2.【富裕層】日本は世界NO.2

日本における「富裕層」の割合はごく少数でした。しかし、世界的に見ると日本はニューヨークに次いで2番目に富裕層が多い国となります。

イギリスに本社を置くヘンリー・アンド・パートナーズは、世界9エリアの97都市を対象に「100万米ドル(2023年5月2日時点のレートで円換算すると約1億3700万円)以上の投資可能な純資産を持つ富裕層の人口数を、都市ごとにカウントしました。この結果をランキングして公表した「World’s Wealthiest Cities Report 2023」によると、東京(日本)が2位にランクインしています。

ちなみに、上位10都市は以下の通りです。

  • 1位 ニューヨーク(34万人)
  • 2位 東京(29万300人)
  • 3位 カリフォルニア州ベイエリア(28万5000人)
  • 4位 ロンドン(25万8000人)
  • 5位 シンガポール(24万100人)
  • 6位 ロサンゼルス(20万5400人)
  • 7位 香港(12万9500人)
  • 8位 北京(12万8200人)
  • 9位 上海(12万7200人)
  • 10位 シドニー(12万6900人)

世界的にみても日本の富裕層が多いのはなぜでしょうか。

日本で富裕層が増えている要因を探るため、「1億円以上の資産家たち(ここでは富裕層と超富裕層)」が保有する資産総額の動きを確認していきましょう。

2.1 【富裕層】億超え資産家はなぜ増加傾向にあるのか

野村総合研究所の調査によると、純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数は以下のように推移しています。

出所:野村総合研究所「日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

「富裕層」と「超富裕層」の純金融資産保有額は、2019年(333兆円)から2021年(364兆円)の間に31兆円、2005年からだと151兆円も増えています。その要因の一つとして考えられるのが、株式などの資産価値の上昇です。富裕層・超富裕層の方々が預貯金だけでなく、株式などのリスク資産も一定数保有していることも読み取れますね。

富裕層や超富裕層の純金融資産保有額が増加していることの他にもう1点着目して頂きたいのが世帯数の増加です。

2015年以降から2021年にかけて、「準富裕層」「富裕層」「超富裕層」の世帯数が増加し続けています。純金融資産保有額が増加したことにより、階層が繰り上がっていると考えられるでしょう。

5000万円以上1億円未満の純金融資産を保有する「準富裕層」も、一定数、資産運用をしていることがうかがえます。