年金は2ヶ月ごとに偶数月の支払いとなるため、5月は年金支給がありません。
4月は2022年度分の最後の年金支給月でしたが、年金からも天引きされるお金があることをご存知でしょうか。
年金受給者の方だけでなく、これから年金を受給される方もぜひ確認してみてください。
私もいろいろなお金の相談を受けていますが、年金を受け取っている方は、手取り額、口座への振り込み額だけをみられている方が多いですね。
人によって受け取っている年金は違いますが、多くの方は、会社員だった方は老齢厚生年金と老齢基礎年金を受け取っています。
そもそもどんな年金をどのくらいもらっているのか、また何が天引きされているのか、確認しましょう。
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1. 厚生年金と国民年金「自分はどんな年金をもらっているのか?」
一般的に65歳以上の方は、年金を受給されていますが、老後以外にも年金を受給されている方がいらっしゃいます。
加入している年金制度と状況に応じて、上記のようにもらえる年金が異なります。
また、加入期間や保険料の支払い状況、給与や賞与の額、他の収入に応じて受け取れる年金額も違います。
今回は、会社員の多くの方がもらえる「老齢厚生年金と老齢基礎年金」にフォーカスをあて、解説を進めます。
遺族年金や障害年金は、そもそもが非課税の年金なので、遺族(厚生・基礎)年金や障害(厚生・基礎)年金だけをもらっている方は、所得税や住民税がかからないのですが、他の収入がある場合、合算した所得で計算されますので、税や社会保険料がかかることもあります。
2. 年金額を確認する方法
まずは受給している年金が何の年金なのかを確認してみましょう。
公的年金を受給している方は、年金額が改定される時や毎年6月頃に送られてくる振込通知書を確認してみてください。
1つだけの年金の方もいれば、2つや3つの方もいらっしゃいます。
「老齢厚生年金と老齢基礎年金」の方や、「遺族厚生年金と老齢厚生年金と老齢基礎年金」の方など、人それぞれもらっている公的年金は違います。
公的年金の口座への振込額は大事なことですが、どんな年金をどのくらいもらっているか、そして、そこから何が控除されているか、確認しましょう。
3. 年金からどんなお金が控除される?
公的年金から控除されているものは、意外とたくさんあります。
3.1 所得税(復興特別所得税含む)
一定の所得があると、所得税や住民税が課税されます。
ちなみに所得は収入とは違います。収入からは控除される額があり、所得税の場合は公的年金等の控除があります(年齢や他の所得にも影響されます)。
例えば、66歳で年金額240万円を受給している場合、65歳以上の2段目に該当します。
- 240万円 ー 110万円 = 130万円
- 130万円 ー (社会保険料控除や生命保険料控除、基礎控除の合計) = ○○
この○○の金額に 5.105%をかけたものが、所得税や復興特別所得税として源泉徴収されています。
3.2 住民税
住民税は前年の所得によって計算されます。
所得税とは所得控除(基礎控除や生命保険料控除など)の金額が違いますが、税率は所得に関係なく10%となっています。
3.3 国民健康保険料(税)や後期高齢者医療保険
勤務先の健康保険に加入されている方や、家族の社会保険上の扶養になっている方以外は国民健康保険に加入します。
また原則として75歳以上になると、後期高齢者医療保険に加入します。
住んでいる地域によって異なりますが、基礎課税(賦課)分、後期高齢者支援金等課税(賦課)分それぞれに所得割と均等割で課税され、年金から天引きされます。
3.4 介護保険料
65歳以上である介護保険の第1号被保険者の方は、住所地の介護保険条例で決められた保険料を納付します。
金額は、その年の住民税の課税状況により区分されています。
4. 年金から天引きされるお金のまとめ
公的年金を受給する際は、口座への振込金額は確認するものの内訳まで確認する方は少ないでしょう。
しかし、所得税や住民税、国民健康保険や介護保険など様々なものが控除されています。
現役時代にも社会保険料、所得税や住民税などが天引きされていましたが、老後の公的年金も同じように天引きされるのです。
現役時代に比べて収入や所得が減ってしまったので、税金や保険料などの支払いが大変になってきたということは、よく聞きます。
現役世代の方でも、「ねんきん定期便」を見ている方は少ないかもしれませんが、将来もらう予定の年金からも、老後に天引きされるものがあります。
もちろん現役世代よりも金額の負担は少なくなるケースがほとんどですが、しっかりと引かれます。
また全世代に言えることですが、高齢者の方が増え社会保障費が増えているため、社会保険料や所得税や住民税などの税金の負担が増えていることは仕方のないことです。
これらを支払わないということはできませんが、健康でいることが個人での負担を増やさないことにつながるのではないでしょうか。
参考資料
香月 和政