2024年9月15日に総務省が65歳以上の就業状況を発表しました。
65歳以上の就業者数は20年連続で増加しており、914万人と過去最高を記録しています。働くためには健康が条件のため、長く健康を保てている点については喜ばしいと言えるでしょう。
一方で、本当は働きたくはないけれど働く必要がある世帯についても考えておく必要があります。
働く理由が生きがいや健康維持などの世帯と、生活のためでは状況は大きく異なるでしょう。
そこで今回は、年金受給者の金銭事情について確認を行い、人生100年時代を生き抜くポイントを考察していきます。
1. 年金だけで生活している高齢者世帯は「41.7%」
厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」を見てみましょう。
100%年金だけで生活している人は全体の41.7%となっています。
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%:41.7%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80%~100%未満:17.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満:13.9%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満:13.2%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~60%未満:9.3%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満:4.0%
つまり、58.3%の高齢者世帯は、年金だけで生活できていない現状が見てとれます。
昨年度における同調査では、年金だけで100%生活できている世帯は44.0%でした。
今年度はわずかながらに割合が減少していることから、昨今続く物価高や円安などの影響により、年金だけでは生活が苦しい高齢者世帯が増えているといえそうです。
また、同調査による所得の構成割合を見ると、公的年金や恩給は全体の62.9%です。稼働所得や貯蓄の切り崩しなどで補填していることがうかがえます。
次の章では、高齢者世帯の稼働所得を確認していきましょう。