はじめに
職場に、いわゆる「お局様」がいると、嫌がらせを受ける、陰口をいわれるという経験をすることがあります。職場でお局様にきつくあたられ、どう接したらいいのかがわからず、悩んでいる人も多いでしょう。この記事では、お局様を敵に回さないコツや、嫌がらせを受けたときの対処法などについて、ご紹介していきます。
※本記事で扱う「お局様」は、単に勤続年数の長い女性、年長者の女性を指すものではありません。より良い会社生活を送るためのノウハウという視点からお読みいただけると幸いです。
目次
1. お局様とは?お局様の代表的な特徴
2. 上司もビビる!お局様の影響力
3. こんな人は要注意!お局様に嫌われやすいタイプ
4. 職場に困ったお局様がいたらどうする?
5. お局様にいじめられたらどうする?
6. お局様との上手な付き合い方を知っておこう
7. 自分が困ったお局様にならないために大切なこと
1. お局様とは?お局様の代表的な特徴
お局様の本来の意味とは「非常に高い地位にある女性」です。それが転じて、現代では、職場の部下に勤続年数や年齢を理由に、理不尽なまでに厳しい態度をとる女性を指すようになりました。基本的に「お局様」という言葉が使われるときの多くは、その厳しい態度が、部下を育てようとするような尊敬に値するものではなく、気分や自分の都合だけという自分勝手な理由からくるものであることが多く、その態度を揶揄する際に使われることが多いようです。身近に「困ったお局様」がいるという人は、職場に次のような態度をとる女性がいて、後輩がお局様認定をしはじめた…という経緯だったのではないでしょうか?
では、職場でお局様認定されている女性の、代表的な特徴をみてみましょう。
- 独自の自分ルールで仕事をして、他人にもそれを押し付ける。
- 自分のルールに従わない後輩がいれば、態度が攻撃的になる。時には嫌がらせもする。
- お気に入りの後輩は大事にする一方で、自分が嫌いな後輩には冷たく接し、嫌味や小言をいう。
- 異性と同性では態度がガラリと変わる。同じ失敗をしても、相手が異性であれば甘く接し、同性であれば厳しく接する。
結局のところ、勤続年数が長かったり、年長者なのをよいことに、職場において、自分本位にふるまう女性が「お局様」とよばれているということなのでしょう。
2. 上司もビビる!お局様の影響力
お局様は勤続年数が長いため、自然と社内の色々な情報を知ることになります。このため、その発言力や影響力が絶大…という職場も多いようです。そのような職場では、お局様の上司はおろか、それより上の役職の人でさえ、お局様には強く出ることができないということも多く、お局様の影響力は増すばかり…という悪循環が繰り返されるという職場ケースもあるようです。
「お局様から目をつけられていじめを受けた。」「陰で上司に悪口をいわれて評価を落とされた。」など、お局様に嫌われたために、仲の良かった同僚も離れてしまい、いつの間にか職場で孤立していたという例もあるようです。他にも、お局様と関わらなければならない仕事なのに、嫌われたことで会話さえろくにしてもらうことができず、仕事がまったく進まなくて大変だったという経験を持つ人もいます。このようなことが積み重なり、お局様からの嫌がらせにストレスがたまって、職場に通えないほど思い詰める人もいますから、職場にお局様とよばれる人がいた場合は、軽く考えすぎずに対処するのがよいかもしれません。
ただ、お局様がいるからと、常に気を遣って仕事をするのでは、職場の居心地は悪くなるばかりです。そんなときは、お局様を敵だと思ったり、影響力を恐れて委縮するのではなく、味方につけてしまうのはどうでしょう?余計な人間関係に悩むことなく、仕事をスムーズに行うことができるかもしれません。
3. こんな人は要注意!お局様に嫌われやすいタイプ
では、どんな人がお局様に嫌われやすいのでしょうか?代表的なものに、以下の2点が挙げられます。
若い、美人、ファッションが派手で目立つ
お局様は勤続年数が長い=あまり若くはない、ということで、「若い」「美人」というだけで妬まれてしまうケースが多いようです。また「ファッションが派手で目立つ」人も、人の注目を集めてしまうということで、嫌われることが多いようです。
仕事ができる
仕事の能力が高い人は、お局様を差し置いて、上司の信頼を得てしまうことが往々にしてあるため、お局様の妬みを買ってしまうことが多いようです。
付き合いが悪い、はっきりと意見をいいすぎる
お局様は自分のルールに従わない人や、自分のルールに物申す人が、あまり好きではありません。このため、こちらに悪意がなく、正論を言っているだけなのに、嫌われてしまうことがあるようです。
自分より優れている人に対して劣等感を感じたときに、相手をいじめることで優位に立とうとする人がいますが、得てして、お局様にはそういう人が多いようです。また一度嫌われてしまうと、職場での居心地が一気に悪くなってしまうこともあります。
4. 職場に困ったお局様がいたらどうする?
