もうすぐお中元の季節がやってきますが、関西と関東では時期やしきたりに若干の違いがあります。

その他、お盆の過ごし方やおせち料理の内容、ひな祭りで飾る雛人形など、日本には地域ごとに違いがある事柄がたくさんあります。結婚事情も、そのうちの1つです。

地域差があり、相手方の家族との擦り合わせに苦労したり、自分が知らない風習を聞かされて焦ったりした経験がある方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、関西でよく見られる結婚の風習「おため」について紹介します。

実際は細かい地域や家庭ごとに異なるケースがあるため、「関西にはこんな風習があるんだなぁ」という感覚で気軽に読んでみてください。

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関西の結婚風習「おため」に戸惑った20代女性の体験談

「おため」の風習に戸惑った経験がある、京都府在住の20代女性Oさんにインタビューしました。まずは、伺った話の内容を紹介します。

―「おため」の風習に戸惑った経験があると伺いましたが、具体的にどのようなことが起こったのですか?

―Oさん
結婚が決まり、職場と親戚に少しずつ報告を進めていた時のことです。近所に住む祖父から、「おためのことは知っているか?」と聞かれました。

実は私は母が既に他界していて、お祝い事の風習には疎かったんです。祖父に「おため」の風習を聞いてあわてて半紙やのしを用意していたら、本当に親戚が家までお祝い(現金)を持ってきてくれました。

―それはヒヤッとする出来事でしたね。旦那さんは「おため」の風習をご存知だったのですか?

―Oさん
知らなかったら恥をかいていたかもしれません。夫も私と同じ関西圏の出身です。

京都ではないのですが同じく「おため」の風習があり、夫の方は両親が対応してくれたそうです。

―いきなり大切な風習を教えられると慌ててしまいますよね。

なにはともあれ、無事に結婚の挨拶とお返しを終えられてよかったです。

関西で残る結婚の「おため」とは?

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「おため」とは、祝い金を頂いたとき、頂いた金額の1割を半紙に添え、相手にお返しする風習のことです。地域や家庭によっては、「おうつり」と呼ぶところもあります。

また、結婚祝いのお返しとして渡すときは「夫婦紙(めおとがみ)」と言うことも。1割の金額をお返しする理由は、相手の交通費に充ててもらうための意味合いが含まれてるとも言われています。