株式市場では業種別(セクター別)株価指数動向を見ていくと、株式市場動向をさらに深く理解することができる。ここでは東証33業種に関して1週間(2017年8月25日から8月31日)の株価動向を振り返る。
業種別振り返り-地政学リスクが意識された1週間
今週は、医薬品株、鉄鋼株、卸売業株など30業種が上昇。
英アストラゼネカが買収提案をしていたとの一部報道を受け、第一三共(4568)が年初来高値を更新。
また、今秋の共産党大会に向けて財政出動が拡大し、公共事業の増加で景気が底上げされるとの思惑から、新日鐵住金(5401)、ジェイ エフ イー ホールディングス(5411)などの鉄鋼株も値を上げた。さらに、中国向けの投資事業が好調な伊藤忠商事(8001)も買われた。
一方、石油・石炭製品株、鉱業株など3業種が下落。
米WTI原油先物安を嫌気され、JXTGホールディングス(5020)や昭和シェル石油(5002)などの石油・石炭製品株、および国際石油開発帝石(1605)、石油資源開発(1662)などの鉱業株は冴えなかった。
今後のマーケット見通しの注目点
今週は北朝鮮のミサイル発射を受け、円高・ドル安に振れる場面があるなど、値動きの荒い相場展開となった。
一方、米国の主要経済指標が軒並み市場予想を上回ったため米連邦準備理事会(FRB)が利上げするとの思惑も浮上。米長期金利が一時2.15%に上昇したことから1ドル/110円台の円安・ドル高となり、東京株式市場でも主力大型株が買われる場面が目立った。
こうした中、来週以降は相次ぐIPO銘柄を中心に投資家の関心が高まる相場展開となりそうだ。