クッション言葉とはなにか?その活用シーンと使い方

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はじめに

どのようにコミュニケーションをとるかということは、相手との円滑な人間関係を築くために非常に重要なポイントとなります。どのような態度で接するかということはもちろん、言葉遣いひとつでも、相手に与える印象は大きく変わります。この記事では、言葉遣いのひとつであるクッション言葉にスポットをあてて考えてみたいと思います。

目次

1. クッション言葉とは何?
2. ビジネスマナーとクッション言葉
3. 謝罪のクッション言葉
4. クッション言葉を使って依頼すると
5. クッション言葉のうまい使い方
6. クッション言葉を電話対応で使うならば
7. メールとクッション言葉

1. クッション言葉とは何?

例えば、道に迷い、周囲を歩いている全く見ず知らずの人に道順を教えてもらうというシチュエーションを考えてみましょう。あなたはいきなり「〇〇への道順を教えてください。」と切り出すでしょうか?おそらく、大多数の人は「すみませんが、〇〇への道順を教えていただけませんか。」などのように、本題を伝える前に「すみませんが」「恐れ入りますが」といった一言を、無意識のうちに発しているのではないでしょうか。この一言が、いわゆる「クッション言葉」とよばれるものになります。

例のように道順を尋ねるときなどは、いきなり用件を切り出しても、相手に応じてもらえる可能性が高いですが、職務中で忙しい上司に質問をしたいときなど、いきなり伝えたい用件を切り出してしまうと、作業を中断させていることをなんとも思っていないような印象を与え、不快な思いをさせてしまうことがあります。しかし、ここで「すみませんが」「お忙しいところ申し訳ありません」などの一言を添えて用件を切り出すことで、「作業を中断させてすみません。」という気持ちも一緒に、相手に伝えることができるのです。このようにクッション言葉には、きつくなりがちな言葉の衝撃を和らげる効果があります。

クッション言葉は、主にお願い・断り・異論を言う、といった場面で用いられます。いきなり用件を伝えるよりも、丁寧でやさしい印象を与えることができますし、相手の時間を使わせることや、断りや反対意見を述べることで相手に不快な思いをさせてしまうことに対する配慮や思いやりを示すことが可能となります。

このように、非常に役立つクッション言葉ではありますが、多用しすぎるとかえって逆効果になることもあります。例えば、クッション言葉には、自分をへりくだらせる表現が多いのですが、使いすぎることによって、結果的に相手を小馬鹿にしているような言い回しになってしまったり、また、会話中に「恐れ入りますが」「申し訳ありませんが」「お忙しいところすみません」といった言葉を連発することで、嫌味と捉えられたり、まどろっこしいと感じる人もいるようです。多用しすぎることで、薄っぺらい印象を与え、言葉の信用性が減ることも考えられますので注意が必要です。

2. ビジネスマナーとクッション言葉

クッション言葉は、ビジネスの現場でよく用いられます。企業によっては、ビジネスマナー研修の一環として、わざわざクッション言葉を学ばせることもあるほどです。では、いったいどのようなビジネスシーンで、どのようなクッション言葉が使われているのでしょうか。

謝罪、断り

依頼された仕事ができないときや、飲み会などに誘われたが断わらなくてはいけないときに使う「申し訳ありませんが」「大変残念ですが」など。「できません。」「行けません。」では角が立ちますが、「そうしたいのはやまやまなのですが(今回は無理です)。」という気持ちを伝えることができます。

依頼

作業を依頼するときに「お忙しいところすみません。」「お手数ですが」など。用件をいきなり切り出すよりも、相手の作業を中断させる、時間を使わせることに対しての思いやりの気持ちを伝えることができます。

反論

会議などで反対意見を述べたい時に使う、「もう一つの可能性としてお聞きいただきたいのですが」など。いきなり自分の意見を述べるよりも、相手の意見も尊重しているという気持ちを伝えることができます。

報告

喜ばしい報告のときに使う「おかげさまで」など。喜ばしい報告のときは、「みなさんの協力や応援の気持ちに感謝します。」という気持ちを伝えることができます。

3. 謝罪のクッション言葉

先ほども述べましたが、クッション言葉がよく用いられる場面としては、謝罪や断りが挙げられます。特に、接客などのビジネスの場面では、たとえ自分に非が無かったとしても、企業の一員として謝罪をしなければならないときがたくさんあります。

例えば、店内が混みあっていてお客様を待たせてしまった場合や、お客様が希望した品が無かった場合を想像してみましょう。店内が混んでいるのも、希望した品がないのも自分のせいではないということで、淡々と順番に案内をする、「その品物は、ありません。」と答えるというような対応をしたとします。お客様は、ずいぶん不愉快な思いをすることでしょう。下手をすれば、もう二度と来店してくれないかもしれません。

そんなとき、「お待たせして申し訳ありません。」「ご期待に添えず大変申し訳ありません」というクッション言葉を使って謝罪や断りを入れることで、お客様には、角を立てずに現状を説明するとともに、「申し訳ない」という気持ちも一緒に伝えることができます。なお、このときに、「カウンター席ならば、少し早くご案内できます。」「数日、お時間をいただけましたら、お取り寄せも可能です。」などの解決策を示すことで、できるだけ、お客様を満足させたいという企業姿勢を示すことができるでしょう。

4. クッション言葉を使って依頼すると

依頼も、クッション言葉がよく用いられるビジネスシーンといえます。仕事の中には、下位工程や上位工程との引き継ぎ、確認、承認など、誰かに何かを依頼しないと進まない作業がたくさんあるからです。

では、職場で、「確認して。」「この作業をしておいて。」と、いきなり依頼したい内容を相手にきりだしてみたとしましょう。相手が、先輩や上司など目上の人であれば、かなり失礼な行為ですし、たとえ後輩や同期であっても、人によっては、お願いされているのではなく、命令されているようにとらえてしまうかもしれません。

