シリーズでお伝えしている「企業年収給与研究」。最新の有価証券報告書をもとに注目企業の従業員の年収・給与や従業員数を見ていきましょう。今回は日本を代表する製薬メーカーである武田薬品工業です。

武田薬品工業の平均年間給与はいくらか

武田薬品工業(提出会社)の2018年3月31日時点での平均年間給与は 1038.8万円と1000万円を超えています。また、従業員の平均年齢は40.8歳となっており若干ですが40歳を上回っています。平均勤続年数は14.5年となっています。

武田薬品工業の従業員数は何人か

有価証券報告書の提出会社(単体)の従業員数は2018年3月31日時点で5461名。単体で5000人以上の従業員数がいます。単体のセグメント別従業員数は以下の通りです。

  • 医薬品事業:5461名

武田薬品工業の単体の従業員数は前年度と比べ大幅に減少しています。その理由は、事業の一部を会社分割により武田コンシューマーヘルスケア株式会社等に対して承継したために従業員数が減少することになっています。

また、連結の従業員数は2万7230名。セグメントごとの内訳は以下の通りです。

  • 医薬品事業:2万7230名

過去5年間の業績動向

武田薬品工業の連結業績について簡単に振り返っておきましょう。

売上収益は過去5年で見ると、1兆8000億円をはさんで動いてきました。2014年3月期に1兆6917億円であったのが、2016年3月期には1兆8074億円、2018年3月期には1兆7705億円となっています。

また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、2015年3月期に大きな損失を計上していますが、それを除いては当期純利益を計上しています。2014年3月期に1067億円であったのが、2018年3月期には1869億円となっています。

今後の注目点

武田薬品工業では「オンコロジー(がん)」、「消化器系疾患」、「ニューロサイエンス(神経精神疾患)」の3つの重点疾患領域と「ワクチン」に研究開発分野を絞り込み、研究開発体制の変革に取り組んでいます。

また中期的な優先事項として「Grow Portfolio(事業ポートフォリオの成長)」、「Strengthen Pipeline(研究開発パイプラインの強化)」、「Boost Profitability(利益率の向上)」に取り組んでいます。

まとめにかえて

年収や給与といった金銭面での条件は仕事をする人にとっては誰もが気になる要素ではないでしょうか。金銭面での処遇以外にも、働きがいや働きやすさといった職場環境が大事なのは言うまでもありません。

ただ、年収や給与などの「お金」の話は親しい仲でも聞きにくいというのが実際ではないでしょうか。こうしたデータが就職活動や転職活動の参考になれば、幸いです。

【注意点】有価証券報告書における年間平均給与及び従業員数について

平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでいます。また、従業員数は、社外からの出向者を含み、社外への出向者は含みません。

【ご参考】有価証券報告書とは

日本証券業協会によれば、有価証券報告書は「金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成する会社内容の開示資料です。株式を上場している会社は、各事業年度終了後、3か月以内に財務局長および上場証券取引所に有価証券報告書の提出が義務付けられています」とされています。

LIMO編集部