健康保険料に加え、介護保険料の納付義務が発生する40歳代。2024年度に40歳代を迎える方もいるでしょう。
勤め人であれば会社での立ち位置が変わりやすい年代でもあり、この時期から老後を強く意識しはじめる人は少なくないかもしれません。
人生100年時代の老後対策として、早めに取り掛かりたいのが「貯蓄」です。年金収入だけでは不足する可能性がある生活費や不測の事態に備えて、十分な資金を確保しておく必要があります。
今回は金融広報中央委員会の資料をもとに、40歳代・二人以上世帯の貯蓄額をみていきます。
1. 【40歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満は何パーセントか
40歳代・二人以上世帯で「貯蓄100万円未満」の割合はどれくらいなのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、40歳代・二人以上世帯の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【40歳代・二人以上世帯】貯蓄ゼロ(非保有)の割合
- 11.1%
1.2 【40歳代・二人以上世帯】貯蓄100万円未満の割合
- 37.2%
1.3 【40歳代・二人以上世帯】貯蓄額「平均」と「中央値」
- 平均:825万円
- 中央値:250万円
貯蓄100万円未満は約1割、貯蓄100万円未満でみると4割弱となりました。
意外にも「多い?」と感じた方もいるのではないでしょうか。
実は、貯蓄ゼロの二人以上世帯は、若い30歳代よりも40歳代・50歳代の方が多いのが特徴として挙げられます。
【平均値・中央値・金融資産非保有の割合】
- 20歳代:214万円・44万円・35.7%
- 30歳代:526万円・200万円・23.9%
- 40歳代:825万円・250万円・26.1%
- 50歳代:1253万円・350万円・24.4%
- 60歳代:1819万円・700万円・20.8%
- 70歳代:1905万円・800万円・18.7%
40歳代・50歳代は平均値・中央値では30歳代を上回っていますが、一方で金融資産非保有世帯の割合は30歳代より多くなっています。
子育てや教育費などが家計を圧迫し、貯蓄を減らす世帯が40歳代~50歳代で多くなる傾向があると推察されます。