日経平均株価が上昇傾向にありますが、世の中は景気が良いという実感はなかなかわきません。

日経平均株価もどこまで上昇するかは分かりませんので、海外での運用も含めて、資産運用している方は適度にバランス良く、分散することも大事です。

また、老後の備えもしっかり考えておきましょう。今の年収や働き方は、老齢年金額に直結します。

では、「年収500万円で40年勤務」と「年収1000万円で20年勤務」ではどちらの年金が高くなるのでしょうか。

2月15日には今年最初の年金支給日が迫ります。年金について考えてみましょう。

1. 年収500万円で40年勤務と年収1000万円で20年勤務、老後の年金はどちらが多い?

年収500万円で40年間働く場合と、年収1000万円で20年間働いた場合の給与では、

  • 500万円 × 40年間 = 2億円
  • 1000万円 × 20年間 = 2億円


となり、生涯賃金は同じです。

しかし、老後の年金で考えると違ってきます。

2. 年金額を試算するのに必要な条件

年金額をシミュレーションするにあたり、いくつかの確認や条件を揃える必要があります。

2.1 そもそも年金の受給資格はあるのか

まずは、この年収や勤務年数の条件で、年金を受給できるか確認することが大切です。

現在では10年以上、国民年金や厚生年金などに加入していれば、65歳以降の老齢基礎年金を受給することができます。

その上で厚生年金に加入していれば、老齢厚生年金も上乗せして受給することができるのです。

今回のケースでは受給できるということになります。

2.2 年金額を計算するのに必要な条件

前述の条件で受け取れる年金として、AさんとBさんのケースで比較してみます。

前提条件としてどちらも独身とし、年収500万円で40年勤務し、20歳から60歳まで厚生年金に加入していた方をAさんとします。

また年収1000万円で20年勤務し、40歳になるまで国民年金は納付せず、40歳から60歳まで20年間厚生年金に加入した方をBさんとします。

計算が大変になるので、総報酬制(2003年4月以降)導入後の計算方法でおこない、Bさんは国民年金の免除は利用していなかったこととします。

給与額と賞与額のバランスによっては年金額も変わることがあるため、「収入」はそれぞれの給与額、賞与額として計算しています。

老齢基礎年金(国民年金部分)は、2024年度分(令和6年度分)が先日発表されましたので、その金額で計算します。

2024年度の老齢基礎年金の額

出所:厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成

老齢厚生年金は、報酬比例部分と同じ計算式で計算ですので、

平均標準報酬額 × 5.481 / 1000 × 2003年4月以降の厚生年金加入期間の月数

で算出します。ここでは年収で計算しますので、便宜的に

年収 × 5.481 / 1000 × 2003年4月以降の厚生年金加入期間の年数で計算します。