:1年のうち6カ月間以上、適用事業所の厚生年金保険の被保険者(短時間労働者は含まない、共済組合員を含む)の総数が51人以上となることが見込まれる企業など
※4 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)、標準賞与額(上限150万円)に保険料率をかけて計算されます。