4. 後悔しがちなこと4:出費の予定を確認しておけばよかった

家計の余剰資金を把握したうえで資産運用に着手したとしても、ライフスタイルにおいて予想外のことが起きるケースもあります。

今の家計ではなく、将来の家計も見越したうえでの余剰資金となっているでしょうか。

子どもの教育資金、親の介護、自宅の修繕やリフォームなど、数年先の出費も計算に入れたうえで、資産運用に回せるお金を確認しておくことが大切です。

最初は無理なく家計の余剰資金から資産運用のためのお金を出せていたとしても、「急に子どもが塾に通いたいと言い出して出費が増えた...」「体調を崩して休業することになり、家計を見直さなければならなくなった」など、予想外のことが起きるケースもあります。

日々の生活費や数年先の出費に備えた貯蓄、万が一の時に備えた生活防衛資金を確保したうえで、資産運用に着手できるとよいですね。

5. 後悔しがちなこと5:購入時に商品性を理解しておけばよかった

金融商品を購入した方のうち、商品性を理解していないまま購入した割合

金融商品の特徴をよく理解していないまま購入したと答えた人の割合

出所:金融広報中央員会「「金融リテラシー調査2022年」の結果」

金融広報中央員会の「「金融リテラシー調査2022年」の結果」によると、約30%の人が商品性を理解していないまま金融商品を購入していることがわかりました。

具体的には、金融商品を購入したことがある方で「商品性をあまり理解していなかった」「商品性を理解していなかった」と答えた方の割合は、株式24.8%、投資信託29.6%、外貨預金等28.7%となっています。

購入した金融商品が値上がりし続けたらよいのですが、市場の動向や世界情勢などによって価格変動リスクが伴います。

長期投資を前提にしていたとしても、価格変動の状況に応じて「いくらまで値下がりしたら買い足す」「ここまで値上がりしたら売却して利益を得る」など、あらかじめ目標を立てておくことが大切です。

6. まとめにかえて

今回は、証券会社の元富裕層担当社員である筆者が、新NISAやiDeCoで「後悔しがちなこと5選」をご紹介しました。

新NISAやiDeCoは税制優遇制度として、さまざまなメリットが期待できますが、事前にそれぞれの違いや特徴を把握しておくことが大切です。

将来の出費を見越したうえでの余剰資金を用いたり、どの金融機関にするのか比較するなどしてよく理解したうえで選ぶように心がけましょう。

参考資料

安達 さやか