独特のアクセントや言い回しが「かわいい」「親しみやすい」と人気の関西弁。
テレビやSNSで関西弁を話す人を見かける機会が増えるのに伴い、関西以外の地域で関西弁っぽい言葉を耳にすることも増えてきました。
なかには、「自分の推し(好きな芸能人、インフルエンサー、キャラクターなど)が関西出身で関西弁を話すから、自分も喋れるようになりたい!」と練習する人もいるようですよ。
そこで今回は、バリバリの関西人あるあるの1つ、話すときに語尾を伸ばしがちなことを紹介します。
本場の関西弁にさらに一歩近づけると思うので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
関西弁は一音節の言葉の母音を伸ばして二音節にすることが多い!?
バリバリの関西人が話す関西弁には、とある法則のようなものがあります。
それは、一音節の言葉の母音を伸ばして、二音節にすること。
一音節の言葉とは、簡単に言うとひらがな一文字で表現できる言葉や、「きゃ」「きゅ」「きょ」のように小さな「ゃ」「ゅ」「ょ」が付くものを指します。
例えば、「手」「絵」「二」などが一音節の言葉に該当します。
関西弁では、これら一音節の言葉を二音節として発音することが多いのです。
そのため、先ほど挙げた言葉は関西弁だと以下のように発音することになります。
- 手:「て」→「てえ」
- 絵:「え」→「ええ」
- 二:「二」→「にい」
言葉によってイントネーションも異なるので、以下の見出しでさらに詳しく見ていきましょう。
●語尾が上がる言葉
まず紹介するのは、語尾が上がる言葉です。
例えば「手(て)」だと、「て(→)え(↑)」のように発音します。
語尾が上がる言葉は、他にも以下のようなものがあります。
- 目
- 絵
- 字
- 酢
- 二
●語尾が下がる言葉
語尾が上がる言葉があれば、もちろん語尾が下がる言葉もあります。
語尾が下がる言葉として例に挙げられるのは、「歯」です。
「は」を「は(→)あ(↓)」と発音します。
語尾が下がる言葉も、まだまだありますよ。
- 毛
- 背
●同じ高さが続く言葉
語尾が上がったり下がったりせず、同じ高さが続く言葉もあります。
夏の大敵である「蚊」も、同じ高さが続く言葉の1つです。
「蚊」は関西弁だと、「か(→)あ(→)」と発音します。
また、以下のような言葉も同じ高さが続きますよ。
- 血
- 胃
一音節以外の言葉だと短くなることも
関西弁では、一音節の言葉は語尾を伸ばして二音節になると紹介しました。
それでは、一音節以外の言葉はどうなるのでしょうか?
実は、一音節以外の言葉は短くなるケースもあります。
特に「行こう」「見よう」「飲もう」など、相手を何かに誘うときに使うフレーズでよく耳にします。
関西弁だと、先ほど紹介した言葉は以下のように省略されることがあるのです。
- 行こう→行こ
- 見よう→見よ
- 飲もう→飲も
「あそこのお店行こ!」「一緒に映画見よ!」と言われるとなんだか親しみを感じて、つい誘いに応じたくなりますね。
ほかにも、「暑くなってきたね」が「暑なってきたな」、「構わないよ」が「かまへんで」など、短くなる言葉は本当にたくさんあります。
とにかく聞いて覚えるしかない!?関西弁の伸ばし言葉
今回は、関西弁では一音節の言葉の語尾を伸ばして、二音節で発音することを紹介しました。
言葉によってイントネーションが変わるため、覚えるのは大変そうですね。
しかも、同じ関西圏でも地域ごとに発音が違っていたり、バリバリの関西人はニュアンスに合わせて感覚的にイントネーションを使い分けたりしているものです。
これは、他の地域にみられる方言でも同じではないでしょうか。
関西弁の伸ばし言葉はとても奥が深いため、とにかく聞いて・喋って、一歩ずつマスターに近づいてみてくださいね。
参考資料
太田 彩子