2. 60代世帯の「貯金」みんなの平均はどのくらいか

次に、60代世帯の貯金を見ていきたいと思います。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(令和2年(2020年))」から70代以上で二人以上世帯の貯蓄額を確認してみましょう。

2.1 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 平均値 1745万円
  • 中央値 875万円

中央値は貯蓄額が少ない順、あるいは多い順に並べたときに全体の真ん中にくる人の金額をいいます。

それに対し、平均値は、一部の極端に貯蓄が多い人の数値に引っ張られてしまいます。平均値より中央値の方を参考にしていただければと思います。

二人以上世帯では中央値は875万円という貯蓄額となりました。セカンドライフのスタート地点の貯蓄としては、心もとない貯蓄額かもしれませんね。
さらに同様の調査から60代単身世帯の貯蓄額を確認してみましょう。

2.2 金融資産保有額(金融資産を保有していない世帯を含む)

  • 平均値 1305万円
  • 中央値 300万円

単身世帯の貯蓄額の中央値は300万円となっており、これから年金生活スタートとなると、貯蓄にほぼ頼ることができない生活になってしまいそうです。

3. セカンドライフスタートまでに今から始めるべきこととは

今、多くの方が、年金だけで生活していけず、現役時代の貯蓄や退職金などを切り崩して生活されています。

切り崩す貯金がないとなれば、せっかく定年で忙しい仕事の日々から開放されたのもつかの間、日々金策に走り回る日々になってしまうかもしれません。

そうならないように、老後を迎えるまでにまだ時間があるという方は諦めずに老後のための貯蓄づくりに取り組んでいきましょう。

ここからは、老後資金作りをする上でのポイントを3つお伝えしていきます。

まず1つ目は、老後の必要資金額を計算することです。

計算式は、以下のとおりです。

毎月の年金額―老後の毎月の生活費=老後の毎月の赤字金額
毎月の赤字金額×12ヶ月×老後の年数=老後に必要な生活資金

自分一人では計算できそうにないという方は、お金のアドバイザーなどに一緒に計算してもらうとよいでしょう。

2つ目は、資産運用を取り入れることです。

資産運用を取り入れた場合、「お金が働いてくれる」と表現されるように、お持ちの資産が銀行預金などでは考えられない成長を遂げる可能性があります。

資産運用にもさまざまなものがあります。まずはどのような選択肢があり、自分に向いているのかをお金のアドバイザーに教えてもらいましょう。

3つ目は、老後資金の準備にできるだけ早く取り掛かるということです。

どの金融制度や金融商品を使おうか、いつから始めようかと悩んでいる間にも、どんどん老後までの時間は消費されていくものです。

老後までの長い時間を確保できればできるほど、尻上がりにお金が成長していく可能性が大きくなります。

いきなりアドバイザーに相談は敷居が高いという方は、まずは気軽に無料のセミナーに参加してみるところから始めるのもよいかもしれませんね。