では、建物の金額を極端に大きくすれば良いのかというとそうではなく、将来その物件を売却する際の税金がはね上がる可能性があります。
物件を売却する時の税金は、単純にいうと「売却金額-簿価」で出た利益に掛かります。
「簿価」とは物件のその時点での価値のこと。減価償却費を大きく取り過ぎると、物件の簿価はどんどん減ります。簿価が低くなった状態で売却すると、利益も税金も大きくなってしまうのです。
「減価償却は利益の先食い」とはこのことで、場合によっては、これまでのキャッシュフローを上回る税金が掛かってくることもありますので、減価償却費の取り過ぎにも注意が必要です。
逆に極端に土地の金額が多く、建物の金額が少ない場合は、売却時の税金は少ないのですが、毎年の所得税が高くなり、税引き後のキャッシュフローがほとんどなくなってしまう可能性もあります。
それぞれの金額を極端に大きくするのは注意が必要ですが、一般的には建物の金額が大きい場合は毎年のキャッシュフロー(インカムゲイン)狙い、反対に土地の金額が大きい場合は売却益(キャピタルゲイン)狙いと言えますので、物件の購入時の参考にしてください。
不動産投資の税金はコントロールできる場合もある
このように、物件の土地・建物の割合により不動産投資でかかる税金を予測することが可能です。収支計画を作る際は税引き後キャッシュフローの計算もあわせて行ってください。
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以上、村上俊介でした。