毎月のお給料日、筆者は未だに少し気分が踊ります。特に8月は夏休み・帰省といつも以上にどう使おうか考えるのが楽しみでもあります。
現役世代の方は「お給料」ですが、リタイア後となると「年金」が毎月の収入源となる方は多いでしょう。
“将来の年金は期待できない”という声もよく耳にしますが、実際今のシニア世代がどれくらい年金をもらっているのか、実態を覗いてみましょう。
1.「国民年金・厚生年金」の仕組みをおさらい
年金制度はわたしたちの老後の生活を支える重要な制度です。まずはそのしくみの基本を確認しましょう。
国民年金は、20歳から60歳未満の日本に住む全ての人が加入する年金です。保険料は全員一律で年度ごとに見直しが行われます。
40年間(480カ月)全ての保険料を支払えば、老後に国民年金を満額受け取ることができます。
厚生年金は、主に会社員や公務員などの第2号保険者が加入する年金です。厚生年金の保険料は、毎月の給与や賞与などの報酬を元に計算されます。老後に受け取る年金は、納付保険料や年金加入期間によって決定する仕組みです。
2階建てで受け取れる場合と1階部分のみの場合では、受け取る年金額に差が出てしまうのがみてとれますね。
2. 厚生年金「月額平均20万円」は全体で何パーセント?
厚生労働省の「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均年金月額は14万3965円でした。
2.1 厚生年金保険(男女計)平均年金月額:14万3965円
平均年金月額:14万3965円
- 1万円未満:9万9642人
- 1万円以上~2万円未満:2万1099人
- 2万円以上~3万円未満:5万6394人
- 3万円以上~4万円未満:10万364人
- 4万円以上~5万円未満:11万1076人
- 5万円以上~6万円未満:16万3877人
- 6万円以上~7万円未満:41万6310人
- 7万円以上~8万円未満:70万7600人
- 8万円以上~9万円未満:93万7890人
- 9万円以上~10万円未満:113万5527人
- 10万円以上~11万円未満:113万5983人
- 11万円以上~12万円未満:103万7483人
- 12万円以上~13万円未満:94万5237人
- 13万円以上~14万円未満:91万8753人
- 14万円以上~15万円未満:93万9100人
- 15万円以上~16万円未満:97万1605人
- 16万円以上~17万円未満:101万5909人
- 17万円以上~18万円未満:104万2396人
- 18万円以上~19万円未満:100万5506人
- 19万円以上~20万円未満:91万7100人
- 20万円以上~21万円未満:77万5394人
- 21万円以上~22万円未満:59万3908人
- 22万円以上~23万円未満:40万9231人
- 23万円以上~24万円未満:27万4250人
- 24万円以上~25万円未満:18万1775人
- 25万円以上~26万円未満:11万4222人
- 26万円以上~27万円未満:6万8976人
- 27万円以上~28万円未満:3万9784人
- 28万円以上~29万円未満:1万9866人
- 29万円以上~30万円未満:9372人
- 30万円以上~:1万4816人
※上記金額には国民年金部分を含む。
厚生年金の男女全体の平均受給額は月額14万3965円ですが、ボリュームゾーンは「9万円以上~10万円未満」、「10万円以上~11万円未満」です。
「17万円以上~18万円未満」、「8万円以上~9万円未満」のゾーンも多いようです。
厚生年金を月額20万円以上受け取っている人は250万1594人。全体の1618万445人に対して15.4%です。
250万1594人÷1618万445人=15.4%
約85%の人は、老後の年金収入が20万円に満たないということになります。
今のシニア世代の女性は、結婚や出産を機に家庭に入る選択をする方が多かったようです。こういった背景もあり、現役時代の年金加入期間や報酬により年金額が決定する厚生年金は、男女差も顕著にあらわれています。