4. 70歳代「おひとりさま世帯」の平均貯蓄額
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」によると、70歳代・単身世帯の貯蓄は以下の通りでした。
- 金融資産非保有 :28.3%
- 100万円未満 :5.2%
- 100万円~200万円未満 :4.0%
- 200万円~300万円未満 :4.2%
- 300万円~400万円未満 :4.6%
- 400万円~500万円未満 :3.0%
- 500万円~700万円未満 :8.8%
- 700万円~1000万円未満 :4.8%
- 1000万円~1500万円未満:5.6%
- 1500万円~2000万円未満:5.8%
- 2000万円~3000万円未満:8.2%
- 3000万円以上 :16.1%
- 無回答 :1.2%
70歳代の貯蓄額の平均は1433万円で、中央値は485万円です。
平均値は一部の大きな値に引っ張られやすい傾向にあるため、実態よりも大きな値が出てしまうこともあります。
そのため、実態に近いのは中央値である485万円であるといえるでしょう。
金融資産非保有、つまり貯蓄ゼロの方が28.3%いますが、貯蓄額2000万円台は8.2%、3000万円以上は16.1%います。
5. 70歳代「二人以上世帯」の平均貯蓄額
- 金融資産非保有 :18.7%
- 100万円未満 :5.9%
- 100~200万円未満 :4.1%
- 200~300万円未満 :2.8%
- 300~400万円未満 :4.0%
- 400~500万円未満 :2.2%
- 500~700万円未満 :7.5%
- 700~1000万円未満 :6.5%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:7.1%
- 2000~3000万円未満:10.0%
- 3000万円以上 :18.3%
- 無回答 :2.7%
平均は1905万円、中央値は800万円となり、おひとりさま世帯よりも多くなりました。
また、3000万円以上の世帯は18.3%、貯蓄ゼロの世帯は18.7%と、ほぼ同数となりました。
3000万円以上の貯蓄を有していても、年金収入が少なければ住民税非課税世帯に該当します。
住民税非課税世帯となる高齢者が苦しい生活を強いられているかどうかまでは、判断できないということになります。
6. まとめにかえて
これまでの内容から、住民税非課税世帯は確かに高齢者が多くを占めています。70歳代の割合が顕著であり、収入の少ない高齢者にとってはやはり給付金が必要不可欠であることがわかりました。
70歳代の貯蓄額の中央値は単身世帯で485万円、二人以上世帯で800万円です。老後の資金としては十分とは言えませが、少しでも早くから老後資金を意識した計画をしておくことが大事ですね。
この状況を踏まえ、適切な貯蓄と支出の調整を行い、安心した老後生活をおくるための戦略を今から考えることがとても重要です。
現在のライフスタイルにあわせた無理のない計画が、老後資金を考える大きな一歩になります。
参考資料
- 東京都主税局「個人住民税(税金の種類)」
- 総務省「個人住民税」
- 大阪市「個人市・府民税が課税されない方」
- 内閣府「物価・賃金・生活総合対策本部(第8回)議事次第」2023年3月22日
- 板橋区「住民税 よくある質問」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
立野 力