4. 後悔しがちなこと4:まずは生活費の確保を優先しておけばよかった
長らく続く低金利や物価高などの影響で、資産運用をはじめる方が増加傾向にあります。
なかには、友人や知人などが資産運用をはじめたことを耳にして「我が家も資産運用に取り組んだ方がいいのでは」と焦って決断してしまう方もいらっしゃいます。
将来に向けた資産運用に取り組むには、まず「生活費の確保」を行う必要があります。
日々の生活費だけでなく、近い将来必要となる出費を考慮して、万が一の事態に備えたうえで、家計に見合った資産運用を行うことが大切です。
5. 後悔しがちなこと5:ライフイベントを見越しておけばよかった
新NISAやiDeCoの活用を検討するときは、ご自身やご家族のライフイベントについて話し合ったり考えたりしておくことが大切です。
生活環境や考え方などは、それぞれ変化することもあるでしょう。
たとえば、お子様が公立に通うとおっしゃっていたのに、急に「受験して私立に通いたい」と将来に向けた目標のために考えが変わるケースもあります。
その場合、「塾の費用」や「私立の学費」などが、これまでの家計に上乗せしてかかってくることになります。
「今の家計」をもとに資産運用に取り組むと、将来急な出費が必要になったときに困る可能性があるため、ライフイベントを見越しておくことが大切です。
6. まとめにかえて
いかがでしたでしょうか。今回は、証券会社で富裕層担当の元社員である筆者が、新NISAやiDeCoをはじめる前に「気付いておけばよかった」と後悔しがちなこと5選をご紹介しました。
新NISAとiDeCoはいずれも魅力的な制度ではありますが、下調べをしないままはじめてしまうと家計に負担が生じてしまう可能性があります。
まずは、家庭ごとに異なるリスク許容度を把握したり、ライフイベントを見越したりするなど、家計の状況に着目するようにしましょう。
参考資料
安達 さやか
執筆者
株式会社モニクルリサーチ
LIMO編集部記者/一種外務員資格(証券外務員一種)/元証券会社社員
1985年生まれ。福岡県出身。筑紫女学園短期大学英文科(現・筑紫女学園大学)を卒業後、2005年に日興コーディアル証券株式会社(現・SMBC日興証券株式会社)に入社。ファイナンシャルアドバイザーとして、主に富裕層の個人顧客や法人に向けて、株式や債券、投資信託、保険商品などライフプランに寄り添った資産運用を提案する業務に従事した。一種外務員資格(証券外務員一種)保有。
現在は、株式会社モニクルリサーチのメディア編集本部・LIMO編集部に所属。「くらしとお金の経済メディア~LIMO(リーモ)~」では、人事院、内閣府(金融庁、消費者庁、こども家庭庁)、デジタル庁、総務省、法務省、財務省(国税庁)、文部科学省、厚生労働省、農林水産省(林野庁)、経済産業省(中小企業庁)、国土交通省、環境省といった官公庁の公開情報など、信頼性の高い情報をもとに厚生労働省管轄の公的年金(厚生年金保険と国民年金)、年金制度の仕組み、社会保障、退職金、資産運用や貯蓄、NISA、iDeCoなどをテーマに企画・編集・執筆を行う。(2024年8月22日更新)
監修者
株式会社モニクルリサーチ
代表取締役/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)
株式会社モニクルリサーチ代表取締役。その他に株式会社モニクル取締役、株式会社モニクルフィナンシャル取締役も務める。東京工業大学大学院非常勤講師。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修了(同研究科最優秀賞受賞)
1. 経歴
2013年に株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を原田慎司(現同社取締役)らとともに共同創業。2013年に個人投資家向け金融経済メディア「Longine(ロンジン)」を立ち上げ、編集長に就任。Longineの立ち上げの経緯はBloombergにおいて「体力勝負アナリスト辞めます、元外資マン個人に長期投資指南」として掲載され大きな反響を呼ぶ。投資情報のサブスクモデルを確立する。その後、株初心者向けネットメディア「株1」、2015年にはくらしとお金の経済メディア「LIMO」の前身となる「投信1」を立ち上げる。
それ以前は、日本生命・国際投資部で外国株式ファンドマネージャー、フィデリティ投信・調査部や運用部にて10年に渡ってインターネット、電機(半導体・民生・産業エレクトロニクス)、機械(ロボットやセンサー企業中心)といったテクノロジーセクターの証券アナリストや中小型株ファンドのアシスタント・ポートフォリオ・マネージャー(最年少で就任)として従事。
2. 専門
慶応義塾大学商学部卒業。国際金融及びコーポレート・ガバナンスを専攻。アジア通貨危機、昭和金融恐慌などの金融パニックのメカニズムを金融政策や金融機関への規制の観点から研究。それらの内容は「昭和金融恐慌からの教訓 平成恐慌になにをどう生かすべきか」(三田商学研究学生論文集)として発表。
3. 著書
・『機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資』(ダイヤモンド社)
・『テクノロジーがすべてを塗り変える産業地図』(クロスメディア・パブリッシング)
・『銀行はこれからどうなるのか』(クロスメディア・パブリッシング)
・『Google vs トヨタ 「自動運転車」は始まりにすぎない』(KADOKAWA)
・『日本の電機産業 何が勝敗を分けるのか』(日本経済新聞出版社)
4. 寄稿や講演他
「日経BizGate」での連載「泉田良輔の新・産業鳥瞰図」や「現代ビジネス」、「東洋経済オンライン」、「プレジデント」などへの寄稿や対談も多数。対談記事例としては「【未来予想】ブロックチェーン革命が、「半沢直樹」の世界に終わりを告げる」や「【未来予想】アマゾンとビットコインが、次世代の「銀行」になる理由」(いずれもNewsPicks)、「米独に遅れる日本の自動運転、自動車も電機の二の舞に?」(週刊ダイヤモンド)。海外ジャーナリストからインタビューされることも多く、Financial TimesやThe Economist、Bloombergにおいて自動車や金融業界についての国内外産業動向コメントも発信している。
講演会や動画での情報発信も盛んに行っており、NewsPicksのTHE UPDATE、日経ビジネススクール、慶應丸の内キャンパス、慶應義塾SDM、アカデミーヒルズなどでも講義を行う。またNewsPicksのNewSchoolではプロジェクトリーダーとして「本当に初心者のための資産運用」を開催。
最終更新日:2024年8月27日