そんなとき、クッション言葉を使い、「お手数ですが、確認していただけますか。」や「お忙しいところ申し訳ありませんが、この作業をしていただけませんか。」などと、お伺いも兼ねて依頼することで、用件とともに、相手に対して負担をかけてしまう心苦しさも一緒に伝えることができます。なお、このときに、「提出には、上司の確認が必要なので」とか、「お客様からの急な依頼なのですが」など、依頼の理由を伝えることも、快く引き受けてもらうための、大切なポイントとなります。

5. クッション言葉のうまい使い方

クッション言葉を使うことで、スムーズなコミュニケーションが期待できます。しかし、前述したとおり、へりくだりの表現が多いクッション言葉を多用することは、言葉の内容を薄っぺらいものにしてしまい、逆に「本当に、そう思っている?」という疑問を相手に抱かせることにもつながりかねないという、リスクをはらんでいます。

そもそも、クッション言葉を使う目的は、相手を不快にさせることなく自分の真意を伝えることにあります。クッション言葉は、適切な場面で、適切な頻度で使うようにしましょう。そのためには、それぞれのクッション言葉をどのような場面で使うのが効果的であるかを、きちんと把握しておくことが大切です。

クッション言葉が、もっとも効果的なビジネスシーンとしては、電話やメール対応が挙げられます。対面での会話では、雰囲気や身振り手ぶりもあわせて、相手に対する申し訳なさや思いやりの気持ちを伝えることができますが、電話やメールは、それらをすべて言葉で伝える必要があります。このように、言葉でしか伝えられない場面でこそ、クッション言葉を活用することが、うまい使い方といえるでしょう。

6. クッション言葉を電話対応で使うならば

電話対応においてクッション言葉を使うことは、より効果的であるという話をしました。では、具体的には、どのような場面で、どのような言葉を使うのが効果的なのでしょうか。以下、代表的なものをまとめてみました。

恐れ入りますが

電話の向こうの相手に、お伺いや、ちょっとしたお願いをするときに用います。
例1)少し混み入った話がしたいとき
「恐れ入りますが、ただ今お時間よろしいでしょうか。」
例2)電話口に出た人に伝言をお願いしなくてはいけないとき
「恐れ入りますが、ご伝言をお願いできますか。」

お手数をおかけしますが

電話の向こうの相手に、少し手間のかかるお願いごとをするときに用います。
例)電話口に出た人に、外出中の相手に折り返しの連絡を頼んでほしいとき
「お手数をおかけしますが、すぐに〇〇様から折り返しの連絡をいただけるよう手配していただけないでしょうか。」

差し支えなければ

電話の向こうの相手の都合を伺いつつ、お願いごとをしたいときに用います。
例1)電話口に出た人の名前を聞き逃してしまい、再度確認したいとき
「差し支えなければ、今一度お名前をお伺いできますでしょうか。」
例2)自分のすることが、相手に不都合ではないかを問いかけたいとき
「差し支えなければ、資料を送付させていただいてもよろしいでしょうか。」

あいにくですが

断りの場面において、完全にノーではないが、今は応えられないという場合に用います。
例)電話を取り次ぐべき相手が席を外しているとき
「あいにくですが、〇〇は席をはずしております。」

どの業態においても電話対応は必須といえます。特に、コールセンターをはじめ、電話代行や秘書代行など、電話対応が中心のビジネスにおいては、これらのクッション言葉を使った、電話対応のマニュアルというものが存在していますが、定型文化したクッション言葉を多用しすぎると、機械的な印象を与える可能性もあります。時には、自分で考えた言葉も織り交ぜてみるなど、工夫をしてみるとよいかもしれません。

7. メールとクッション言葉

今やビジネスの現場では主流ともいえるコミュニケーションツールの「メール」ですが、完全に文章だけで相手に要件を伝えなくてはいけないために、電話対応以上に言葉のチョイスには、気を配る必要があります。

ビジネスの現場でよく見かけるのは、直接の会話や電話ではそうでもないのに、メールだけはぶっきらぼうな印象がするという人です。そういう人がだしたメールをよく見ると、「定型の挨拶文のあとに、いきなり用件を書きはじめている」ケースが、非常に多いことがわかります。

LineやTwitterといったSNSでのコミュニケーションに慣れている人にとっては、「用件を伝えることが第一。余計な文言は不要。」ということなのかもしれませんが、ビジネスの場においては、メールの文章から受ける印象そのものが、仕事の成否を左右する可能性もあります。用件のみの殺伐とした文面にならないよう、できるだけ工夫はしたほうがよいでしょう。

なお、メールで使うクッション言葉の種類や注意点については、電話対応のときとほとんどかわりはありません。電話対応は問題ないという人であれば、メールを書くときに、それを文字に起こすだけでも随分と印象が変わるはずです。

おわりに

ふだんは無意識に発していることもあるクッション言葉ですが、ビジネスの現場では、それを使うか使わないかで、その後の仕事のしやすさが格段に違ってくることもあります。仕事を円滑に進めるためにも、クッション言葉を正しく身につけ、活用していきましょう。

LIMO編集部

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LIMO編集部

LIMO編集部は、個人投資家向け金融経済メディアであるLongine(ロンジン)の執筆者である国内外大手証券会社で証券アナリストや運用会社のファンドマネージャーとして長年の調査や運用経験を持つメンバーやビジネス系インターネットメディアでの運営経験者等を中心に構成されています。国内のみならずグローバルの視点から、金融・経済ニュースや投資に関する知識・アイデア、ビジネスパーソンの役に立つ情報ををわかりやすくお届けします。