人生100年時代と言われるようになって久しいですが、相反するように公的年金の運営は不安を増すばかりです。
多数の老後世代を少数の若者世代で支える制度を維持するには、年金の金額そのものを減らすしかないのかもしれません。
次回の年金支給は8月15日となりますが、年金以外に老後生活を支える「労働」を行う場合、シニア世代が得られる給与はどの程度なのでしょうか。
詳細を確認してみましょう。
1. 70歳代の給与は平均いくらか
まずは70歳代の給与収入について、公的資料から見ていきます。
1.1 70歳代の平均給与
70歳代で給与を得ている人たちの平均額は、いくらくらいなのでしょうか。
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査の内容をもとに確認してみました。
- 70歳代男性 24万5900円
- 70歳代女性 21万7800円
70歳代の平均月収は23万8100円で、平均年収は285万7200円(男性295万800円、女性261万3600円)でした。
70歳代で働き口がある人たちは、平均的な現役世代と遜色ない程度の給与を得ているようです。
さらに掘り下げて正社員と非正規、それぞれの平均月収も確認しておきましょう。
1.2 70歳代(正社員)の平均給与
70歳代で正社員の人たちの平均月収は次のとおりです。
- 男性 27万7600円
- 女性 25万9800円
平均月収は27万2900円、平均年収は年収327万4800円です。
現在、多くの企業では、60歳定年で65歳まで非正規再雇用の流れが一般的であることを考えると、70歳代の正社員雇用は特殊なケースです。
正社員以外の平均月収も確認しておきましょう。
1.3 70歳代(正社員以外)の平均給与
非正規雇用の人たちの平均給与は次のとおりです。
- 男性 20万9500円
- 女性 17万7300円
平均月収は20万円、平均年収は240万円でした。
アルバイトやパート、自営業が含まれると想定されますが、年金と合算すると、ある程度ゆとりある生活ができるだけの収入は確保できそうです。
2. 70歳代の一般的な年金の受給月額
次は平均的な年金の受給金額をピックアップし、一覧表にまとめてみました。
2.1 厚生年金の平均受給月額
2.2 国民年金の平均受給月額
70歳代で厚生年金保険に加入している場合や、ひと月の給与と老齢厚生年金の合計額が48万円を超える場合、特別支給の老齢厚生年金または老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となります。
年金の支給停止要件は細かい計算式にて成り立っていますが、70歳代で平均的な給与を得ている人は、年金を貰いつつ給与も得ることができます。
給与の金額によっては受給開始年齢を繰り下げるなど、選択肢が増える点もメリットの一つです。
また、厚生年金保険へ加入し続けると、将来の年金受給額を増やすこともできます。
70歳まで厚生年金に加入し続けるメリットは大きいです。
3. 70歳代の労働形態とは
前述のシニア収入の調査結果を見ると、老後資金の不安は労働で案外サポートできるのでは?と考える方も多いのではないでしょうか。
非正規でも20万円近くの月収が得られると、老後の生活資金の不安は解消されるかもしれません。
社会との接点も得られるため、労働の選択肢は残しておきたいところです。
では、70歳代が活躍できる職種にはどのようなものがあるのでしょうか。
求人から確認できる主な仕事は、次の3つでした。
- マンション管理人
- 警備員
- 介護
厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の会社におけるマンション管理人の給与は、70歳以上で平均18万2900円となっています。
また、70歳以上の警備員の年収は約211万円でした。
地域差もありますが、もらえる給料の金額次第では、年金受給年齢を繰り下げすることもできそうです。
将来のことはわかりませんが、今後もしシニア向けの仕事が増えることになれば、老後の生活資金問題の一助となるのではないでしょうか。
老後に向けた生活資金の用意とともに、シニア世代になっても労働できるだけの体力維持も心がけておきたいところです。
4. 70歳代でもある程度の給与収入を確保できる
厚生労働省の令和4年賃金構造基本統計調査によると、70歳代の平均給与は非正規雇用でも、平均20万円、年収240万円となっています。
浪費しない生活を心がけていると、給与だけでも生活できそうです。
公的年金の運用不安ばかりに目がいきがちですが、シニア労働は老後の生活資金のサポートや社会接点の維持を考えても、良い選択肢となるでしょう。
資産形成もさることながら、シニア労働ができるだけの体力維持にも努めておきたいところです。