もし、あなたの職場に皆を困らせているお局様がいる場合は、必要以上に関わらないようにするのが一番です。ただ、お局様と接しないように日頃から気をつけていても、どうしても会話せざるをえない場合もあるでしょう。そんな時は、当たり障りのない話題を選び、さりげなくお局様を立てる言動をすることで、うまくその場を乗り切りましょう。
常に自分が注目を浴びていたいタイプのお局様や、見た目で判断してくるようなお局様がいる場合、身なりに気を付けることも効果的かもしれません。どちらかというと派手めのものが好きという人でも、「派手な服や髪型は休日や退社後に楽しもう。」と割り切って、仕事のときは控えめなメイクとファッションにしてみるのもよいでしょう。
男性には甘いというお局様がいる場合は、職場の男性に協力してもらうのもひとつの手でしょう。特にお局様の好みのタイプが分かっている場合は、それに近い男性にお願いするのがベストです。面倒な仕事を引き受けてもらいたいときや、なかなか自分たちの意見を取り入れてもらえないときなど、男性が頼むことで快く引き受けてもらうことができるかもしれません。
殆どの場合、コツさえつかめば、その対処法は決して難しいものではありません。まずはお局様の特徴や性格を把握し、効果的な対処法を探しましょう。
5. お局様にいじめられたらどうする?
どんなに気をつけていても、お局様に目をつけられてしまうこともあります。軽い嫌味やお小言程度で済めばよいのですが、ひどいいじめや嫌がらせに発展してしまった場合には、どうしたらよいのでしょうか。
度が過ぎたいじめや嫌がらせを受けていると感じたら、まずは、いつどんなことをされたのかを詳細にメモをとっておくようにしましょう。これは、それが原因で精神的にダメージを受け、うつ病などになってしまった場合に損害賠償を請求するときに役に立ちます。
日頃から仕事をしっかり行い、お局様以外のメンバー、特に上司の信頼を得て、様々なことを皆に相談しやすい雰囲気を作っておくことも大切です。上司でも意見しにくいというタイプのお局様でも、上司の決定に逆らうということまではできません。上司を味方につけておくことで、お局様の攻撃をある程度かわす効果が期待できます。また、一人では無理でも、同じように感じている周囲のメンバーと協力し、集団で立ち向かうことで、お局様の増長を食い止めることができるかもしれません。
なお、お局様の影響力が強すぎて、どうしても改善できないという場合もあるでしょう。そのときは、転職を考えてみてもいいのではないでしょうか。実際、職場の人間関係に耐えられずに転職する人はたくさんいます。お局様の態度にこれ以上の我慢ができず、ストレスが限界に達しているようであれば、転職して新しい職場で人間関係を築いていくのも、ひとつの手ではないでしょうか。
6. お局様との上手な付き合い方を知っておこう
勤続年数が長いということは、お局様も何らかの理由で会社に必要とされている人ということでしょう。ともに会社の業績アップを目指す仲間として、できるだけ上手に付き合うことを考えたいものです。
まず、嫌味やお小言が多いお局様の場合、その言動をいちいち真に受けず、必要なことだけをしっかり聞いて、不用なことを受け流すようにしてみましょう。例えば、何か間違いを指摘するときに、指摘点だけでなく、「使えないわね。」「見た目がよくても仕事はダメね。」「高いのは学歴だけね。」などなど、余計な一言を付け足すお局様もいるようですが、このようなお局様の言動にいちいち苛立っていては、そのあとの仕事に集中することができません。指摘をしていただいたという点は素直に受け入れ、「とても勉強になりました」と謙虚にお礼を返したうえで、あとの余計なひとことは、さらっと流してしまいましょう。「あの人(お局様)は、ああいう性格だから仕方がない。」と割り切ってしまえば、お局様の嫌味をストレスに感じることもなくなります。
