6月14日(金)は2ヶ月に1度の年金支給日です。この日、2024年4月分と5月分の2ヶ月分が支給されます。
年金の受給額は個々で異なるため、みんなはどれくらい受け取っているのか気になる人もいるでしょう。
また、現役世代のなかには、受給額の平均がどれくらいなのか、いまの収入からどれくらい下がるのか、検討もつかないという人も少なくないと考えられます。
そこで本記事では、いまのシニア世代の年金受給額を確認していきます。月額25万円以上を受給するの割合も見ていきましょう。
1. 日本の公的年金制度は「2階建て」の仕組み
最初に、日本の公的年金制度について仕組みをおさらいしておきましょう。
日本の公的年金は、国民年金と厚生年金の2つの制度から成ります。
1.1 国民年金(基礎年金)
- 原則、日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員に加入義務がある
- 保険料は一律(年度ごとに見直しあり)
- 保険料の納付期間に応じて将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金
- 公務員や会社員などが加入する
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)※労使折半
- 加入期間や保険料納付額に応じて将来もらえる年金額が決まる(国民年金に上乗せして支給)
現役時代に国民年金のみに加入するか、厚生年金にも加入するかによって、老後に受給する年金額が異なります。
厚生年金の保険料は毎月の給与や賞与により決定するため、年金額の個人差が大きくなります。
では、いまのシニア世代で厚生年金を受給する人の平均受給額はどれくらいなのか。
次章で確認していきます。
2. 【厚生年金】平均受給額はいくら?「月額25万円以上」受給する人は何パーセントいる?
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、厚生年金の年金月額ごとの受給権者数を見ていきましょう。
2.1 厚生年金の平均受給額(月額)
〈全体〉平均受給額(月額):14万3973円
- 〈男性〉平平均受給額(月額):16万3875円
- 〈女性〉平均受給額(月額):10万4878円
※国民年金部分を含む
厚生年金の平均受給額は、男女全体で月額14万3973円でした。
しかし、男女別で見ると約6万円の差が生じています。
次に、厚生年金をひとりで「月額25万円超」受給する人が何パーセントいるのかを見ていきましょう。
2.2 【厚生年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
- ※国民年金部分を含む
上記のとおり、厚生年金を「ひとりで月25万円以上」受給している人は全体の1.4%でした。
現役時代においては月収25万円はハードルが高くないと考えられますが、年金生活に入ると月額25万円(以上)はほんの一握りの人だけが受給できることが分かりました。
参考までに、国民年金の平均受給額も確認しておきましょう。
3. 【国民年金】平均受給額はいくら?
先ほどと同じ厚生労働省の資料で、国民年金の平均受給額(月額)を見てみましょう。
3.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
3.2 【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み)
- 1万円未満:6万5660人
- 1万円以上~2万円未満:27万4330人
- 2万円以上~3万円未満:88万1065人
- 3万円以上~4万円未満:266万1520人
- 4万円以上~5万円未満:465万5774人
- 5万円以上~6万円未満:824万6178人
- 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
- 7万円以上~:178万3609人
国民年金の平均受給額は月額5万6316円です。
老後を国民年金のみの収入で過ごすのは難しいと考えられます。
では、老後を年金収入だけでやりくりできる世帯はどれくらいあるのでしょうか。次章で確認してみます。
4. 老後、公的年金だけで生活できる高齢者世帯は何パーセントいる?
厚生労働省 2022(令和4)年「国民生活基礎調査の概況」によると、年金だけで生活している世帯は44%となっています。
老後生活を支える「柱」とされる公的年金ですが、年金収入だけで最低限の生活費をカバーすることができない世帯の方が多いのが現状です。
年金以外の「柱」を増やしておく必要があるでしょう。
5. 老後対策の第一歩!年金見込額の確認を
本記事では、いまのシニア世代の年金受給額を確認しました。
月額25万円以上の年金を受給することはハードルが高いこと、そして多くの高齢者世帯が年金収入だけで老後生活をやりくりできていないことがわかりました。
現役世代の人たちは老後に向けて準備をしなければ!と感じたことでしょう。
やるべきことはたくさんあります。人によっても異なります。ただ共通してまず最初にやるべきは、ご自身が将来受給できる年金見込額を確認することです。
おおよそ月額どれくらい受給できるかを把握することで、老後までにいくら準備すべきか?目標が明確になるでしょう。
年金見込額は、毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」にて確認いただけます。また、Web版「ねんきんネット」ならいつでもお好きなタイミングで年金見込額を確認できますのでご活用ください。
なお、いずれにおいても年金見込額は現時点の加入記録に基づくものです。厚生労働省が提供する公的年金シミュレーターではリタイアまでの年収を想定して入力し試算することができますので、こちらもあわせて活用すると良いでしょう。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省 2022(令和4)年「国民生活基礎調査の概況」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
- 日本年金機構「ねんきんネット」
和田 直子