2. 2024年度は2.7%増【65歳以上】厚生年金と国民年金はいくら?
一般的な年金受給開始年齢は65歳以上です。
厚生労働省によれば、2024年度の年金額は昨年度より2.7%の増額となります。
増額ときくと嬉しい気持ちになりますが、実は物価高ほどは上がっていません。
また、みんなの平均的な年金月額も気になりますよね。
老後の収入の柱となる年金額について、厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、見ていきましょう。
2.1 国民年金(老齢基礎年金)の受給額
- 〈全体〉平均年金月額:5万6316円
- 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
- 〈女性〉平均年金月額:5万4426円
2.2 厚生年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
国民年金は5万6316円、厚生年金は14万3973円が平均的な受給額でした。
夫婦の組み合わせや加入状況などにより家庭の年金額は異なりますが、上記から税金や社会保険料が天引きされたなかで生活することになります。
「年金だけでの生活は無理」と思われる方も少なくないでしょう。l
3. 【65歳以上】月の生活費の平均はいくら?収入と支出を見る
では、実際に65歳以上の生活費は月にいくらかかるのでしょうか。
総務省統計局の「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」より、「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の家計収支を見ていきます。
3.1 65歳以上・夫婦のみの無職世帯「月の生活費」
月の収入
収入:24万6237円(うち社会保障給付)22万418円
月の支出
- 消費支出:23万6696円
- 食料:6万7776円
- 住居:1万5578円
- 光熱・水道:2万2611円
- 家具・家具用品:1万371円
- 被服及び履物:5003円
- 保健医療:1万5681円
- 交通・通信:2万8878円
- 教育:3円
- その他:4万9430円
- 非消費支出:3万1812円
消費合計26万8508円
月の収支:▲2万2270円
上記を見ると、年金の平均額は約22万円、そこから非消費支出が約3万円引かれているため、約19万円で生活することになります。
リタイアしたといっても、車の維持費や友人、身内との付き合い、冠婚葬祭、趣味、旅行など何かとお金がかかるもの。
日本は季節によってかかる生活費も異なり、特に冬は電気代や灯油代、冬ものの布団や洋服、防寒弘通などお金がかかりますよね。
やはり年金だけでは生活できない方も多いでしょう。
4. 減る可能性がある公的年金。私的年金や貯蓄などで備えを
65歳以上のお金事情をみてきましたが、年金だけでの生活は厳しい家庭が多いでしょう。
少子高齢化の日本では、今後年金受給額が減る可能性もあります。
公的年金以外の備えとしては、私的年金や個人年金保険、預貯金、新NISAやiDeCo、その他の資産運用などが挙げられます。
ただいずれもメリット・デメリットがあるため、よく調べて自身に合ったもので備えることが大切です。
これを機に、家庭に合った老後対策について考えてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2022年(令和4年)平均結果-(二人以上の世帯)」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」
宮野 茉莉子