2023年12月に厚生労働省から公表された「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、国民年金の平均受給額は5万6316円、厚生年金は14万3973円でした。
年金受給額は加入していた年金や期間、厚生年金の場合には収入に応じて払った保険料により、将来の受給額が異なります。
そのため、夫婦の働き方によっても金額差があるもの。年金額が少ない場合、毎月貯蓄を切り崩すご家庭もあるでしょう。
一時期「老後2000万円問題」が話題になりましたが、では、現代の70歳代はどれくらい貯蓄を保有しているのでしょうか。
今回は金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、70歳代の貯蓄を確認します。
1. 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄1500万円以上~2000万円未満は何パーセントか
老後に2000万円必要なら、70歳代で貯蓄1500万円くらいあれば大丈夫と思われる方もいるでしょう。
70歳代・二人以上世帯で「貯蓄1500万円以上~2000万円未満」を達成している人はどれくらいいるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」より、70歳代の貯蓄事情を確認します(金融資産を保有していない世帯を含む)。
1.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄1500万円~2000万円未満の割合
- 7.1%
1.2 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄1500万円以上の割合
- 35.4%
1.3 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1905万円
- 中央値:800万円
貯蓄1500万円~2000万円未満は1割未満、貯蓄1500万円以上でみると約3割強となりました。
2. 【70歳代・二人以上世帯】貯蓄保有世帯のみの平均と中央値はいくらか
次に、同調査より貯蓄保有世帯のみの貯蓄額について見ていきましょう。
2.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄1500万円~2000万円未満の割合
- 8.8%
2.2 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄1500万円以上の割合
- 43.6%
2.3 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:2360万円
- 中央値:1200万円
貯蓄保有世帯のみの貯蓄額をみると、貯蓄1500万円以上は約4割となりました。
とはいえ貯蓄があっても、1500万円以上保有していない世帯の方が多いのが現実です。
貯蓄額の平均は2000万円を超え、中央値は1000万円を超えました。
3. 70~79歳の厚生年金と国民年金月額はいくらか
70歳代の年金月額についても、厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」から確認しましょう。
3.1 国民年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:国民年金5万7320円
- 71歳:国民年金5万7294円
- 72歳:国民年金5万7092円
- 73歳:国民年金5万6945円
- 74歳:国民年金5万6852円
- 75歳:国民年金5万6659円
- 76歳:国民年金5万6453円
- 77歳:国民年金5万6017円
- 78歳:国民年金5万5981円
- 79歳:国民年金5万5652円
国民年金の金額は5万5000~7000円台でした。
3.2 厚生年金の平均月額(70歳~79歳)
- 70歳:厚生年金14万1350円
- 71歳:厚生年金14万212円
- 72歳:厚生年金14万2013円
- 73歳:厚生年金14万5203円
- 74歳:厚生年金14万4865円
- 75歳:厚生年金14万4523円
- 76歳:厚生年金14万4407円
- 77歳:厚生年金14万6518円
- 78歳:厚生年金14万7166円
- 79歳:厚生年金14万8877円
※国民年金部分を含む
厚生年金をみると、14万~14万8000円台となっており、年齢により差が見られます。
上記はあくまで平均額です。夫婦の組み合わせでも「夫婦ともに厚生年金」「片方が厚生年金で片方が国民年金」「夫婦ともに国民年金」があり、またその受給額も差が大きいでしょう。
平均だけ見れば、厚生年金の夫婦であればあわせて月約28万円ですが、国民年金の夫婦であれば約10万円となります。
それだけ、老後資金で準備するべきお金には個人差があるということ。老後2000万円必要ない家庭もあれば、2000万円以上必要な家庭もあるでしょう。
ご自身についての年金受給予定額はねんきん定期便やねんきんネットで確認し、早めに老後資金準備をはじめましょう。
4. 先取り貯金や資産運用を利用して老後順位を
70歳代・二人以上世帯の貯蓄では、貯蓄が全くないという世帯もありました。
老後資金を着実に積み立てるためには、毎月の給料や収入から一定額を先に貯蓄し、残りの資金で生活していくのが効果的です。
先取り貯金にはさまざまな種類があり、預貯金だけでなく積立投資もその一つとなります。
また、2024年からスタートした新しいNISA制度の活用も検討したいところです。
貯蓄の一部に、新NISA制度を利用して積立投資をはじめるのも選択肢の一つとなるでしょう。自身に合った貯蓄の方法を検討してみてはいかがでしょうか。
4.1 【ご参考】70歳代・二人以上世帯の貯蓄額一覧表(金融資産を保有していない世帯を含む)
- 金融資産非保有:18.7%
- 100万円未満:5.9%
- 100~200万円未満:4.1%
- 200~300万円未満:2.8%
- 300~400万円未満:4.0%
- 400~500万円未満:2.2%
- 500~700万円未満:7.5%
- 700~1000万円未満:6.5%
- 1000~1500万円未満:10.3%
- 1500~2000万円未満:7.1%
- 2000~3000万円未満:10.0%
- 3000万円以上:18.3%


