かつて「老後2000万円問題」が話題となり、多くの現役世代が老後の暮らしについて不安を感じているのではないでしょうか。
物価高騰や税負担の増加など、現代社会では老後への不安が増しています。年金だけでは老後を賄うことが難しくなっており、貯蓄や資産運用などの自助努力も場合によっては必要になってくるかもしれません。
老後の資金を考えるうえで参考になるのは、今のシニア世代の方々が実際にどの程度の貯蓄ができているかというところでしょう。
そこで今回は60歳代・二人以上世帯の貯蓄額と、現代シニアの厚生年金と国民年金の平均月額、また2024年度の年金額例をみていきます。
1. 【60歳代・二人以上世帯】貯蓄400万円台は何パーセント?
60歳代・二人以上世帯で「貯蓄400~500万円未満」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」より、60歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄400万円~500万円未満の割合
- 1.9%
1.2 【60歳代・二人以上世帯】の貯蓄500万円未満の割合
- 40.6%
1.3 【60歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2026万円
- 中央値:700万円
貯蓄400万円~500万円未満は1割未満、貯蓄500万円未満でみると約4割となりました。
2. 【厚生年金と国民年金】平均月額はいくらか
では、みなさん年金は平均で月いくら受給しているのでしょうか。
厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、現代シニアの平均的な年金額も見ていきましょう。
2.1 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
2.2 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
国民年金で5万円台、厚生年金で14万円台でした。