4. まとめにかえて
ここまで現行の年金制度をみていきました。現状でも年金だけで生活できている人は半数以下という結果となり、その割合も年々減少しています。
これから少子高齢化が進んでいくことを考えると、年金受給額が更に減ってしまうこともあるでしょう。それに加え、今後の物価上昇や、老後の医療費がかさむリスクもあります。
このような状況の中で、老後安心した生活を送るためには、お金を増やすこと、リスクに備えることが必要不可欠です。
まずお金を増やすことについては副業やキャリアアップで年収を上げる方法と、資産運用でお金に働いてもらうことがあげられます。
近年、副業を認めている会社も増えてきているため、休日や隙間時間を使って効率よく稼ぐというのもいいでしょう。ただし、休みなく働いてしまうと、疲労が取れず体調を崩してしまうので、本業に支障がない程度に留めておくことも大切です。
そこで、お金にも働いてもらうことで、老後に向けて資産を増やせる期待が持てます。今話題のNISAやiDeCo、会社の制度などを含め、まずは身の回りの資産運用にはどんなものがあるのかを確認してみましょう。
また、リスクに備えることも大切です。
老後のリスクと言えば、介護や医療費がかさむことです。特に介護は老後の期間が長くなる程、膨大な費用が必要になります。
こういったまとまった出費に備えるためには、貯金はもちろん、少ない掛け金で大きな金額が準備出来る保険という手段もあります。
自分はまだ若いから大丈夫と思っている人もいるでしょうが、こういった保険は健康でなければ入れないことが殆どです。例えば毎年受けている健康診断で再検査や要治療の項目があると加入することが難しくなってしまいます。
そのため、若くて健康なうちに備えておくことで、比較的安価な保険料で一生涯の保障を持つことができます。
老後に向けて、少しずつ準備を始めてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査の概況」
- 厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」2024年7月5日
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
宗形 佑香里