2023年度から支払われる年金額は、3年ぶりにプラスに引き上げられます。

2022年度の受給額と比べると、夫婦で月額約5000円の増額です。

標準夫婦の目安は22万円を超える結果となりましたが、厚生年金で老後の生活費はいくら不足するのでしょうか。

本記事は、2023年6月から支払われる厚生年金の受給額と、老後の生活費にいくら不足が生じるのかについて解説します。

1. 厚生年金の支給額は6月分からいくら?

6月から支払われる厚生年金の支給額は、夫婦2人分の標準的な金額で22万4482円となりました。

出所:日本年金機構「令和5年4月分からの年金額等について」

標準的な金額とは、賞与を含めた月額換算の平均報酬月額が43万9000円で、40年間就業した場合の給付水準です。

2022年度の支給額は21万9593円でした。

そのため、月額では4889円増額となります。

約5000円の増額とはいえ、加入期間や収入によって給付額もさまざまです。

実際に男女別に厚生年金の年金月額を確認してみましょう。

※本記事の厚生年金の金額には、国民年金の金額も含まれています。

2. 男女別にみる厚生年金の平均年金月額は?

厚生労働省は、2022年12月に「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 」を発表しました。

厚生年金の受給権者を男女別にみると、男性の平均年金月額は16万3380円、女性は10万4686円となっています。

出所:厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 」

金額別に受給権者数を見ると、男性は「17~18万円」が約96万5000人で最も多く、女性は「9~10万円」の約85万1000人が最も多いです。

夫婦共働きだと、受け取る厚生年金は「26~28万円」になる世帯がボリュームゾーンだといえるでしょう。

では、実際に厚生年金しか収入がない場合だと、老後の生活費がいくら不足するのか見ていきましょう。