3. おひとりさまでいることの「お金」以上の利点とは?
前章にて説明した内容は「独身生活の利点」を見ても明らかです。
未婚者のもっとも多くが独身の利点として「行動や生き方が自由」を挙げています。
次いで「友人などとの広い人間関係が保ちやすい」も多くの回答を集めています。
この結果から、現在の暮らしを変えたくない人や現在の生活を満喫している人が多いと察することができるでしょう。
一方、男女ともに「金銭的に裕福」と回答した人は意外にも少ない結果になりました。
「独身は既婚者よりも自由に使えるお金が多い」や「結婚も子どもも贅沢品」など、結婚とお金についてさまざまな意見がネットを中心に飛び交っています。
実際のところ結婚について考えるにあたっては、経済的な部分とは別の部分を重んじている人が多いのかもしれません。
4. まとめにかえて
20歳代・30歳代の結婚適齢期といわれる世代の人たちには選択肢が用意されています。
また、ミドル層以上の未婚者も独身であることで肩身の狭い思いをする人は、以前より少ないのではないでしょうか。
現在は、女性が生涯働くことを前提にしたカリキュラムを用意している大学が多く、男女で業務の役割分担を明確にしている企業は減ってきています。
また、動画配信サービスやSNSによりひとりで楽しく過ごせるようになったほか、飲食店においてもおひとりさま向けの席やプランが用意されています。
さらに、推し活文化により趣味を堂々と楽しむ人も増えてきました。
そうした中で、結婚を“あえて”選ぶ人が少なくなってもおかしくないように思います。
一方、リモートワークの普及や新型コロナウイルス感染対策などにより出会いの場が少なくなっているのも事実です。
男女の出会いの場が増えることで、パートナーに出会える人も増えるかもしれません。
参考資料
- こども家庭庁「若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第1回)資料2_結婚に関する現状と課題について」
- 厚生労働省「令和5年版 厚生労働白書 (令和4年度厚生労働行政年次報告)―つながり・支え合いのある地域共生社会―」
- こども家庭庁「令和5年度 我が国におけるこどもをめぐる状況及び政府が講じたこども施策の実施状況」(令和6年版こども白書)」
- 講談社
- AIマッチングシステム「TOKYOふたりSTORY」
- こども家庭庁「若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第1回)」第一回議事要旨
西田 梨紗