現代の日本では、おひとりさまとして老後を迎える方が増加傾向にあることをご存じでしょうか。

特に、65歳以上の単身世帯では、男性よりも女性の割合が多くなっているのが現状です。

おひとりさまで老後を過ごす場合、経済面に不安を感じる方も多いかと思いますが、はたして公的年金だけで生活していくことは可能なのでしょうか。

本記事では、おひとりさま世帯の「老後の家計収支事情」について詳しく紹介していきます。

老後に受け取る公的年金の平均月額についても触れていますので、あわせて参考にしてください。

1. 増える「おひとりさまシニア世帯」。女性のほうが多いって本当?

冒頭でもお伝えしたように、日本ではおひとりさま世帯が年々増加傾向となっています。

厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の単独世帯(おひとりさま世帯)の割合は、1986年では13.1%だったのに対し、2023年には31.7%と、倍以上の増加が見られます。

【写真全7枚】1枚目/65歳以上の者のいる世帯の世帯構造の年次推移、2枚目/高齢者世帯の世帯構造&65歳以上の単独世帯の性・年齢構成

65歳以上の者のいる世帯の世帯構造の年次推移

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

おひとりさまシニア世帯が増加している要因のひとつとして、ライフプランの多様化が影響していると考えられます。「生涯未婚を選ぶ人」や「熟年離婚を選択する夫婦」が増えているのでしょう。

また、厚生労働省の同調査によると、おひとりさまシニア世帯の男女比は、男性が35.6%、女性が64.4%となっており、女性の割合が高い傾向にあります。

高齢者世帯の世帯構造&65歳以上の単独世帯の性・年齢構成

高齢者世帯の世帯構造&65歳以上の単独世帯の性・年齢構成

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

約3世帯に1世帯がおひとりさまシニア世帯であることや、女性の割合が高いことから、女性は「おひとりさまとして老後を迎える」ことも視野に入れておく必要があると考えられます。

では、老後の大きな収入源となる「公的年金」だけで生活はしていけるのでしょうか。

次章にて、65歳以上のおひとりさま世帯の家計収支について見ていきましょう。