2023年9月27日、国税庁より「民間給与実態統計調査」が発表されました。

民間企業で働く人が2022年の1年間に得た平均給与は458万円(前年比+2.7%)。2年連続の増加です。

しかし、物価上昇のダメージの方が大きく、実際に給与アップにより家計が潤ったという世帯はそう多くないでしょう。

さて、現役世代だけでなく、老齢年金世代の収入源となる公的年金も増額しているのはご存じでしょうか。

2023年度の公的年金は、67歳以下の新規裁定者で2.2%、68歳以上の既裁定者で1.9%の増額となっています。

といっても、そもそも国民年金や厚生年金はどのくらい支給されているのかイメージできない、という人もいるでしょう。

本記事では、現在のシニア世代の国民年金と厚生年金の平均月額を厚生労働省の資料より眺めていきます。

1. おひとりさま男性は増加傾向。女性の約1.6倍に

内閣府の「令和4年版 少子化社会対策白書」によると、2020年時点の50歳時の未婚割合(45~49 歳の未婚率と 50~54 歳の未婚率の平均)は、「男性28.3%」「女性17.8%」でした。

1985年以降、50歳時点の未婚割合は右肩上がりに上昇しています。

男性は約3人に1人が未婚ということになりますね。

結婚に対する価値観、家族のあり方などが多様化している現代。おひとりさまで生きることを選択する人はこれからも増えていくと予想されています。

さて、時間もお金も誰かに縛られることがない「おひとりさま」が、真剣に考えておきたいのが「老後の生活」です。

人生100年時代ともいわれる長い老後を「おひとりさま」で生きる上で、力強い味方となるのが「お金」ではないでしょうか。

老後生活の「柱」となるのが公的年金と貯蓄ですが、最低限、公的年金だけではカバーできない生活費を補填できるほどの貯蓄を準備しておく必要があります。

できれば、「老後」がいつまで続くのか不明確であるため、貯蓄に厚みを持たせておきたいものです。

では、老後に向けてどれくらい貯蓄をすれば良いのか?

この答えを見つけるためには、まず公的年金をどれくらい受け取れるのかを想定する必要があります。

終身で受け取る公的年金の月額を把握した上で、ご自身の生活費や老後に必要となり得るその他の資金を想定する。これらを全てカバーできる金額が老後に向けて必要な貯蓄となるでしょう。

では、現在のシニア世代のおひとりさま男性の公的年金と生活費はどれくらいなのか。各種データをもとに覗いていきましょう。