「毎月天引きされる年金保険料が高すぎる」、「年金は払い損だから払いたくない」と思っている人もいるかもしれません。
ただし、実際に年金保険料をいくら支払って、どれくらい年金を受け取れるのか、把握している人は少ないです。
そこで本記事では、平均年収500万円の会社員と自営業者をモデルに、年金の「損・得」をシミュレーションします。
寿命ごとの総年金受給額を計算するので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 平均年収500万円の会社員の年金の「損・得」をシミュレーション
まずは、平均年収500万円の会社員の年金の損・得を以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
- 平均年収500万円(月収30万円×12ヵ月+賞与70万円×2ヵ月)
- 1975年生まれ
- 23~64歳まで会社員として勤務
- 65歳から年金受取を開始
*2024年度の厚生年金保険料・厚生年金受給額を基に計算
給与から天引きされる厚生年金保険料(従業員負担分)は、年間44万8350円(2万7450円×12ヵ月+5万9475円×2ヵ月)です。そのため、年間44万8350円×42年間(23歳~64歳)=1883万700円が生涯で支払う年金保険料となります。
また、65歳から受け取る年金受給額は月16万円です。寿命ごとにみた総年金受給額は以下のとおりとなります。
代替テキスト:【平均年収500万円の会社員】寿命ごとの年金受給額シミュレーション結果
上部キャプション:【写真4枚】1枚目/【平均年収500万円の会社員】寿命ごとの年金受給額シミュレーション結果、2枚目/【2024年度】年金額の例
1.1 平均年収500万円の会社員がもらう寿命ごとの年金総受給額
寿命 年金受給総額
- 70歳 960万円
- 75歳 1920万円
- 80歳 2880万円
- 85歳 3840万円
- 90歳 4800万円
- 95歳 5760万円
- 100歳 6720万円
生涯で支払う年金保険料は1883万700円のため、75歳より長生きすれば年金受取額が支払保険料を上回り「得」となります。
また、85歳まで生きれば、年金保険料に対して2倍以上の年金を受け取ることが可能です。意外と年金は「得」な制度であることがわかります。
ただし、会社員が支払う厚生年金保険料は総額の半分です。半額は会社が負担します。
今回のシミュレーションは会社員が負担する金額を基におこなっているため、会社負担分も含めると年金がお得な制度と一概には言えないでしょう。