2. 2024年に取り入れたい貯蓄方法
30歳代・40歳代・50歳代の平均貯蓄額を解説してきましたが、やはり大切なのは「ウチの貯蓄はどうする?」ということでしょう。
そこで、2024年という新しい年を迎えるにあたり、取り入れたい貯蓄方法を紹介します。
2.1 iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、公的年金に上乗せする私的年金のひとつです。
自分で決めた掛け金を毎月拠出し、定期預金や債権、投資信託といった金融商品を自分で選び運用して得た利益を、老後に掛け金とともに受け取ります。
iDeCoは3つの税制優遇措置に特徴があります。
掛け金は支払った全額が所得控除の対象になるため、年末調整や確定申告で申告すると所得税や住民税の支払い負担が軽減します。
また、一般的に投資で得た運用益には税金がかかりますが、iDeCoで得た利益には税金がかかりません。
ほかにも、受け取る際に、一時金で受け取る場合は「退職所得控除」が、年金で受け取る場合は「公的年金等控除」の対象になります。
ただし、投資商品のため運用次第では元本割れリスクなどがあることや、原則として60歳までは引き出せないことに注意しましょう。
2.2 新NISA「つみたて投資枠」
新NISAの「つみたて投資枠」は、毎月少額から始められる長期・積立・分散投資をサポートする制度です。
年間120万円、生涯1800万円(生涯投資枠は再利用可能)までの投資で得た運用益や分配金に税金がかかりません。
定期的に一定金額を自動購入するため、日々の値動きに一喜一憂することなく長期的な資産運用が可能です。
また、投資対象の金融商品は、金融庁が定めた一定の条件を満たしたものに限定されており、初心者に適しているといえるでしょう。
iDeCoとは異なり途中で引き出すこともできるので、まとまった資金が必要になったときなどに活用できます。
3. まとめにかえて
30歳代・40歳代・50歳代の平均貯蓄額は年齢が高くなる程高額になる傾向があります。
しかし、より実態に近い中央値は平均額と乖離しており、高額な貯蓄のある世帯と貯蓄がほとんどない世帯との間に差が生じていることがわかります。
世帯により必要な貯蓄金額は異なるため、ライフプランをたててまとまった資金が必要な時期に資金を充当できるよう、貯蓄について改めて考えてみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和4年)」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」
- iDeCo公式サイト|iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】
- 金融庁「つみたてNISA」
木内 菜穂子