8月15日(火)は年金支給日です。

総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上・無職世帯の生活費はひと月あたり約15万5000円です。

今のシニア世代の方たちは、生活費を年金収入だけでカバーできているのでしょうか。

厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給月額は14万3965円です。「平均」では毎月1万円ほど赤字となるようですね。

厚生年金は現役時代の年収や加入期間によって年金受給額の個人差が大きいため、データを細かく見ていきましょう。

1.【厚生年金・国民年金】日本の年金制度をおさらい

日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金から成り立つ「2階建て」構造です。

老後の年金額は、現役時代に加入する年金の種類や保険料の納付状況によって決定します。

2階建て構造の1階「国民年金」と2階「厚生年金」では、仕組みが異なるため将来の年金受給額にも大きな開きが見られます。

まずは、年金制度の基本的な仕組みについて簡単におさらいしておきましょう。

1.1 「国民年金」:1階

「国民年金」は、原則、日本に住む20歳以上60歳未満の方が加入対象となります。

自営業や専業主婦・専業主夫の方は、40年間(480カ月)国民年金保険料を納めることで、将来、満額の国民年金を受け取ることができます。保険料は収入の有無や年収に関係なく、皆一律です。

1.2 「厚生年金」:2階

「厚生年金」は、主に会社員や公務員の方が加入対象となります。厚生年金の保険料は、毎月の給与や賞与に所定の率を乗じて決定されるため、収入が高い人ほど保険料が高くなる仕組みです(上限あり)。

将来受け取る年金額は、納付保険料や加入期間によって決まるため、現役時代の働き方や収入が大きく影響します。