2. 年金を1ヵ月で20万円受給するには現役時代にいくらの収入が必要なのか?

厚生年金は、国民年金の2階建て部分に該当する年金制度です。そのため、月20万円の年金受給額から逆算して必要年収を導き出すには、国民年金と厚生年金を分けて考える必要があります。

2.1 国民年金を満額で受給した場合

公的年金の1階部分に該当する国民年金は、2024年度で月6万8000円が満額となっています。年間にすると満額で81万6000円の国民年金が受け取れる計算です。

月20万円の年金を12ヵ月受給すると年間240万円になるため「240万円(年間の年金受給額)-81万6000円(年間の国民年金受給額)=158万4000円」が厚生年金で受給しなければならない金額であると計算できます。

2.2 年間158万4000円を厚生年金で受給する場合

おおよその厚生年金額は「平均年収÷12×0.005481×被保険者の月数」で計算できると前述しました。年間158万4000円を厚生年金で受給するには、一体いくらの年収が必要になるのか計算していきましょう。

まずは国税庁の「令和5年分 民間給与実態統計調査」をもとに平均年収460万円で、40年間保険料を納付した想定で計算します。

「460万円÷12×0.005481×480ヵ月=約100万8500円」となり、年間158万4000円に届かないことがわかりました。

次に約1.5倍の金額にあたる平均年収700万円で計算します。

「700万円÷12×0.005481×480ヵ月=約153万4680円」と導き出すことができ、国民年金と厚生年金を合計すると「81万6000円(年間の国民年金受給額)+約153万4680円(年間の厚生年金受給額)=235万680円」になります。

よって年金を1ヵ月で20万円受給するには、現役時代の平均年収700万円以上を稼ぐ必要があると判断できます。なお、より正確な金額を把握したい場合は、厚生年金保険料額表を参照しながら計算してみてください。

【写真全3枚/1枚目】厚生年金の保険料額表。2枚目は国民年金の平均月額一覧表を紹介

厚生年金の保険料額表

出所:日本年金機構「○令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和6年度版)」