4. 「年金収入が少ない人」ができる老後対策
年金やその他の所得が一定以下の場合、要件を満たせば年金生活者支援給付金が受けられます。
とはいえ、支援金や公的制度だけで、自分の老後生活を豊かにできるとは言いにくいです。
自分の老後のために、やはり自分で老後資金を準備することも大切でしょう。
ここでは年金収入が少ない人のための老後対策をご紹介します。
4.1 繰下げ受給をする
厚生年金も国民年金も、65歳以降に受給を開始することで、受給額を増やすことが可能です。これを年金の繰下げ受給といいます。
2022年4月からは75歳まで年金を繰り下げることが可能になりました。
繰り下げる月ごとに0.7%ずつ年金が増えるため、10年間で最大84%増加できます。
ただし、年金を受け取るまでは無収入なので、余剰資金が余りない場合は働き続ける必要が出てくるでしょう。
また税金保険料の負担が増える点や、加給年金が受け取れない点にも注意が必要です。
4.2 iDeCoや個人年金保険などで独自の年金をつくる
公的年金が少ない見込みの場合、iDeCoや個人年金保険などで、独自の年金を作る方もいます。
毎月の掛け金は所得控除の対象となるため、現在の税負担を軽減するメリットもあります。
元本割れを避けたい場合は個人年金保険が選択肢となりますが、今の低金利では多くのリターンが期待できません。
一方、多少のリスクを負っても増やしたいと考える場合は、変額保険タイプの年金保険等もあります。
ご自身にあった方法で検討してみるといいでしょう。
4.3 資産運用を含めて老後資産を形成する
預貯金だけでなく、資産運用も取り入れることで「資産を守りつつ増やす」という方もいます。
例えばつみたてNISAや投資信託、2024年に始まる新NISAなども注目度が高いです。
比較的少額から始められるため、初心者には検討しやすいのではないでしょうか。
預貯金に比べて「インフレリスクに対応できる、増やせる、老後も運用を続ければ資産が減るスピードを緩やかにできる」というメリットがある一方、資産運用には資産が目減りするリスクもあります。
リスクを抑えるための「長期・分散・積立」の法則を守ることはもちろん、しっかり自分に合う情報収集が必須となるでしょう。
5. 老後の生活を守るのは年金と自分
年金生活者支援給付金など、個人の生活を守るための公的制度は確かにあります。
ただし、豊かな老後を実現できるかは、各々の老後対策に左右されるものです。
自分自身に合う方法を見つけて、着実に資産形成をしていきましょう。
参考資料
太田 彩子