3. ファイナンシャルアドバイザーが出会った「富裕層」の共通点・特徴は?
ここからは、筆者が前職の経験を通じて出会った富裕層の具体的な特徴をご紹介します。
3.1 お金の使いどころを考えている
富裕層と聞くと、高級ブランド品や高級車、タワーマンションといった華やかなイメージを抱きがちです。しかし、筆者が出会ってきた多くの富裕層の方々は、むしろお金の使い方に非常に慎重で、実利を重視している姿が印象的でした。
例えば、洋服についてはファストファッションを好み、シンプルで実用的な装いを選ぶ方が多く見受けられました。一方で、高級車を所有している方もいますが、それは単なるステータスのためではなく、資産価値が高く、将来的に高値で売却できるものを選んでいるケースがほとんどでした。
同様に、タワーマンションの購入についても、物件の資産価値が上がる見込みがある場所を慎重に選んでいるという共通点がありました。
このように富裕層の方々は、お金を使う際には明確な目的や理由を持ち、ただの消費ではなく将来を見据えた投資としての視点を欠かさない点が特徴的です。お金の使いどころをしっかりと考える姿勢が、富を築き維持する鍵であると感じます。
3.2 金融商品への知識がある
富裕層のもう一つの共通点として挙げられるのは、金融商品の知識をしっかりと持っている点です。
銀行預金だけでは物価上昇の影響を避けられないことを理解しており、債券や株式、投資信託などの資産運用を積極的に活用して、自身の資産を物価上昇から守る工夫をしていました。
また、富裕層の方々は資産運用のリスクについてもよく理解しており、リスクの高い商品に過度に依存することは少なく、むしろリスクが低めの商品に比重を置いた安定的な運用を好む傾向が強かったように思います。このような慎重な姿勢が、資産を長期的に保全し、増やす要因となっているのでしょう。
近年では、新NISAやiDeCoといった税制優遇制度が整備されており、これらを活用することで効率的な資産形成が可能となっています。資産運用にまだ取り組んでいない方も、一度情報収集を行い、自分のライフプランに合った方法で資産運用を始めてみることを検討してみてはいかがでしょうか。
4. まとめにかえて
日本では富裕層とされる人々は全体の約2.7%に過ぎません。彼らが派手な生活を送っているとは限らず、外見だけでは富裕層かどうかは判断できないことが多いのも特徴です。
富裕層の背景には、事業の成功、資産運用の成果といったさまざまな要因がありますが、彼らの投資やお金に対する姿勢から得られる学びも少なくありません。
特に、富裕層は資産を守りつつ増やす方法を熟知しており、その考え方や行動には、これから資産形成を始める方にとって参考になる点が多くあります。
現在は資産運用などお金に関する情報があふれています。資産運用にはリスクもありますが、大きく資産を増やせるチャンスでもあります。
自分に合った運用方法を見つけ、お金に働いてもらうことによって富裕層に一歩近づけるかもしれませんね。
参考資料
- 株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計 | ニュースリリース | 野村総合研究所(NRI)」
- 株式会社博報堂「新富裕層“インカムリッチ”生活者調査」レポート」(PRTIMES)
- 株式会社帝国データバンク「定期調査:「食品主要 195 社」価格改定動向調査―2024 年 12 月/2025 年」
筒井 亮鳳