来月、13日(金)は公的年金(国民年金と厚生年金)の支給日です。

年金は2カ月ごとに支給されます。年金収入のみで生活する方々は、振り込まれた年金を1カ月で使い切ってしまうことがないよう、しっかり管理しなければいけませんね。

本記事では、現在の老齢年金世代が公的年金だけで生活できているのか、厚生労働省の資料より確認していきます。また、年金受給額が月額どのくらいかも見てみましょう。

1. 【実は半数以下】年金だけで100%生活している高齢者世帯の割合は?

厚生労働省の「2023年国民生活基礎調査」によると、100%年金だけで生活している人は全体の41.7%となっています。

【写真1枚目/全5枚】年金だけで生活する高齢者世帯の割合。以降の写真で前年の調査結果とも比較する1/5

年金だけで生活する高齢者世帯の割合

出所:厚生労働省「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」

上記の結果から、半数を超える高齢者世帯は、年金のみでは生活が難しく、他の収入に依存している状況がみてとれます。

さらに、前年の同調査によると、年金だけで100%生活していた高齢者の割合は44%だったことから、この1年で「年金収入のみでは生活が厳しくなった世帯」が増加していることが明らかです。

なお、全体の所得における公的年金や恩給の割合は約62.9%ですが、それだけで十分な生活費をまかなえないため、多くの高齢者は働いて収入を補ったり、貯蓄を取り崩したりしているのが現状です。

次章にて、現代のシニア世代の「年金事情」について、もう少し掘り下げてみましょう。

2. 2024年度の年金額例を確認!国民年金の満額は「6万8000円」

2024年度の年金額は昨年度よりも2.7%の増額となりましたが、物価の上昇率がそれを上回っているため、実際の生活感覚としては「増えた」という実感は少ないかもしれません。

  • 国民年金(老齢基礎年金):6万8000円(1人分)
  • 厚生年金:23万483円(標準的な夫婦2人分)

国民年金(老齢基礎年金)の満額は月額6万8000円ですが、これは保険料を全期間支払っていた場合の金額であり、未納期間があると、受給額は減少します。

一方で厚生年金は、「標準的な夫婦2人分」で月額23万483円という試算となっており、これも受給者全員がこの額を受け取れるわけではありません。

この試算は、40年間平均月収43万9000円の会社員と専業主婦(または専業主夫)を想定した「標準的な片働き夫婦世帯」をモデルにしています。

上記から、共働き世帯やパートタイムで働く人たちは、この試算に該当しないケースも多いでしょう。

では、国民年金と厚生年金の「平均受給月額」はいくらなのでしょうか。

次章にて、「国民年金」と「厚生年金」のそれぞれの平均受給額について、さらに詳しく見ていきます。

3. 現シニアの「国民年金と厚生年金」の平均受給額は?ボリュームゾーンも確認

前章では2024年度の支給額例を見てきましたが、本章では現シニアの受け取っているリアルな年金額を確認していきます。

厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、実際にどれほどの金額が支給されているかを見ていきましょう。

3.1 国民年金の平均月額とボリュームゾーンを確認

  • 全体:5万6316円
  • 男性:5万8798円
  • 女性:5万4426円

国民年金の平均受給額は5万円台です。

ボリュームゾーンは6万円から7万円未満であることから、満額に近い受給者が多いことがわかります。

しかし、満額であっても月6万8000円程度しかないため、これだけで生活費全体をまかなうのは難しいでしょう。

3.2 厚生年金の平均月額とボリュームゾーンを確認

  • 全体:14万3973円
  • 男性:16万3875円
  • 女性:10万4878円

厚生年金の平均月額は14万3973円ですが、男女間の差が大きく、受給額にばらつきがあります。

具体的には、「9万円~11万円未満」と「17万円~18万円未満」が主な層であり、職歴や収入によって金額が大きく異なるのが現状です。

仮に夫婦ともに平均的な厚生年金を受給している場合、世帯全体の年金月額は約27万円になります。

この金額で生活が成り立つかどうかは、住む場所やライフスタイルに依存しますが、「もう少し余裕が欲しい」と感じる方も多いでしょう。

ご自身のより詳細な年金額を知りたい場合は、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」や、オンラインで簡単に確認できる「ねんきんネット」を活用すれば、将来の受給額を確認できます。

4. まとめにかえて

ここまで現行の年金制度をみていきました。現状でも年金だけで生活できている人は半数以下という結果となり、その割合も年々減少しています。

これから少子高齢化が進んでいくことを考えると、年金受給額が更に減ってしまうこともあるでしょう。それに加え、今後の物価上昇や、老後の医療費がかさむリスクもあります。

このような状況の中で、老後安心した生活を送るためには、お金を増やすこと、リスクに備えることが必要不可欠です。

まずお金を増やすことについては副業やキャリアアップで年収を上げる方法と、資産運用でお金に働いてもらうことがあげられます。

近年、副業を認めている会社も増えてきているため、休日や隙間時間を使って効率よく稼ぐというのもいいでしょう。ただし、休みなく働いてしまうと、疲労が取れず体調を崩してしまうので、本業に支障がない程度に留めておくことも大切です。

そこで、お金にも働いてもらうことで、老後に向けて資産を増やせる期待が持てます。今話題のNISAやiDeCo、会社の制度などを含め、まずは身の回りの資産運用にはどんなものがあるのかを確認してみましょう。

また、リスクに備えることも大切です。

老後のリスクと言えば、介護や医療費がかさむことです。特に介護は老後の期間が長くなる程、膨大な費用が必要になります。

こういったまとまった出費に備えるためには、貯金はもちろん、少ない掛け金で大きな金額が準備出来る保険という手段もあります。

自分はまだ若いから大丈夫と思っている人もいるでしょうが、こういった保険は健康でなければ入れないことが殆どです。例えば毎年受けている健康診断で再検査や要治療の項目があると加入することが難しくなってしまいます。

そのため、若くて健康なうちに備えておくことで、比較的安価な保険料で一生涯の保障を持つことができます。

老後に向けて、少しずつ準備を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料