3. 2024年度の支給額は前年度から2.7%の引き上げに
近年の物価高の影響を考慮し、2024年度(令和6年度)の年金支給額は2.7%の増額改定となりました。
2024年度における年金額例を、国民年金・厚生年金それぞれでみていきましょう。
3.1 2024年度の年金額の例
※1 昭和 31 年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額 67,808 円(対前年度比+1,758 円)です。
※2 平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9 万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
上記の年金額の例は、「国民年金1人分の受給額」と「標準的な夫婦2人分の国民年金を含む厚生年金を受給するケース」を示しています。
ただし、これらは国民年金を満額受給した場合や、平均的な収入(40年間にわたって月額43万9000円の収入)をもとにした試算であり、あくまで参考情報として留意しておけると良いです。
ご自身の年金見込額をより詳しく知りたい方は、「ねんきんネット」もしくは「ねんきん定期便」で確認してみましょう。
4. まとめにかえて
今回は、いまのシニアが受け取っている年金額について年齢ごとに見てきました。
2024年度の年金額は2.7%の増額改定となりましたが、実際には物価上昇を下回っているため、目減りしていることになります。
会社員や公務員として働いていて、将来国民年金と厚生年金の両方を受け取れる方でも、今後物価上昇が続いて生活コストが上がっていた場合、年金だけで生活を送るのは厳しいかもしれません。
どのような立場にいる方でも「老後は年金だけで生活できる!」と安心せずに、しっかりと将来に向けて老後資金の準備を始めていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報|令和4年度」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 2.7%の引上げです~」
- 国民年金基金「よくあるご質問(給付に関して)」
- 日本年金機構「Q年金はいつ支払われますか。」
- 総務省「統計からみた我が国の高齢者―「敬老の日」にちなんで―」
鶴田 綾