キヤノン(7751)が2018年1月30日に発表した2017年12月期通期決算は、売上高が対前年同期比+20%増、営業利益が同+45%増、当社株主に帰属する四半期純利益(以下、純利益)が同+60%増となり、各利益は会社予想を下回った。
なお、営業利益から一時的な費用であるのれんの減損損失を除いた調整後営業利益は、同+60%増の 3,654 億円となり会社予想の3,500億円を上回っている。
ちなみに、のれん減損は、商業印刷事業において競争激化やトナー方式からインクジェット方式への技術潮流の変化に伴う開発費の増加等による一時的な収益性の低下を背景に行われているが、同社では今後も同事業に注力するとしている。
一方、2018年12月期会社予想については、売上高が同+5増、営業利益が同27%増、純利益が+16%増とされ、前期に続き2期連続の増収増益予想となっている。
なお、為替前提レートは1ドル110円(前期実績比2円円高)、1ユーロ130円(同3円円安)である。
今後は、オフィス関連製品、カメラ、半導体及び有機EL製造装置関連事業などの既存事業の回復の持続性や、前期に新規連結されたメディカル事業の中期的な成長見通しなどを注視していきたい。
LIMO編集部