また、お局様の良いところを見つけるということも大切なポイントです。例えば、仕事ができるお局様であれば、「仕事の面では、とても尊敬している。」ということをアピールしてみるのもよいでしょう。ファッションセンスがよいお局様には、洋服やアクセサリー、メイクなどを、「さすがですね。」と褒めてみるのもよいかもしれません。
そもそも、お局様が周囲にきつくあたるのは、年齢による外見の劣化や、年齢が上がり、勤続年数が長くなったことで、以前ほど周囲にちやほやされなくなったという劣等感が根底にあることも少なくありません。適宜「そんなことはないですよ。」と伝えてあげることで、お局様の態度も変わってくるかもしれません。
お局様との上手な付き合い方を知ることで、お局様との軋轢を回避できるのはもちろん、仕事をスムーズにすすめることが期待できます。まずは、お局様をよく観察してみることが、職場の人間関係を穏やかに保つための秘訣なのかもしれません。
7. 自分がお局様にならないために大切なこと
これまで「職場に困ったお局様がいる場合」について述べてきましたが、女性の場合、自分の勤続年数が増え、先輩よりも後輩が増えていくという過程において、後輩から「お局様」と揶揄される立場になることも考えられます。自分が皆を困らせるお局様にならないようにするには、どのような点に気をつけたらよいのでしょうか。
誰に対しても謙虚な態度を心掛ける
部下や後輩相手だと、偉そうな態度を取る人がいますが、これはいかがなものでしょうか。先輩だからこそ、部下や後輩を一人の人間として、尊敬の念を持った態度で接するよう心掛けましょう。職歴の浅い後輩は仕事で失敗することが多々あり、先輩として叱らなくてはいけない時もありますが、「自分に迷惑が掛かった。」ということではなく、後輩が同じ失敗を繰り返さないようにという観点で叱ることが大切です。また、人間なので相性はありますが、人によってや、男女で態度を変えないようにすることも、意識すべきことでしょう。
年齢や見た目の劣化は、ある程度素直に受け入れる
年齢が重なると、どんなに努力をしても、若い時の容姿のままというわけにはいきません。そもそも若い女性に嫉妬をし、嫌がらせをしてみたところで、自分が若返るわけではありません。どうしてもそのようなことが気になってしまう人は、年齢を重ねたこその魅力を追及してみるのはどうでしょうか。
後輩とのコミュニケーションを積極的にとる
ジェネレーションギャップにより、自分が思う以上に、後輩にはかなりきつい態度に感じるということもあります。普段から積極的にコミュニケーションを取り、後輩を知り、また自分を知ってもらうことで、そのようなギャップを埋めることができるかもしれません。
今いる「困ったお局様」を反面教師に
職場に困ったお局様がいるのであれば、「自分は絶対あの人にはならない」と反面教師にしましょう。自分がされて嫌だったことを、後輩にしないようにするだけでも、将来自分が「お局様」になってしまう危険を避けることができます。
おわりに
お局様というと女性を指しますが、もちろん女性に限らず、職場に皆を困らせる人がいた場合、まずはよく観察し、趣味嗜好や行動パターンを把握しておくようにすると、上手く対処できるようになることが多いようです。職場に対して、強い影響力を持つこともあるお局様ですが、そもそもは同じ業績アップを目指す仲間です。敵だと思うのではなく、上手く共存する方法を模索してみましょう。
なお、どんなに努力しても困ったお局様から受ける精神的ストレスが軽減されないケースもあります。そのようなときは、上司に相談する、転職を検討するなどの方法を検討したほうがよいでしょう。
最後に、勤務年数が長かったり年長の女性を、冗談のつもりで「お局様」と呼んだりすることもあるかもしれませんが、それによって、傷つく女性がいるかもしれないことにはくれぐれも注意が必要です。いずれにせよ、安易に「お局様」という言葉を使わないほうがよいのは間違いないといえるのではないでしょうか。
LIMO編集部