2023年のゴールデンウィークが4月29日(土)からはじまり、上手に休暇を取れば最大で9連休になります。

連休に合わせて、地元への帰省や遠方への旅行を計画している方もいるのではないでしょうか。

遠出で外せないものと言えば、ご当地グルメ!地元産の食材を使い、現地ならではの調理法で作られた料理は、旅行気分を盛り上げてくれます。

そこで今回は、関西と関東の違いに焦点を当て、同じ名前なのに別物の食べ物を3つ紹介します。

関西と関東では別物の食べ物1. すき焼き

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すき焼きは、関西と関東では別物の食べ物としてよく挙げられる料理の一つです。大きな違いは、割り下の有無とすき焼きに使用する具材。

関西のすき焼きは、まずは鍋に牛脂をひいて、砂糖や醤油などで甘辛く焼いた牛肉を食べます。野菜や豆腐を入れるのは、牛肉を食べ終わってからです。

定番のネギ・豆腐・しらたきに加え、シイタケやタケノコなど様々な具材を使うのも特徴的。火が通りにくい順番に具材を鍋に入れ、最後に牛肉を入れていただきます。

牛肉は具材を入れる前と後の2回に分けて食べられるので、関西のすき焼きはなんだかお得に思えてきます。

甘辛く焼いた牛肉は、炊きたてのご飯とも合いますよね。

一方関東のすき焼きといえば、割り下で肉や野菜を一度に煮た料理のことを指します。具材は、ネギ・豆腐・しらたき・牛肉がメインで、関西のすき焼きと比べるとシンプルな印象。

関東のすき焼きは割り下ですべての具材を煮こむぶん、味が染み込んでいておいしそうです。

4~5月は春の陽気が心地よい季節とはいえ、時間帯や天気によっては少し肌寒く感じることもあります。身体を温めるのも兼ねて、現地ならではのすき焼きを食べるのもおすすめですよ。

関西と関東では別物の食べ物2. うなぎの蒲焼

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全国各地に名店がある、うなぎ料理。うなぎ料理の代表格であるうなぎの蒲焼にも、関西と関東の違いが見られます。

1つ目は、うなぎの捌き方です。関西では腹から捌くのに対し、関東では背中から捌くのが一般的。

関西には商人が集まるため、「腹を割って話す」「自腹を切ってもてなす」といった意味を込めて、腹から捌くようになったという説があります。

一方関東は武家社会で、腹から捌くのは「切腹」を連想させるため避けられることに。代わりに、うなぎは背中から捌くようになったようです。

また、調理法にも違いがあります。関西では、とろみのあるタレをうなぎにかけて焼くお店がよく見られます。

対して関東では、サラサラとしたタレにうなぎをくぐらせて調理します。

タレが水っぽいぶん、うなぎの脂がタレを弾きやすいため、一度うなぎを蒸して余分な脂を落としてから焼く工程に入るのも特徴的です。

うなぎの蒲焼の味は、関西は脂がのってこってりとしたものが多いのに対し、関東はあっさり系からがっつり系まで様々。お昼は自分好みのお店を見つけて、ご当地ならではのうなぎ料理に舌鼓を打つのもよいかもしれません。

関西と関東では別物の食べ物3. 年取り魚

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年末年始の縁起物の一つである年取り魚も、関西と関東で違いがある食べ物です。関西ではブリ、関東ではサケが好まれる傾向にあります。

日本各地から食材が集まっていた上方(現在の京都や大阪などの畿内のこと)では、出世魚のブリが縁起物として定着していました。

そのため、年取り魚としてもブリが好まれるようになったと考えられています。

海運の発達により北国から上方へサケが運ばれることもありましたが、既にブリが年取り魚として定着していたため、サケは上方から江戸に回されることに。

江戸では「栄える」を連想させる縁起物なだけでなく、長期保存や塩分の補給ができる食材として親しまれ、幕末ごろには年取り魚としてサケを食べる習慣が根付きました。

「同じ名前」なのに関西と関東では別物の食べ物はまだまだたくさん!

今回は、「同じ名前」なのに関西と関東では別物の食べ物として、すき焼き、うなぎの蒲焼、年取り魚を紹介しました。

同じ日本国内なのに、見た目、調理法、使用する食材がそれぞれ異なっていて、とても興味深いですね。

実は今回紹介した以外にも、「たぬきうどん」や「ぜんざい・お汁粉」など、関西と関東では別物の食べ物がたくさんあります。旅行の際は、地域色を感じられる食べ物をぜひ試してみてください。

※地域により異なります。また由来には諸説あります。

参考資料

太田 彩子