2. 勤務先の退職金制度について確認を

一昔前は、定年退職時にまとまった退職金を一括で受け取り、住宅ローンを完済したり、老後資金に充てたりするのが一般的でした。

しかし、近年は、退職金制度の廃止や、制度として設けていない企業も増えているようです。

少し古い資料になりますが、厚生労働省の「平成30年就労条件総合調査」によると、退職給付(一時金や年金)がある企業は約80.5%でした。このうち、従業員数が1000人を超える企業は、9割が退職金制度を設けていますが、従業員数が30人~99人の企業になると約3割が退職金制度がないようです。

退職金制度がない場合、あるいは金額が十分でない場合には、ご自身で貯蓄をしていく必要があります。

退職金の有無や金額によって、老後の生活設計が大きく違ってきますので、現役のいまから、退職金制度について勤務先に就業規則や人事規則などで確認しておきましょう。

3. 60歳代「国民年金・厚生年金」シニアの平均年金月額

では、老後の収入の柱となる公的年金についてみていきましょう。

厚生労働省が公表した「令和3年度厚生年金・国民年金事業の概況」によると、60歳代の年金受給額の平均は以下の通りです。

3.1 国民年金の平均年金月額

  • 60~64歳:4万2512円
  • 65~69歳:5万7739円

※64歳未満の国民年金の受給権者は、繰上げ支給を選択した者