『西郷どん』の視聴率は『篤姫』を超えるか

明治維新から150年目にあたる2018年のNHK大河ドラマは、明治維新で活躍した西郷隆盛が主人公の『西郷(せご)どん』です。2月4日に放送された第5回目の番組平均視聴率は15.5%(ビデオリサーチ調べ/関東地区、以下同)を記録し、番組最高を更新しています。

そこで気になるのが今後どこまで人気化するかですが、参考までに、2008年に放映され『西郷どん』と同様に薩摩(鹿児島)出身者が主役で明治維新を扱った大河ドラマ『篤姫』の実績を見ると、最高番組平均視聴率は29.2%、初回から最終回までの期間平均視聴率は24.5%でした。これはいずれも、昨年放映された『おんな城主直虎』までの10作品のなかで最高の記録です。

ちなみに、『篤姫』以降、明治維新の時代を扱った作品は『龍馬伝』(2010年、主演:福山雅治、主な舞台:土佐)、『八重の桜』(2013年、主演:綾瀬はるか、主な舞台:会津)、『花燃ゆ』(2015年、主演:井上真央、主な舞台:長州)の2作品がありましたが、薩摩が主な舞台となるのは10年ぶりということになります。

つまり、今回の『西郷どん』は、10年ぶりの“薩摩×明治維新”という組み合わせとなるわけです。このため、今後の人気化には期待が持てるのかもしれません。

『篤姫』が放映された2008年はどのような年だったか

視聴率も気になりますが、それ以上に気になるのは、10年ぶりという“薩摩×明治維新”のNHK大河が放映される2018年はどのような年になっていくのかということです。そのことを考えるために、簡単に『篤姫』が放映された2008年に何があったかを簡単に振り返ってみましょう。

まず政治ですが、当時の首相は9月までは福田康夫氏(総理大臣在任期間2007年9月26日~2008年9月24日)、その後は、麻生太郎氏(同2008年9月24日~2009年9月16日)です。

また、世相を表す流行語大賞には、40歳前後の女性を指す『アラフォー』と、タレントのエド・はるみのキャッチフレーズ『グ~!』が選ばれています。

さらに、主な出来事や事件としては「大相撲時津風部屋の力士暴行死事件で親方と兄弟子3人が逮捕」(2008年2月)、秋葉原無差別殺傷事件(6月)、iPhone 3Gの発売(7月)、北京五輪(8月)、そして忘れもしないリーマンショック(9月)がありました。

金融市場が大きく荒れた2008年

そうです。『篤姫』が放映された2008年はリーマンショック(金融危機)が起きた年だったのです。

では、2008年の株式市場はどのように推移したのでしょうか。

図1のように、『篤姫』の第1回が放映された年初に1万4,000円を超えていた日経平均は、年央には1万3,000円前後まで下落し、その後、9月のリーマンショックを経て10月27日に終値で年間安値の7,162円を付け、大納会は年初比約半値の8,859円で引けています。

図1:2008年の日経平均株価の推移

また、図2で示したようにリーマンショック以降、株式市場のボラティリティ(上下変動)は急速に高まり、10月から12月までの3か月間で日経平均が5%以上下落した日が12日間もありました。

年初来、安定した上昇相場が続いていた2018年の株式市場にも最近は激震が走り、2月6日の日経平均は一時5%強下落しましたが、このような日が頻繁に繰り返されたのが2008年後半の相場であったということになります。

図2:2008年日経平均株価の前日比騰落率推移

まとめ

このように、2008年は前半から下落基調が続き、その後大きく荒れた1年となりました。果たして2018年の『西郷どん』も金融危機の年のドラマとなってしまうのでしょうか。

そこで忘れてはならないことは、「リーマン後厳しくなった」という声がよく聞かれたように、株式市場は2008年10月に大底を打っても、実態経済のほうは2009年以降も低迷が続き、生活も厳しくなった人が増えたことです。つまり、金融危機の結果、時間差で実態経済が厳しさを増すことがありえるということです。

株式市場の行方を見通すことは困難ですが、これがリーマンショックのような大きな金融ショックの引き金にならないことを願いながら、久々の“薩摩×明治維新”の大河ドラマを楽しみたいと思います。

LIMO編集部