住民税非課税世帯とは、「収入が一定額以下である」などの理由によって住民税が課税されない世帯のことです。
そんな住民税非課税世帯に対し、政府は2023年度に1世帯当たり10万円を支給しました。また、2024年度も新たに該当する対象者へも10万円が支給されることが決まりました。
7月頃から自治体での手続きがスタートしており、多くの自治体で提出期限は9~10月頃に設定されています。
昨今では物価上昇により、生活費が上昇し続けている中で現金が支給されることはとてもありがたいことでしょう。
そこで本記事では、2024年度に新たに住民税非課税世帯になる方に向けた「現金10万円給付」の対象となる世帯や内容、申請手続きについて解説します。
1. 「住民税非課税世帯」って何?東京都の年収目安
お住まいの地域(市区町村、都道府県単位)で行政サービスを利用するにあたり、納める必要のある「住民税」。
行政サービスとは、上下水道、ごみ処理、公立学校などのインフラサービスのことです。
住んでいる人なら必ず活用するものです。
その税率の設定は自治体ごとに異なり、例えば東京都の場合は都民税4%、区市町村民税6%の合計10%となっています。
1.1 住民税の例
東京都在住の本人・専業主婦の配偶者・20歳と17歳の子どもという4人の家族構成で、本人の給与収入が500万円とします。
この場合の2024年度における住民税は年間で10万4200円です。
給与所得者であれば毎月の給与から住民税が天引きされています。
収入等が低い場合は住民税が非課税となり、さらに世帯の全員が住民税非課税の場合、その世帯は「住民税非課税世帯」となります。
なお、住民税には「所得割」と「均等割」の2種類がありますが、この両方が課税されない場合に「住民税非課税世帯」となります。
1.2 所得割・均等割とは
所得割とは、割合は同じですが、所得に応じて課税額が変化する税のこと。
均等割とは、所得の額に限らず、一定の金額が課税される税のことです。
東京都では、均等割が都民税1000円、市区町村税3000円、そして2024年度から森林環境税1000円が徴収されます。
1.3 住民税非課税世帯の要件
住民税非課税世帯と認定されるためには、どれくらいの収入が必要なのでしょうか。
収入以外の条件についても同時に見ていきましょう。
自治体により異なることもありますが、基本的には以下の3つです。
- 生活保護法の規定による生活扶助を受けている方
- 障がい者、未成年者、寡婦またはひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合、年収204万3999円以下)である方
- 前年の合計所得金額が、自治体ごとの基準より少ない方
3つ目の要件、「前年の合計所得金額が、自治体ごとの基準より少ない方」とは具体的にどのくらいなのでしょうか。
次章にて詳しく確認していきましょう。