株式市場の振り返り-日経平均株価は9連騰ならず、後場に入って急速に値を下げる

2018年9月27日(木)の主要指標(カッコ内は前日終値比)

  • 日経平均株価 23,796円(▲237円、▲1.0%) 9日ぶり反落
  • TOPIX 1,800.1(▲21.5、▲1.2%) 続落
  • 東証マザーズ総合指数 1,067.3(▲3.9、▲0.4%) 4日ぶり反落

東証1部上場銘柄の概況

  • 値上がり銘柄数:342、値下がり銘柄数:1,730、変わらず:32
  • 値上がり業種数:1、値下がり業種数:32
  • 年初来高値更新銘柄数:109、年初来安値更新銘柄数:6

東証1部の出来高は13億9,056万株、売買代金は2兆8,110億円(概算)となり、いずれも前日より減少しました。米国で予定通りの利上げが実施された後、FRB議長の会見を材料にNYダウが急落したことを受け、東京市場でも利益確定売りが優勢となりました。

ただ、下値を拾う動きも散見されたため、減少したとはいえ、売買代金は相応の高水準を維持しています。

そのような中、日経平均株価は久しぶりに荒い値動きとなりました。NY市場下落や円高進行などを懸念して、寄り付きから安く推移しましたが、前場の半ばには一時+55円高のプラス圏に浮上する場面が見られました。しかし、後場に入ると急速に値を下げてマイナス圏に沈み、大引け前には一時▲255円安まで売られています。

結局、9日ぶりの反落となり、前日付けた約8カ月ぶりの24,000円をあっさり割り込んで引けました。なお、日中の値幅(高値と安値の差)は約311円でした。

なお、TOPIXも同じような値動きで続落となり、下落率は日経平均株価より大きくなりました。これは、中小型株を含めて幅広く利益確定売りが優勢だったことを示唆しています。

東証マザーズ総合指数は4日ぶり反落、売買代金は連日で1,000億円を上回る

東証マザーズの出来高は9,106万株、売買代金は1,375億円となりました。出来高は前日より減少しましたが、売買代金は増加しています。主力株を中心に個人投資家の物色意欲が回復し、売買代金は連日で1,000億円を大きく上回る活況な商いとなりました。

ただ、大型株市場同様に利益確定売りが優勢となったこと等から、総合指数は4日ぶりの反落で引けました。終値は1,000ポイントを十分確保しましたが、今後はこの物色意欲が継続するのかが注目されましょう。

ファナックや村田製作所が急落、関税引き上げが当面見送りの自動車株は高安まちまち

個別銘柄では、ファナック(6954)が一時▲4%安の急落となり、同じく急落した東京エレクトロン(8035)は年初来安値を更新しました。

また、村田製作所(6981)が▲5%超安の急落となり、日本電産(6594)、ローム(6963)、SUMCO(3436)などが大幅下落になるなど、電子部品株や半導体関連株が総じて売られたようです。

その他では、小売株の一角も下落が目立ち、ニトリホールディングス(9843)が一時▲7%超安の急落となった他、良品計画(7453)、ビックカメラ(3048)、三越伊勢丹ホールディングス(3099)なども大幅安となったのが目を引きました。

一方、米国による輸入関税引き上げが当面見送りになったことを好感し、SUBARU(7270)が大幅高となり、ヤマハ発動機(7272)やデンソー(6902)も大きく値を上げました。また、マツダ(7261)も取引時間中に大幅高となりましたが、終値は小幅高に止まり、トヨタ自動車(7203)やホンダ(7267)は下落して引けています。

その他では、塩野義製薬(4507)、エーザイ(4523)、武田薬品工業(4502)など主力薬品株が堅調に推移し、セブン&アイ・ホールディングス(3382)やイオン(8267)は年初来高値を更新しました。

なお、ソニー(6758)は取引時間中に連日の高値更新となりましたが、その後は売りに押されて大幅安で引けています。

新興市場では、前日にストップ高となったジーエヌアイグループ(2160)が反落し、串カツ田中ホールディングス(3547)も大きく値を下げました。一方、SOU(9270)やシルバーライフ(9262)が年初来高値を更新し、時価総額が最大のメルカリ(4385)も値を上げています。

葛西 裕一