日本に初めてLCC(格安航空会社)が就航したのは今から10年前の2007年、ジェットスター航空(シドニー~関空路線)でした。5年前の2012年には国内LCCであるピーチ・アビエーションやジェットスター・ジャパン、バニラ・エア(旧エアアジア・ジャパン)が相次ぎ参入し「LCC元年」などとも言われました。

今やLCCの認知度はずいぶん高まってきたように感じられますが、実際にLCCを利用したことがある人となると、どのくらいいるのでしょうか。

LCC利用経験者は24.6%、5年で3.8倍に増加。魅力はやはり料金?

今回は、マクロミルが2017年9月14日に発表したアンケート「日本就航から10年、LCCの利用率は25%へ」の結果から見ていきましょう。これは同社がLCCの利用状況について、1都3県(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)在住の20~69歳男女を対象にインターネットで調査を行ったものです(サンプル数2,066)。

まず、LCCの利用経験について「利用したことがある」と回答したのは24.6%でした。回答者のほぼ4人に1人が利用したことがあるという結果です。ちなみに2012年に実施した同様の調査における利用経験率は6.5%だったということですから、5年間で3.8倍に増加したことになります。

LCCの利用経験 n=2,066(2017年)、n=1,000(2012年)(マクロミル調べ)

ちなみに、利用経験者のうち76.0%が航空会社を選ぶときのポイントとして「料金」を挙げています。利用経験のない人で「料金」と回答した人(64.8%)に比べると11.2ポイント高くなっており、利用する人はやはりLCCの安さに魅力を感じているといえそうです。

なお、年代・性別ごとに見てみると、利用経験が最も多いのは20代女性(41.9%)、最も少なかったのは60代女性(13.0%)でした。男女ともに年代が高くなるほど利用経験が低くなる傾向にあったようです。

LCC利用経験者の高い満足度の一方、未経験者の過半数は「利用したくない」!?

この調査でLCCを利用したことがあると回答した人(509名)にLCCの満足度をたずねたところ、「非常に満足している」という回答が16.7%、「やや満足している」という回答が65.4%となりました。この2つの回答を合わせると実に8割以上の人が満足していることがわかります。

利用回数(片道=1回とカウント)についても、1回のみの利用(24.4%)、2~3回の利用(38.9%)、4~5回の利用(16.1%)、6回以上の利用(20.6%)となっており、複数回の利用経験が見て取れます。また、今後の利用意向についても「利用したい」(37.5%)、「やや利用したい」(46.0%)となっており、8割以上の人にリピート意向があるようです。

ただ、その一方でLCC利用未経験者(1,557名)に今後の利用意向をたずねると「あまり利用したくない」(35.9%)、「利用したくない」(14.7%)という2つの回答が過半数を占め、利用未経験者はLCCの利用に関してあまり積極的ではないという結果も明らかになりました。

LCCの今後の利用意向 n=2,066 (マクロミル調べ)

この調査では、航空会社を選ぶときのポイントとして「安全性」を挙げた人がLCC利用経験者(46.2%)に比べて利用未経験者(57.8%)で多く、11.6ポイントの差が見られたことも指摘されています。ただ、一度LCCを利用した人はリピーターになる傾向が高いという先の結果とあわせて見ると、初回が一つのハードルになっているということがいえそうです。

まとめ

いかがでしたか。これからも若い世代を中心にLCCの利用は増えていきそうです。また、LCC各社がしのぎを削る中、9月1日からはバニラ・エアが国内LCCで初めてポイントプログラムをスタートしています。こうした動きが広がれば、利用してみようと考える人はさらに増えていくかもしれませんね。

出所:日本就航から10年、LCCの利用率は25%へ(マクロミル調べ)

LIMO編集部