東京都は2023年5月15日にホームページを更新し、都内の住宅への助成について2023年度分の受付を4月3日より開始していることを公表しています。

東京ゼロエミ住宅を対象としており、太陽光発電設備や蓄電池などの設置の助成を行います。

昨今では光熱費の高騰が続き、注文住宅等でこうした設備を検討している方も多いのではないでしょうか。

一方で、注文住宅を建てるには間取りや設備、グレードなど他にもさまざまなことを決めなければならず、多くの人が悩むものです。

注文住宅を建てて後悔しないためには、事前に情報収集を入念にしておくことが非常に重要です。

また、これまでに注文住宅を建てた人が、どのようなことで後悔したのかを知ることで、家づくりに活かせることもあるでしょう。

この記事では、静岡県で2900万円の注文住宅を建てたご夫婦に、注文住宅で後悔したこと5選をお話いただきました。

これから注文住宅を建てる人はぜひ参考にしてみてください。

注文住宅の後悔1. 階段の段差が高かった

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静岡県で2900万円の注文住宅を建てたご夫婦が、まず1つ目として挙げられた後悔の体験談は、玄関までの階段でした。

「前面道路から玄関までの階段の段差が高く、上り下りに注意しないといけません。これから高齢になるとさらに大変だと思うので、もう少し段差の高さや安全面などを考えれば良かったです」とご夫婦は言います。

階段の上り下りは、高齢になると体に負担がかかりやすくなります。

また、車いすを使用する場合は階段を通行することが難しいでしょう。

階段を設置する際は、高齢時のことも考慮して、手すりやスロープの併設なども検討すると良いでしょう。

注文住宅の後悔2. 収納スペースが少なかった

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「1階の収納スペースが極端に少ないので、パントリーや掃除道具が収納できるスペースを確保すれば良かったです」とご夫婦は言います。

生活していくと家具や家電など物が増えていきます。

収納スペースが少ないと、生活スペースが物であふれる事態になりかねません。

収納スペースを決める際は、以下の点を参考にしてみてください。

  • 収納したい物のサイズを測っておく
  • 生活動線を考慮した位置に収納スペースを作る
  • 階段下やロフト収納などスペースを有効に活用する
  • 使用頻度が高い物は取り出しやすい位置・高さに収納する
  • 収納スペースにゆとりを持たせる

注文住宅の後悔3. 浴室の窓を開けられなくなった

「常に浴室の換気ができるように大きな窓を設置したのですが、隣に新しい家が思ったよりも近くに建ってしまい、窓を開ける機会が無くなってしまいました」とご夫婦は言います。

注文住宅を設計するうえで周辺環境は重要なポイントです。

設計の段階で隣地が更地や空き家の場合でも、実際に住んでから新しく家やマンションが建つなど周辺環境が大きく変わる可能性があります。

周辺環境に依存しない間取りや配置を考えることで、ご夫婦のような後悔をする可能性は減らせるでしょう。

注文住宅の後悔4. 浴室の位置が悪かった

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「浴室の位置を玄関の横にしてしまいました。来客があると入りにくいので、もう少しプライバシーが守れるように工夫をすれば良かったです」とご夫婦は言います。

浴室が玄関の近くにあれば、子どもが帰宅後すぐにお風呂に直行できるなどのメリットがありますが、ご夫婦のお話のように来客時には使いにくくなります。

気になる人は、浴室を玄関から遠ざけるか、玄関からの視界に入らずに浴室まで行けるような動線にするなど対策しておきましょう。

注文住宅の後悔5. コストダウンが快適性を損なうことに

「費用を抑えるために2階の室内ドアのグレードを下げたのですが、中が空洞のようになっており、外気の遮断がうまく機能しておらず、音もれがひどかったです。費用を抑えずに高いグレードの物を設置すれば良かったです」とご夫婦は言います。

国土交通省が2022年3月に公表した「令和3年度住宅市場動向調査報告書」によると、土地購入資金を除いた注文住宅の住宅建築資金は全国平均で3459万円、三大都市圏では平均で3843万円でした。

注文住宅を建てるには多大なコストがかかるため、なるべくコストダウンをしたいと考える人も多いでしょう。

しかし、断熱性や耐震性、遮音性などのグレードをコストダウンによって大きく下げると、後悔する可能性が高くなります。

コストダウンを考える場合は、快適性を損なう心配が少ない以下のような方法を検討するのがおすすめです。

  • 照明やエアコンを自分で手配する
  • 窓のサイズや数を変更する
  • 間取りをシンプルにする
  • 水回りをなるべくまとめる
  • オプション品を見直す

注文住宅とはいえすべての設備を発注する必要はありません。

自分で用意したり設置したりすることが可能な物は、自分ですることでコストダウンにつながります。

また、水回りをなるべくまとめて配置することで、排水管の工事費などが抑えられます。

シンプルな設計の方が費用はかからないため、間取りや配置を見直してみるのも良いでしょう。

注文住宅を検討するときは

静岡県で2900万円の注文住宅を建てたご夫婦の、後悔したこと5選を紹介しました。

注文住宅の設計には正解がなく、住む人が快適に暮らせるかどうかが重要です。

今回お話をうかがったご夫婦の後悔をふまえて、家族が快適に暮らせる理想の注文住宅を建てましょう。

参考資料