1971~1974年の間に生まれた方々は今年50~53歳を迎えます。この方々を団塊ジュニアといいますが、ご存知でしょうか。
団塊ジュニアの就職時期は1993年ごろから。ちょうど「就職氷河期」に重なることもあり、慎重で現実的な考え方をする人が多いといえます。
今回は、団塊ジュニアの、「年収・貯蓄」事情を探ってみましょう。
50歳代といえば、まもなく定年です。
老後に向けて、準備をするなら何を優先的に考えたらよいのか3つに絞って紹介します。
1. 団塊ジュニアの「年収・貯蓄」事情を確認してみよう
団塊ジュニアが含まれるお金事情を知るために、「年収」と「貯蓄」について見ていきます。
年収については、厚生労働省の「2022(令和4)年賃金構造基本統計調査」。
貯蓄については、金融広報中央委員会「2022年(令和4)年 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯][単身世帯]」のデータをそれぞれ参考にします。
2. 50歳代の平均年収はどれくらい?
50~54歳の男女をあわせた平均賃金は「36万4700円(年収437万6400円)」です。
男女別でみると、男性「41万900円(年収493万800円)」に対して女性は「27万9200円(年収335万400円)」となっています。
女性は男性にくらべ賃金が「約13万円(年収156万円)」と少なくなっています。
また、雇用形態別ごとの賃金をみてみると、男女あわせた正社員・正職員の平均賃金は「32万8000円(年収393万6000円)」ですが、正社員・正職員以外であれば「22万1300円(年収265万5600円)」となり、「10万7000円(年収128万4000円)」もの差があります。
3. 50歳代の貯蓄はどれくらい?
50歳代の単身・二人以上世帯の金融資産保有額は以下のとおりです。
3.1 単身世帯の金融資産保有額の割合(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有 :39.6%
- 100万円未満 :11.5%
- 100万~200万円未満 :5.5%
- 200万~300万未満 :4.4%
- 300万~400万円未満 :3.0%
- 400万~500万円未満 :1.9%
- 500万~700万円未満 :3.0%
- 700万~1000万円未満 :5.5%
- 1000万~1500万円未満:4.6%
- 1500万~2000万円未満:4.1%
- 2000万~3000万円未満:4.1%
- 3000万円以上 :9.6%
- 無回答 :3.3%
なお、平均は1048万円、中央値は53万円です。
次は、50歳代の二人以上世帯の貯蓄状況を確認してみましょう。
3.2 二人以上世帯の金融資産保有額の割合(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有 :24.4%
- 100万円未満 :9.3%
- 100~200万円未満 :5.8%
- 200~300万円未満 :4.2%
- 300~400万円未満 :5.1%
- 400~500万円未満 :3.2%
- 500~700万円未満 :5.0%
- 700~1000万円未満 :5.7%
- 1000~1500万円未満:8.8%
- 1500~2000万円未満:6.0%
- 2000~3000万円未満:7.2%
- 3000万円以上 :10.8%
- 無回答 :4.6%
なお、平均は1253万円、中央値は350万円です。
50歳代の「金融資産非保有」の世帯割合は、単身世帯であれば「39.6%」、二人以上世帯であれば「24.4%」という結果となりました。
単身世帯であれば2~3世帯中1世帯、二人以上世帯の場合は、4世帯中1世帯が金融資産を持たない世帯となっています。
一方、金融資産保有額が2000万円以上の割合は、単身世帯では「13.7%」、二人以上世帯であれば「18%」という結果です。
団塊ジュニアを含む50歳代は、定年後の生活が気になる時期です。
しかし、実際の状況を見ると、単身世帯・二人以上世帯の両方で、思うように老後資金の準備が進んでいない世帯も多いといえます。
4. 団塊ジュニアである50歳代が老後までに準備すべき3つのこと
次は、団塊ジュニアである50歳代が老後までに準備すべき3つのことを紹介します。
4.1 団塊ジュニアである50歳代の老後準備1:「ねんきん定期便」を確認する
「ねんきん定期便」は、毎年誕生月になったら送られてきます。
はがき形式のねんきん定期便が届いたら、裏面に記載されている「これまでの年金加入期間」をしっかりチェックしましょう。
「これまでの年金加入期間」では、今までの年金加入期間のうち、未納分がないかを確認できます。
たとえば、国民年金は、20~60歳まで40年間が加入期間と決まっていますが、大学生の20~22歳までの2年間、国民年金を納めていない期間があるかもしれません。
また、転職などで年金納付に空白期間があるという方もいるかもしれません。
将来もらう年金は、納付した分だけもらえます。
しかし、もし、保険料納付期間が40年よりも少ない場合は、将来もらえる年金が減額されてしまいます。
そうならないためにも、未納分がないか確認しましょう。
4.2 団塊ジュニアである50歳代の老後準備2:定年後を想定して手取りの7~8割で家計を収める
50歳代になると、中には役職手当などがつき、給料が多くなる人もいます。
そうなると、つい、相応にお金を使うようになり、知らずのうちに生活レベルがあがってしまうこともあるでしょう。
しかし、そう遠くない時期に定年を迎えます。
そうなれば、多くの場合、現役時代よりも年収は下がるでしょう。
生活が贅沢になっていると、レベルを下げるのに苦労します。
そうならないためにも、住宅ローンを含めた日々の生活のすべては手取りの7~8割で収めるよう家計管理をしましょう。
4.3 団塊ジュニアである50歳代の老後準備3:無理のない範囲で投資に取り組む
老後資金を少しでも増やしたい場合、普通預金や定期預金などで準備することもできますが、金利はほとんどつきません。
あまり効率的とはいえないのではないでしょうか。
毎月行う貯蓄額の一部だけでも、投資に取り組んでみてはどうでしょう。
たとえば、毎月2万円・3万円・4万円を15年間、仮に2%複利で運用した場合の結果は以下のとおりです。
- 毎月2万円(年間24万円)→419万円
- 毎月3万円(年間36万円)→629万円
- 毎月4万円(年間48万円)→839万円
50歳から始めれば、年金をもらい始める65歳までの15年間で、上記の結果が得られるかもしれません。
ただし投資にはリスクがあり、状況によってはお金が減ってしまう場合もありますので、慎重に行うことが大切です。
5. 団塊ジュニアが考えるこれからの老後
団塊ジュニアの中には、「将来が不安…」という方がいるかもしれません。
しかし、年金がもらえる65歳までには、まだ15年近くもあります。
その間を有効活用してできることから準備をはじめましょう。
収入と支出のバランスを取り、将来に向けた貯蓄を始めることで、気持ちが安定してくるはずです。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](平成19年以降)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年以降)」
舟本 美子