業種によって女性の未婚率が異なる傾向に
未婚者と一括りにしても価値観や生き方はさまざまですが、仕事が忙しく婚期を逃したというケースは一昔前からありました。
仕事に充足感を抱いていたり、日々の業務に慌ただしくしていたりすると、恋をする時間がなかったり、結婚が後まわしになったりすることも珍しくないでしょう。
荒川和久著『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃 』(2017・PHP新書)では産業別男女の未婚率を明らかにしています。以下、同書より調査結果の一部を抜粋します。
・女性の未婚率が高い職業(正規)
・放送業(77%)
・新聞・出版・映像制作・広告制作業(50.1%)
・広告業(38.5%)
・情報サービス業(パッケージソフトウェア業・ゲームソフト業)(35.6%)
・電気・ガス・熱供給・水道業(32.2%)
・専門サービス業(法律・会計・デザイン業・著述家)(27.5%)・女性の未婚率が低い職業(正規)
・漁業(0%)
・学術・開発研究機関(3.1%)
・農業・林業(4.3%)
・社会保険・社会福祉・介護事業(10.1%)
・宿泊業・飲食サービス業(12.2%)
・医療業(病院・医院・歯科)(14.4%)引用:荒川和久著『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃 』(2017・PHP新書)64頁より抜粋
上記のように業種によって違いが見られ、女性の未婚率が高い職業はマスコミ関係やIT系、インフラ系、専門職など比較的高い給与を見込める職業が多い傾向にあります。
放送業や出版関連、デザイン業、著述家に従事されている方の中には仕事を趣味と重ね合わせているような方も多くいると考えられるでしょう。
一方で、女性の未婚率が低い職業は漁業や農業・林業といった地方エリアでの勤務になりやすい職業や、エッセンシャルワーカーが該当する傾向にあります。
生き方が多様化する社会へ
現代社会には数々の娯楽があり、スマートフォン1つあれば国内外を問わず共通する趣味をもつ仲間とつながれます。
そのため、恋愛をしたり、カップルで行動したりしなくても休日や余暇を誰かと楽しめます。
言い方を変えると、自分の好きなことや趣味に忙しく、結婚を考える余裕がない人も珍しくないでしょう。
また、人には向き不向きがあるため、ひとつ屋根の下で複数人で暮らすのが向いている人もいれば、自宅を自分だけの空間にしたいという人もいます。
結婚で得られる幸せもあれば、結婚しないからこそ得られる幸せもあるため、自分の価値観を大切にしながらも他者の価値観を否定しないことが大切かもしれませんね。
参考資料
- 「乃木坂46公式サイト」
- SHIBUYA109 lab.「Z世代の恋愛・結婚観に関する意識調査」
- 荒川和久『超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃 』(2017・PHP新書)
- 内閣府政策統括官(共生社会政策担当) 「結婚・家族形成に関する意識調査 報告書」
西田 梨紗